新党会見の石丸伸二氏「政治屋を一掃していきたい」 警護4人で“厳重ガード”…会場外には意外な人物の姿
昨年7月の東京都知事選で次点となった石丸伸二氏が15日、都内で記者会見を行い、地域政党『再生の道』を立ち上げたことを発表した。今夏の都議選に向けて、公募で選考する候補者を擁立するプランを公表。自身が都議選に出馬する考えは「ないです。出ません」と言明した。
“多選禁止”を唯一の党の約束事に掲げる
昨年7月の東京都知事選で次点となった石丸伸二氏が15日、都内で記者会見を行い、地域政党『再生の道』を立ち上げたことを発表した。今夏の都議選に向けて、公募で選考する候補者を擁立するプランを公表。自身が都議選に出馬する考えは「ないです。出ません」と言明した。
広島・安芸高田市長を務め、都知事選で旋風を巻き起こした“時の人”が、一気に動き出した。
政党名に込めた意味については「この日本をよみがえらせる。生まれ変わるぐらいの変化が今の日本には必要だと考えました」とし、司馬遼太郎の名著『坂の上の雲』からインスパイアを受けたことを明かした。
全42選挙区での候補者擁立を目指す都議選。都民から公募し、エントリーシートの書類審査、適性検査のテスト、面接の3段階での選考を設定しているといい、石丸氏と1対1で15分間のプレゼンテーションを行う面接は、新たにローンチするYouTubeチャンネルで配信する。言わば“公開オーディション”の大胆な選考を展開していく構想をぶち上げた。
特記事項として現職都議や首長経験者は選考なしで候補にするといい、当選した場合の唯一の条件として「多選の制限のみ(2期8年を上限とする)」を設けた。石丸氏は「党の約束事はただ1つ、これだけです。鉄の掟として約束してもらいます。逆を言えば、それ以外の縛りはありません。いわゆる党議拘束はありません。議決に際しては、それぞれの当選した議員が適宜適切に、是々非々で判断してもらいたいです。ただただ東京都のため、東京都民のために、短期的な視点はもちろん、中長期的な視点にも立って、利益を最大化するための合理的な判断を行って参ります。それができる人を求めたいと考えています」と力強く訴えた。
“石丸新党”の設立。都議会への影響について質問を受けると、石丸氏は「今の都政の勢力図と言いましょうか、そこに何か影響を及ぼそうということは目的にしていません。もしかしたら結果として流動化するかもしれませんが、緊張感がもたらされたとしてもそこから混乱につながるというのは杞憂であるという捉え方をしています」と説明。新党旗揚げの意義について、「政治屋を一掃していきたい」と強調した。
さらに、今後の展望として「東京都以外でも同じ政治活動が展開可能です。可能な限り広げていきます。このシステム、装置を輸出していくのが私の狙いです。他でも適用していきます」と言及した。
会見直前の入りは緊張感、4人の警護担当
会見前後の石丸氏の様子をとらえた。会見開始の10分前にスタッフと共に足早に会場入りしたが、口を結んできりっとした表情。緊張感が伝わってきた。一方で、会見後にエレベーターに乗り込む際は、4人の警護担当に囲まれる物々しい雰囲気ながらも、笑顔を浮かべるシーンがあった。
質疑応答を含めて1時間45分を超えた記者会見。出席可能なメディアとして、都庁記者クラブ加盟社、登録者数100万相当のネット媒体など、一定の参加基準を設けた。
会場外では、出席できなかったフリーランスの記者らが、スタッフに参加希望を訴える場面が見受けられた。
外の廊下には、思わぬ人物の姿が。YouTubeのビジネス動画メディア『ReHacQ(リハック)』を運営する、元テレビ東京プロデューサーで映像ディレクターの高橋弘樹氏だ。同メディアはこの日の石丸氏の会見をライブ配信したが、「人数制限があるそうで、スタッフが入っています。自分は仕方ないかな」。自身はライブ配信を通して石丸氏の会見を見届けた。同メディアでは15日夜に石丸氏を招いての生配信を予定しており、高橋氏は「昼の会見内容を深掘りしていきたいです」と話していた。
今夏には国政選挙の参院選も控えており、選挙イヤーの寵児(ちょうじ)となりそうな石丸氏の一挙手一投足に注目だ。