宮迫博之リングアナデビューの“真相” 「RIZIN」と「互いにとってウィンウィン」の今後は…
宮迫博之リングアナについて「お互いにとってウィンウィンになってるな、というチャレンジです」
さて、ここまでリング上のソフト面ではそれなりの成果が出せたことが伝わってきたが、試合とは別にもう一つ、新たな彩りが加わった話をお伝えしたい。
それはこの日の第1試合でリングアナウンサーとしてデビューした、お笑いコンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之氏についてである。
これに関して榊原CEOは、「宮迫さんも当時からPRIDEを見ていた。だったら芸人ではなくリングアナとして真摯に向き合って続けていけるんだったら、宮迫さんがリングアナを務めるのは面白いんじゃないの?って僕が振ったんです。そしたらやってみたいと」と経緯を説明した。その際に榊原CEOとしては「変にボケる必要はなく、真摯にリングアナと向き合えますか?」との条件をつけた結果、今回のリングコールが実現したという。
しかも榊原CEOは宮迫氏のリングコールを「うまかったですね、声もいいし。さすがだなと思いました。だからツカミはオッケーじゃないですけど、お互いにとってウィンウィンになってるな、というチャレンジです」と称賛の言葉を贈った。
ものをつくるとは、そういった遊び心をどこかに持ち合わせながら構築していくもの。その点では非常に将来性を感じるチャレンジをしたことになる。
振り返ると、PRIDE時代(確か2001年11月にあった東京ドームでの「PRIDE.17」)には、落語家の故・立川談志師匠がイゴール・ボブチャンチン対マリオ・スペーヒーのリングコールをして話題を呼んだことがある。こうなると立川一門の登場も秒読みなのかと思ったりもして、まったく違う視点からRIZINを盛り上げることにつながっていけば面白さは幾重にも広がっていくだろう。
もちろん、そうした近未来の話よりもRIZINには当面の課題が山積だ。
「これから先のドラマの展開をどうするか。今日はオールジャパニーズで届けられたと思いますけど、やっぱり世界中のトップファイターにリングに戻ってきてもらえるような環境を1日も早くつくり出したいなあと。
これは行政を含めた国全体の向き合い方によって変わってくると思いますけど、彩りというかスケール感としてワールドワイドな広がりがこの先は必要になってくるので、前編の1日目は十分合格点が出せる試合内容でしたし、制作チームも、きちっと事故なく大会を滞りなくやれたことに感謝をしたい」
榊原CEOはそう言うものの、何事もやってみないことには分からないことが多々存在する。なにせ今回は初めて使う会場である。
さらに、「今日も気温が高くて、エアコンの温度を最大限に下げても、場内が蒸し風呂のようになってしまうとか。途中からいったん閉めて、冷やしてまた空けてとか、コロナ禍での苦労、葛藤、模索はこれからも続くけど、すべてが実績、経験として血肉になると思う」と話した。
クラウドファンディングにも取り組んでいるRIZIN。コロナから主役の日を取り戻す日はいったい、いつなのか。それも含め、どうにも目が離せないイベントであることは間違いない。