矢口真里、語ったつんく♂への感謝 42歳の記念リサイタル開催…カバー曲で思わず涙も

モーニング娘。OGの矢口真里が、19日に東京・GRIT at shibuyaでソロリサイタル「矢口真里バースデーリサイタル2025~珍しく本気で歌を届けます~」を開催した。趣旨の異なる昼夜2公演の1公演目では、自身初となる弦楽5重奏とピアノの演奏で歌を聴かせるコンサートを行い、歌手としての本領を発揮。20日に42歳を迎える矢口にとっては、自身へのバースデープレゼントとなる念願の企画が実現した。

42歳の記念リサイタルを開催した矢口真里【写真:ENCOUNT編集部】
42歳の記念リサイタルを開催した矢口真里【写真:ENCOUNT編集部】

『矢口真里バースデーリサイタル2025~珍しく本気で歌を届けます~』

 モーニング娘。OGの矢口真里が、19日に東京・GRIT at shibuyaでソロリサイタル「矢口真里バースデーリサイタル2025~珍しく本気で歌を届けます~」を開催した。趣旨の異なる昼夜2公演の1公演目では、自身初となる弦楽5重奏とピアノの演奏で歌を聴かせるコンサートを行い、歌手としての本領を発揮。20日に42歳を迎える矢口にとっては、自身へのバースデープレゼントとなる念願の企画が実現した。

 1公演目のリサイタルは着席形式となり、クラシックのBGMが流れる中で満員のファンは静かに登場を待った。

 開演時間となりBGMの音量が大きくなると演奏者がステージに上がり、クラシックのコンサートさながらに演奏前のチューニングを行う。

 ステージ上にはスモークが炊かれ、幻想的な雰囲気を演出する中で弦楽器とピアノでイントロを奏でると薄紫色の豪華なドレスを着た矢口がステージに登場し、温かい拍手が送られる。

 オープニングは自身が参加したユニット「タンポポ」のデビュー曲『ラストキッス』からスタート。続けて2曲目は『聖なる鐘がひびく夜』を披露した。この日のための特別なアレンジで、まるでミュージカルの1シーンのようなドラマチックな演奏をバックに矢口は力強く歌い上げた。

 2曲歌い終わり、客席にあいさつすると会場は大きな歓声と拍手に包まれた。

「いつもと全然違う雰囲気で、今日はバラエティー(なMC)をどうしようかなと思ったんですけど、みなさんの『フォー!!』を聴いてちょっと話そうかなと思います」と言うと大きな笑いが起きた。

「明日(20日)で22歳の誕生日を迎えます!(笑) はい、深追いはしないでください」と話すと、さらに大きな拍手とファンからの「おめでとう」のコールが響いた。

「今日はいつものモーニング娘。とかのライブとは違うからみんなも(背筋を伸ばして)座ってスーッとしてますよね。私も(いつもと違うので)ふわふわしている状態なんですけど、私にとっても今回が1回限りのチャンスなのでみなさんと楽しみながら盛り上げていきたいと思います。ではしっとり系に戻ります」とMCを締めると3曲続けて披露した。

 ジャズ風の演奏をバックに軽快に歌う『好きで×5』(モーニング娘。)、弦楽器の重厚な響きと矢口の歌声が混ざり合った『さくら満開』(モーニング娘。さくら組)、『100回のKISS』(松浦亜弥)ではバラードをじっくりと聴かせた。

「アレンジをいただいた時、『え? 武道館でやるんですか』って思うくらい素晴らしいアレンジだったんです。マネジャーさんがノリノリで最初は弦楽四重奏とピアノだったんですけど、『もう1つ加えよう』と言ってコントラバスが入って五重奏になりました(笑)。本当に一生に1度あるかないかという記念のステージなので自分の楽曲と好きな曲をめちゃくちゃ詰め込んでまいりました。みなさんいかがですか?」と聞くとファンも拍手で応える。すると「ちょっとみんな(感動して)目が赤いかなーって感じ?」と言い、客席を笑わせた。

弦楽五重奏とピアノによる豪華な演奏【写真:ENCOUNT編集部】
弦楽五重奏とピアノによる豪華な演奏【写真:ENCOUNT編集部】

「ああ、泣きそう」

 次は『トイレの神様』(植村花菜)をカバー。歌う前に自身の過去を振り返った。

「私は小学校から中学校まで両親が共働きでおばあちゃん子だったんです。歌詞と一緒ですごく優しいおばあちゃんで大好きだったんです。おばあちゃんは早くに亡くなったので芸能に入った姿を見せられなかったんですけど…ああ、泣きそう。ちょっと向こうに届いたらいいなと思ってこの曲を選びました。…無理だ、これは泣く! ちょっと落ち着こう(笑)」と言って一呼吸置いた。

