20歳は「こんなに幸せでいいの?」 ソロでもブレイクの杏ジュリアが誓う“いいスタート”

2月9日から19日まで東京・日本青年館ホールで上演される舞台『スクールアイドルミュージカル』(岸本功喜氏演出)に杏ジュリアが出演する。2022年の舞台初演から登場し、昨年の再演に続き3度目の舞台出演。昨年はドラマ版にも参加した杏が、作品への思いを熱く語った。

「スクールアイドルミュージカル」に出演する杏ジュリア【写真:山口比佐夫】
「スクールアイドルミュージカル」に出演する杏ジュリア【写真:山口比佐夫】

『スクールアイドルミュージカル』に初演から出演中

 2月9日から19日まで東京・日本青年館ホールで上演される舞台『スクールアイドルミュージカル』(岸本功喜氏演出)に杏ジュリアが出演する。2022年の舞台初演から登場し、昨年の再演に続き3度目の舞台出演。昨年はドラマ版にも参加した杏が、作品への思いを熱く語った。(取材・文=大宮高史)

『スクールアイドルミュージカル』は、兵庫・椿咲花女子高等学校と大阪・滝桜女学院という対立する2校の高校が舞台。椿咲花高校の2年生・椿ルリカは、憧れの滝桜のアイドル部センター・滝沢アンズに憧れてアイドルに興味を持ち始める。

 そのアンズが転校してきたことをきっかけに椿咲花高校でアイドル部を立ち上げる。規律の厳しい同校でゼロから部をスタートさせたが、アンズの転校をめぐり、両校を巻き込んだ展開に。杏は椿咲花高校アイドル部のメンバー、北条ユキノを演じる(浅蔵るかとWキャスト)。

 2010年に始まった、ゲーム・アニメ・ライブなどで展開するメディアミックスのアイドルプロジェクト『ラブライブ!シリーズ』の1つで、22年にオリジナルミュージカルが誕生。杏はその初演から出演している。今回の作品は2月に東京公演、4月4~6日には大阪・新歌舞伎座で上演する。

――22年の『スクールアイドルミュージカル』初演への出演はオーディションで決まったそうですね。

「大好きな『ラブライブ!シリーズ」の新しい作品が、それもリアルな舞台で始まることにまずびっくりでした。オーディションではまだ具体的な役柄は決まっていませんでしたが、思い入れが強かったので、合格を聞いた時はうれしすぎて自分の名前が載ったニュースを全部スクショで保存していました」

――北条ユキノのイメージは。

「成績優秀でおっとりしているお嬢様という印象ですが、実は彼女のビジュアルが大好きで、稽古前に初めてイラストを見た時一目惚れしました(笑)。たれ目で下がり眉で、ちょっと守りたくなる、私にとって理想の女の子です。『ラブライブ!シリーズ』が好きでずっと追いかけていたので、妹のように可愛い『理想の後輩像』を抱いていて。椿咲花のアイドル部の中で、1人だけ1年生の彼女も、そんな愛される子にしたくて役を演じてきました」

――再演を重ねて、ユキノの役作りに変化はありましたか。

「最初は、彼女のおっとりした面を前面に出して演じてみました。でも実は、猪突猛進なところもあって、アイドルに縁がない世界で生きてきたのに、憧れのルリカ先輩がアイドル部を立ち上げたら一緒にアイドルを目指すと即決します。彼女のそういったピュアで仲間思いなところも、再演やドラマで解像度が上がっていきました。だから舞台ではおっとりしているだけじゃなく『こんなに明るい子だったんだ』と意外に思っていただけるかもしれません」

――昨年秋にはドラマ版も経験しましたが、同じ人物を舞台と映像で演じてみて感じたことは。

「連続ドラマは初めてで、難しさがありました。気持ちを強調する舞台のお芝居と違って、演者同士の距離も近いし自然に振る舞いながら感情を伝えなくてはいけなくて。ドラマではユキノちゃんがバレエをやっていたことを知ることができて、私も10年間バレエを習ってきたのでうれしかったです。ダンスも優雅さを交えて踊ってみました」

『本物が目の前に!』アイドル集結の現場で自身も興奮

――今回の舞台は杏さんと同じくドラマ版から続けて出演するキャストもいて、またWキャストでの上演です。しかもアイドル、声優、俳優……と様々なジャンルからキャストがそろいました。

「現役アイドルの方が多いので、初めて顔を合わせて挨拶した時『本物が目の前に!』と皆ちょっと興奮気味でした(笑)。1人でいると人見知りしてしまうんですが、仲良しの浅井七海さんが初演から一緒にチーム・椿咲花にいるので、私も稽古場でギャグを飛ばしたりして積極的になっています。再演のたびに新しいキャストさんが加わるので、その子たちがリラックスできるよう、いい雰囲気づくりをするポジションになってきています」

