フジの失態で系列局に強い危機感 分配金に支えられた経営も…「あくまでも別法人のローカル局」と声明
中居正広さんの問題に関連したフジテレビの「対応判断ミス」は、系列局にも影響を及ぼしている。フジテレビ制作の番組を対象にCM差し替えの動きがあり、各々が危機感を募らせている。一部の局では、独自に「声明」を発表する事態になっている。
テレビ静岡は「社内アンケート調査」を宣言
中居正広さんの問題に関連したフジテレビの「対応判断ミス」は、系列局にも影響を及ぼしている。フジテレビ制作の番組を対象にCM差し替えの動きがあり、各々が危機感を募らせている。一部の局では、独自に「声明」を発表する事態になっている。
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17日に行われた港浩一社長による「閉鎖的会見」以降、20日までに75社がフジテレビでのCMを差し止めた。その影響は全国27の系列局にも及ぼしていた。22日に記者会見した関西テレビ(カンテレ)の大多亮社長は、同局制作で関西ローカルの番組で数社、ネット番組、ローカル、スポット含めると30数社からCMの差し替えや提供表示の中止などの依頼を受けていることを明かした。
この事態は全国に広がり、北海道文化放送は23日付で「声明」を公式サイトに掲載。「当社は、フジテレビ系列局ではありますが、あくまでも別法人のローカル局であり、独自の編成により、自社制作番組等を通じて地域社会への貢献に努めております」と強調した。
その上で「コンプライアンス遵守はもとより、社員一人ひとりが高い倫理観と責任感を持って放送業務に携わることで、視聴者の皆様からの信頼獲得と維持に努力しているところです。今回の事態を真摯に受け止め、当社におきましてもコンプライアンス上の問題点がなかったかどうか、アナウンス部の社員らに聞き取り調査をしておりますが、現時点では問題はございませんでした」と説明している。
テレビ静岡もこの日、公式サイトを更新し、「テレビ静岡はあらゆる人権侵害、ハラスメントは決して許されないとの姿勢で『テレビ静岡倫理行動指針』に沿って事業活動に取り組んでおります」と説明。その上で「今回のフジテレビの一連の報道を受けて社内において全社員を対象にした匿名による『社内アンケート調査』を行い、一層の環境整備に取り組んでまいります」と宣言している。
一方で、フジテレビがスポンサー企業に対し、ACジャパンに差し替えたテレビCMの料金を請求しない方針を示したことが広告代理店関係者の話で判明した。ACジャパンの公共広告に差し替わった広告枠は契約済みのため、原則として各社の出稿費用は発生するが、それを求めないことになる。また、フジテレビが日弁連のガイドラインに基づいた「第三者委員会」の設置を発表。調査結果は3月末に出る見込みのため、4月改編の契約についても、CMを差し止めている各社は身動きできないでいる。
この状況下、フジテレビの営業収入が激減することは必至。ローカル局の事情を知る広告代理店関係者は「系列各局はキー局によるネットタイムの広告分配金で支えられています」とし、「このままでは経営状態が悪化するため、フジテレビによる27日の記者会見、その後の対応も祈る思いで見ていると思います」と話している。