超特急、9人そろわないツアーで「強くなれた」と自信 悔しさをにじませるもメンバー愛の詰まった公演に
メインダンサー&バックボーカルグループ・超特急が28、29日に神奈川・横浜アリーナで「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2024-2025『Joker』」の最終公演を開催。ENCOUNTでは28日の公演をレポートする。
タカシが帯状疱疹で公演を欠席
メインダンサー&バックボーカルグループ・超特急が28、29日に神奈川・横浜アリーナで「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2024-2025『Joker』」の最終公演を開催。ENCOUNTでは28日の公演をレポートする。(取材・文=水谷賀奈子)
本ツアーは、タイトルにもある「Joker」を追い求めていくストーリーテイストな演出で、全公演その日限りの特別な内容となっている。ライブではこのツアーのために制作した未発表の新曲や、既存曲にもいつもと異なったアレンジを加え、Jokerの正体を探る仕掛けを盛り込むなどトリッキーな世界へと8号車(=超特急のファンの総称)をいざなった。また、メンバーのタカシは、帯状疱疹で出演を欠席した。
開演時間の午後6時30分を過ぎるとオープニング映像とリンクさせ、ドアや電話ボックスなどステージセットから順にメンバーが1人ずつ登場。「Who is the Joker?」との文字による問いかけを合図に、黒ジャケットと黒の手袋でそろえた衣装に身を包んだメンバーがメインステージに集まり、未発表曲『POKER FACE』で幕を開けた。
『No.1』の8号車による「(メンバーの名前)がナンバーワン!」とのコール&レスポンスで盛り上がりは一気に加速。アロハが「タカシ! タカシ!」とコールを呼びかけ、タクヤが「タカシやで!」をアレンジし「タクヤやで!」とあいさつした。会場にいる全員で公演を休むタカシに思いを馳せる場面も見られた。
また、同ツアーの大阪公演で足を負傷し、それ以降は演目の一部のみに参加していたアロハが横浜公演から完全復帰となった。「ただいまです! 横浜来たぞ!」と笑顔と大きな声で元気さをアピールした。
全員が赤のレザーのセットアップに衣装チェンジすると『On & On』『UNKNOWN…』などを歌い踊った。音にハマった、力強さが感じられるソロダンスで魅せると、あちこちから拍手が起こった。
それぞれのメンバーカラーを取り入れたカジュアルな衣装に着替えて披露した『Love Song』では、シューヤが「ここにいる8号車でタカシくんに届けよう!」と呼び掛けた。8号車もともに歌い、会場は一つになった。『クリスマス・イブ』は、メンバーがカメラを見つめてプレゼントを渡したり、電話をかけるシチュエーションなどの演出が。“好きな人目線”で楽しめるパフォーマンスで8号車をメロメロにしていた。
さらに『星屑のダンスフロア』では、メンバーが2手に分かれ、スタンド席の間をトロッコで駆け抜け、8号車との距離を近づけた。
足の負傷から復帰したアロハは元気アピール
MCでは、メンバーが近況トークを展開。アロハは「真面目なことを言うと、ずっとリハビリをやっていて、走ってたんです。公園ではアスリートみたいな人が真横を通って、『負けてらんねぇ』ってなってました。0から100に持っていく感じが、いいリハビリでしたね(笑)」と明かした。
また、現在フジテレビ系ドラマ『アイシー ~瞬間記憶操作・柊班』(火曜午後9時)に出演しているハルに、メンバーから「SNSで見たけど、ドラマ現場でも変顔してるの?」とツッコミが。ハルが「仕方ないじゃん。みんなにそうやって育てられてきたんだもん」と“メンバーのせい”にすると、会場は笑いに包まれた。
後半戦は、ユーキによる「みんなで踊れる曲です!」との紹介で『AwA AwA』からスタート。実際に“泡”が登場する演出の中、8号車もサイリウムを高く上げて踊ると、リョウガは「みなさんお上手でした」と言葉をかけた。続く『ジュブナイラー』では、メンバーと8号車で作り上げる「ばっちこいや」「いけんのか? やれんのか?」などのコール&レスポンスで一気にエネルギッシュな空間となった。
「Jokerからの挑戦状」と題したパートの一曲目『Spice』は、グレーのジャケットスタイルに衣装チェンジ。一糸乱れぬダンスパフォーマンスに8号車の視線は釘付けに。炎の特攻演出も加わった『Typhoon』で、会場の熱気が最高潮に達すると、そのままラストスパートへと突入していく。
再びスクリーンに「Who is the Joker?」の文字が映し出されると『JOKER FACE』のイントロが流れた。時にはカメラをにらみつけるような表情を見せ、超特急の武器である自在に動くフォーメーションダンス、さらには水の演出で濡れながらも踊り続けるダイナミックなパフォーマンスで強烈な余韻を残す。「I am Joker」との文字とともにアロハの顔がスクリーンに映し出され、今日の“Joker”の正体が明らかになると、本編は幕を閉じた。
それでも鳴り止まない超特急コール。メンバーが再び登場し、アンコールとして『My Buddy』を披露した。いつも、タカシと2人でメインボーカルを務めるシューヤは「2人から1人って、辛いですね。その形が変わらないように、これまで守ってきたタカシくんを尊敬しました。感謝の気持ちを込めて、タカシくんの分まで歌いました」と心境を語った。
カイもまた、「今までの超特急だったら中止や延期の選択をとっていたのですが、今回ライブできたのはタカシとシューヤが全力で走ってきてくれたからだと思います。今日はいつにも増して、超特急の気持ちを届けられたライブだったんじゃないかなと思っています。超特急も8号車も強くなれたと思います。もちろん会場の大きさがすべてではないですが、絶対に大きいところに連れていきます」と言葉に力を込めて、誓った。
そして、『超えてアバンチュール』ではメンバーが「タカシやで!」を連呼し、「アロハおかえり!」の言葉も添え、最後の最後までメンバー愛の詰まった公演となった。