「泣かないように私は別のことを浮かべて歌うけれど、みなさんは歌詞に入り込んでくださいね」と話すと、途中で感極まった表情を浮かべたが、最後まで歌い切った。

 次は、矢口が推しと断言するMrs.Green Appleの『ケセラセラ ~The White Lounge ver~』と『僕のこと』をカバー。力強く美しい高音を響かせ、矢口の歌唱力の高さを見せつけた。

「私の完全なる趣味、公私混同とはこのことでしょう。私は今まで推し活をしたことがなかったんですけど、去年くらいから『歌が刺さるな』と思ってミセスさんにはまって、1年間、推し活をしてきました。逆に推し活をしたことでみなさんの気持ちが分かるようになってきたんです。だからいろんなグッズを出そうかなって。リーズナブルにね(笑)」

 ここで客席からドッと笑いが起きた。

「私は今までダンスをしないと不安なタイプだったんですけど、ファンのみなさんから『やぐっちゃんの歌が聴きたい』ってリクエストをいただいて、1回やってみようということになりました。何より演奏してくださったメンバーのみなさまのおかげで、私もこの2週間、子育てそっちのけで歌の練習をやってきました。明日からお母さんに戻らないといけないということで今日までは矢口真里として歌っていきたいと思います」

MCはいつもの調子でファンを笑わせた【写真:ENCOUNT編集部】
MCはいつもの調子でファンを笑わせた【写真:ENCOUNT編集部】

「アンコールって言ってもらえるとうれしいです。せーの!」

 終盤は『センチメンタル南向き』(タンポポ)、『恋ING』(モーニング娘。)、『たんぽぽ』(タンポポ)をこの日だけのアレンジで歌った。

 歌い終わると「しんどい時でも『たんぽぽ』を聴けば『明日も一丁やってみるか』『ちょっとだけ一歩前に出てみるか』みたいな気持ちになれる楽曲なので、作っていただいたつんく♂さんにも感謝しております。今もモーニング娘。’25も頑張っておりますので今の楽曲と昔の楽曲と含めて全てを愛していただけたらうれしいなって思います。これからもよろしくお願いします」とあいさつ。

 すると「あれ? もうおしまい?」と『たんぽぽ』が本編最後だったことに気がついた矢口。観客も意表を突かれた様子で「えーーー?」という大きな声が漏れた。

 ここで矢口が「いったんステージを下りてリップだけ塗ってくるので、その間、少しだけアンコールって言ってもらえるとうれしいです。せーの!」と声を掛ける。ファンもスタッフも全員大爆笑でアンコールの声援と拍手を送った。

 すぐにステージに戻ってきた矢口は、自身が担当したアニメ『ONE PIECE』の主題歌『風を探して』、そしてグループ在籍時の人気曲『なんにも言わずにI LOVE YOU』(モーニング娘。)を歌った。

終演後「また歌いたい」と語った矢口真里【写真:ENCOUNT編集部】
終演後「また歌いたい」と語った矢口真里【写真:ENCOUNT編集部】

「みなさんがいてくれるから歌うことができています」

 歌い終わった矢口は「感無量です」と喜びを言葉にした。

「2025年は歌から始められるのが本当にうれしくて、幼少期に歌が好きでいろんなオーディションを受けて15歳でデビューして、で、まあいろいろあって、また歌えるようになって…」ここで客席からも大きな笑いが起きる。矢口は続けて「みなさんがいてくれるから私は大好きな歌を今も歌うことができています。いつも本当にありがとうございます。最後は、私が一番好きなモーニング娘。の曲を歌わせていただきたいと思います」

 そう話すとストリングスとピアノのアレンジでモーニング娘。で一番好きな曲だという『I WISH』(モーニング娘。)を歌い、1公演目の幕を閉じた。

 2公演目は、1公演目と打って変わり、トークやゲームなどで盛り上がり、新年一発目のライブを楽しんだ。

『矢口真里バースデーリサイタル2025~珍しく本気で歌を届けます~』
2025年1月19日(日)GRIT at shibuya(東京)
1公演目セットリスト

1.『ラストキッス』(タンポポ)
2.『聖なる鐘がひびく夜』(タンポポ)
3.『好きで×5』(モーニング娘。)
4.『さくら満開』(モーニング娘。さくら組)
5.『100回のKISS』(松浦亜弥)
6.『トイレの神様』(植村花菜)
7.『ケセラセラ ~The White Lounge Version~』(Mrs. GREEN APPLE)
8.『僕のこと』(Mrs. GREEN APPLE)
9.『センチメンタル南向き』(タンポポ)
10.『恋ING』(モーニング娘。)
11.『たんぽぽ』(タンポポ)

アンコール
12.『風を探して』(矢口真里)
13.『なんにも言わずにI LOVE YOU』(モーニング娘。)
14.『I WISH』(モーニング娘。)

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