【べらぼう】鉄拳、素顔は「意外と出します」 大河出演も撮影現場で気付かれず
お笑いタレントの鉄拳が、礒田湖龍斎(いそだ・こりゅうさい)役で出演するNHKの大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の取材会に出席し、出演が決まった際の心境や撮影現場の様子などを語った。
絵師・礒田湖龍斎役で26日放送の第4回に登場
お笑いタレントの鉄拳が、礒田湖龍斎(いそだ・こりゅうさい)役で出演するNHKの大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の取材会に出席し、出演が決まった際の心境や撮影現場の様子などを語った。
作品は横浜流星が主演を務め、18世紀半ばに江戸のメディア王として時代の寵児(ちょうじ)となった“蔦重”こと蔦屋重三郎を主軸に描く痛快エンターテインメント。湖龍斎は、蔦重が企画し、西村屋与八(西村まさ彦)と共に出版した『雛形若菜初模様』の絵師。26日放送の第4回に登場する。
普段は白塗りメイクの鉄拳だが、ドラマでは素顔で演じることになる。出演が決まった際に葛藤はなかったのか。
「民放のドラマでも1度素顔で出演したことがあるので特に問題はなかったです」
気にならなかったということか。
「いえ、気にはなりました。おじさんだし、素顔を見せたくないと思いましたが、めちゃくちゃチャンスだと思いましたし、大河ドラマに出演したいという気持ちの方が勝ちました」
素顔で出演していい場合の基準はどうなっているのか。
「素顔を出してと言われたら意外と出します。基準は特にありません。元々お笑い芸人が嫌いだった父にバレないためにメイクしたのですが今はもう父にバレていますし、近所の人にもバレてるので(笑)」
お笑い芸人が嫌いな父が息子の大河出演を知った時の反応も気になる。
「照れていました。報告した時は半信半疑みたいな感じでしたけど本当は喜んでいると思います」
SNSでも素顔での出演が話題になった。
「そこまでして出たいのかとか否定的な言葉がなくて良かったです(笑)。渋いと書かれてうれしかったです」
俳優を諦めた過去「先生に向いていないと言われて」
湖龍斎を演じるにあたり、日ごろパラパラ漫画を描く際に使うペンではなく筆を使うことになる。
「浮世絵の先生と一緒に練習したら、あまりに自分が下手でびっくりして、急いで家に帰って練習しました。筆で細く描くのはすごく大変です。多分、僕が出演を指名されたのは絵を描けるからだと思うので必死で練習しました。家で1日4時間、1カ月くらい練習しました。ドラマではちゃんと自分で描いているシーンになっているはずです。完成した作品は先生が描いた絵ですけど」
ここで演技について聞いた。
「やっぱり苦手です。セリフが短かったので助かりました。長かったら多分、パニックで言えなかったでしょう。今後、また演技の仕事のオファーがあったらセリフ一言なら受けます(笑)。今回、うまくできたのは湖龍斎さんが入ってきたのかも」
演技が苦手と言うが「NG出さなかったです」と話した。実は昔、劇団「東俳」に所属したこともある。
「先生に君は活舌が悪いので俳優に向いていないと言われ、あきらめました。その時の先生に大河ドラマに出ると言いたいです(笑)。周囲の人たちは僕がいつ出るのとかすごく期待していて横浜流星さんと一緒にずっと出ると思っているぐらい期待しています。期待しないでください」
主演の横浜流星の印象はどうだったのか。
「とにかくかっこよかったです。でもあんまり話ができなかったです。西村まさ彦さんともご一緒のシーンで、実はサイン色紙を持っていったのですがチャンスがなくサインはもらえませんでした(笑)。でも終わった後に一緒に写真は撮りました。記念になります」
素顔で演じる鉄拳に対する横浜ら共演者の反応はどうだったのか。
「全くなかったです。現場のスタッフさんも本当に鉄拳なのかというような半信半疑の顔をしていました。ただ、撮影でセリフを言った後に笑いが起きたんです。鉄拳だったんだと、その時、やっと分かったんだと思います。しゃべる前までは全然、誰も鉄拳だと気付いてなかったですね(笑)」
登場する第4回はリアルタイムで視聴するという。
「SNSで悪いことを書かないでください。へこむので。次につなげるには皆さんのコメントにかかっていると思うので、鉄拳のこういう役も見たいと書いてもらってNHKさんに見てもらい、湖龍斎のシーンが終わっても『また鉄拳、別の役で出ているな』という感じになれたらうれしい。通行人でもいいので(笑)」
演技は苦手と言うが、同じ『べらぼう』に別の役でも出演したいというどん欲さには、今回が「3年ぶりのテレビ出演……楽しかった」と明かしたこともあって応援したい気持ちになった。最後は自分ができることは浮世絵を描くことだとし、「そこは期待に応えています」と自信を見せていた。