――そんな中で、特に印象深いキャストの方は。

「初演から舞台でルリカを演じてきた堀内まり菜さんはいつも明るく引っ張ってくれましたし、アンズ役の(アイドルグループ)≠ME・冨田菜々風さんはドラマからセンターのオーラがすごくて、彼女に憧れる椿咲花のメンバーの気持ちが実感できました(笑)。同じく初演のときの来栖トア役の星守紗凪さんは、声の演技の引き出しがすごくて、『さすがプロの声優さん!』って、同じ1年生の役ながら圧倒されて好きになりました」

――今、あらためて思う「スクールアイドルミュージカル」の魅力とは。

「青春の思い出がよみがえるような熱さが魅力です。昨年の再演で、Wキャストの公演を客席から見た時、自分が出ている舞台なのに大泣きしてしまいました。普通の高校生だった子たちがステージの上でアイドルになっていく過程がまぶしすぎて。私も初演で初めての本読みがダメダメすぎて、しょんぼりして帰った思い出もあります。皆で『(役は)どういう子なんだろう? 舞台でどう目立たせようか?』と悩んだだけに、(役を)好きになっていった分、思い入れも強いです」

――初演から携わってきた分、作品への愛も強いと。

「ユキノちゃんのビジュアルも性格も全部好きです(笑)。それに好きなものに全力投球なところは私に似ています。そんな彼女の魅力をたくさんのお客さんに伝えたくて、私も成長してきました。歌を何度も練習して、稽古で自分の声を録音して頑張ってきたので、『理想のユキノちゃんにだんだん近づいている』と実感しています」

――“好きなものに全力”ということですが、杏さんにも“推し”などはいますか。

「振り返ると、ずっと“推し”がいる人生を送っています。事務所に入ったきっかけも永野芽都さんに憧れてでしたし、アニメや声優さんとか、すぐ何かにハマってしまうんです。もちろんユキノちゃんも推しで、彼女をずっと演じてきたおかげて、一昨年12月には東京ドームの『異次元フェス アイドルマスター☆▲ラブライブ!歌合戦』(▲はハートマーク)にも立たせていただきました」

――『異次元フェス』では、『ラブライブ!シリーズ』の他グループの声優との共演もかないました。

「この世界に入って、目標とする方々との距離がぐっと近くなりました。幸せを噛みしめて、もっと頑張らないと、と思います。私もこの舞台の現場で『曲、聴いてます』といろんな子に声をかけてもらって『いつの間に、こんなすごい人たちに知ってもらえていたんだ』とびっくりしています。グループによって雰囲気やダンスのコンセプトも全然違うので刺激にもなりました」

――昨年は、自身の活動も、『最上級にかわいいの!』のヒットなどでグループも好調の1年でしたが、今年の抱負は。

「昨年は20歳になったので、特別な年にしたいなと思っていたら、1月からこの舞台の再演があって、ドラマにもなって、とき宣も新しいお仕事をどんどんいただいて、夢がかないすぎた年でした。『こんなに幸せな20歳でいいの?』と思うほど幸せだったので、今年は絶対にいいスタートを切っていきたいです」

□杏ジュリア(あん・じゅりあ)2004年1月15日、東京都生まれ。スカウトで現事務所(スターダストプロモーション)へ。18年に、ときめき▲宣伝部(現・超ときめき▲宣伝部)に加入。24年は『最上級にかわいいの!』がSNSでバイラルヒットし、グループで生配信ドラマ『リトライ、青春!』や『ときめき▲超音波!!』(日本テレビ)などに出演。『スクールアイドルミュージカル』では22年の初演から北条ユキノ役を演じる。24年のMBSドラマ版にも同役で出演。趣味はゴルフ、創作料理など。特技はクラシックバレエ、スプーン曲げ、ぷく顔(頬をふくらませた顔)など。

<公演概要>
「スクールアイドルミュージカル」
東京公演 2025年2月9日(日)~19日(水) 日本青年館ホール
大阪公演 2025年4月4日(金)~6日(日) 新歌舞伎座

[原作]矢立肇 [原案]公野櫻子
[脚本/演出]岸本功喜 [作曲/編曲]小島良太
[出演]
堀内まり菜 冨田菜々風 西葉瑞希 浅井七海 安本彩花 杏ジュリア 浅蔵るか
仲村悠菜 山内瑞葵 小山璃奈 里菜 西田有愛 由良朱合 山本愛梨 鈴木まゆり
岡村さやか 福田えり 蒼乃夕妃 ほか

チケット一般発売中
お問合せ インフォメーションデスクhttps://information-desk.info/
公式サイトhttps://lovelive-anime.jp/special/musical/
公式X(旧Twitter)https://twitter.com/sim_LoveLive

主催・企画制作:バンダイナムコフィルムワークス/バンダイナムコミュージックライブ/アークスインターナショナル
(C)プロジェクトラブライブ!スクールアイドルミュージカル

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