余計なひと言で大問題に発展…物語に大きな影響を及ぼした“戦犯キャラクター”3選

漫画やアニメのストーリー上で、大きな問題に発展するきっかけを作ってしまった“戦犯キャラ”は、自分勝手な行動によって取り返しのつかない事態を招き、読者や視聴者から批判されることも珍しくない。

取り返しのつかない事態を招いたキャラとは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
取り返しのつかない事態を招いたキャラとは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

勝手な行動が波乱の幕開けに…

 漫画やアニメのストーリー上で、大きな問題に発展するきっかけを作ってしまった“戦犯キャラ”は、自分勝手な行動によって取り返しのつかない事態を招き、読者や視聴者から批判されることも珍しくない。

 たとえば「週刊少年ジャンプ」(集英社)が誇るバトル漫画の金字塔『ドラゴンボール』(作:鳥山明)では、主人公である孫悟空のライバルとして登場し続けたベジータがたびたび戦犯キャラとして語られている。というのも「セル編」でドクター・ゲロによって生み出された人造人間「セル」が第2形態になり、あとは「人造人間18号」を吸収して完全体になるところまで迫っていたタイミングで、ベジータは興味本位から18号の吸収を許してしまう。

 そして完全体になったセルはベジータと戦い、本気を出すことなくベジータに勝利。セルが誰も敵わないほどの強さになったことで人類消滅のピンチを迎える。結果的に悟空の息子である孫悟飯が覚醒してセルを撃破できたが、そもそもベジータが第2形態の段階で仕留めていれば、ここまで問題が大きくならなかったはずだ。

 しかし、戦犯はベジータだけでなく、救世主である悟飯にも該当する。覚醒した悟飯はセルをすぐに倒さずにもてあそんだことで、セルは苦肉の策として自爆を選択。そこで悟空は「瞬間移動」を使い、セルとともに「北の界王」が住む「界王星」に移動して地球消滅を切り抜けた。これで悟空は死ぬことになり、悟飯がセルをすぐに始末していれば「悟空死亡」ルートをたどらなくて済んだだろう。

 アニメ『機動戦士ガンダム』の第1話に登場したジオン公国軍のジーンも、その後の未来を大きく変えてしまうほどの行動をしている。

 ジオン公国は地球連邦軍を偵察するために「ザク」3機を宇宙都市「サイド7」に送り込み、そのうちのデニム曹長とジーンの2機がサイド7内に潜入。そこで地球連邦軍がモビルスーツの開発を進めていることを知り、「早急に潰すべき」と判断したジーンはデニムの命令を無視して攻撃を始める。

 サイド7で暮らしていた主人公のアムロ・レイはザク襲撃を何とかするため、目の前にあった地球連邦軍のモビルスーツ「ガンダム」に搭乗。パイロットとして素人のアムロだったが、ジーンのザクを撃破してしまう。これをきっかけにアムロは地球連邦軍のエースパイロットとなり、ジオン公国にとって厄介な存在に。ジーンが偵察だけに留まっていれば、アムロはパイロットとして覚醒しなかったかもしれない。

 1話で戦死したジーンはいわゆるモブキャラだが、大人気漫画を原作としたアニメ『ONE PIECE』では一瞬の登場だけで、物語のポイントとなる「大海賊時代」を招いてしまったモブキャラが存在する。

 同作では海賊王である「ゴール・D・ロジャー」が「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を偉大なる航路(グランドライン)に置いてきたことで、それを追い求める海賊が続出して「大海賊時代」に突入。この“大秘宝を置いてきた”という話は、どのような経緯で明らかになったかは分からないままだった。

 しかし、アニメ48話に登場した海軍中将・スモーカーの回想シーンで、ロジャーの公開処刑直前に大衆のひとりが「集めた宝はどこに隠した」と問いかけ、ロジャーが「この世のすべてをそこに置いてきた」と応えている。つまり、この大衆のひとりであるモブキャラの発言によって大海賊時代に突入したいえるのではないだろうか。

 取り上げたキャラは「戦犯」扱いにされがちだが、彼らによって物語が大きく展開している。読者、視聴者として楽しませてもらっていると思えば、彼らの行動を称えるべきなのかもしれない。

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