ロス移住の菅久瑛麻アナ、延焼が続く山火事を目の当り「吹き荒れる強風」「消火に必要な水が不足」
昨夏から、31歳のフリーアナウンサーが米ロサンゼルス(LA)で暮らしている。富山、埼玉のテレビ局でキャリアを積んだ菅久瑛麻(すがひさ・えま)。彼女は現地の大学院に留学した夫をサポートし、自身も語学学校に通っている。1度、仕事に区切りをつけての移住ゆえにともに無収入。果たして、日本では考えられない程の物価高にある米国でやっていけるか……。そんな不安もある中で感じた驚き、戸惑い、感動をつづる不定期コラム「フリーアナ・菅久瑛麻、物価高にあ然…初めての米国生活」。第8回のテーマは「山火事の現状」。
フリーアナウンサー・菅久瑛麻のコラム第8回
昨夏から、31歳のフリーアナウンサーが米ロサンゼルス(LA)で暮らしている。富山、埼玉のテレビ局でキャリアを積んだ菅久瑛麻(すがひさ・えま)。彼女は現地の大学院に留学した夫をサポートし、自身も語学学校に通っている。1度、仕事に区切りをつけての移住ゆえにともに無収入。果たして、日本では考えられない程の物価高にある米国でやっていけるか……。そんな不安もある中で感じた驚き、戸惑い、感動をつづる不定期コラム「フリーアナ・菅久瑛麻、物価高にあ然…初めての米国生活」。第8回のテーマは「山火事の現状」。
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今月7日、ロサンゼルス西部で山火事が発生しました。当日、私は午前8時30分頃に家を出ましたが、街中の木々は強風で激しくたわんでいました。ロサンゼルス郡を含む周辺地域では強風警報および山火事警報が発表され、乾いた空気が吹き荒れている状況でした。
午後6時21分、家から車で5分ほどのスーパーへ行くと、駐車場の屋上に数人が遠くを見ていました。視線の先は山が激しく燃えている光景でした。火災の影響で市街も空が灰色の煙に覆われ、青空と煙の境がはっきりと分かれていました。テレビ中継では中年レポーターが「私はロサンゼルスで生まれ育ったが、こんなに酷い現場は初めてだ」と話していました。
幸い私が住んでいる地域と通っている学校は避難指示が出ておらず、翌日8日、授業は実施されましたが、強風は止まず、9日の授業は休校になりました。EVACUATION WARNING(避難指示の警報)が発令されているマリブの大学院生の友人によると、学生50人以上の自宅が燃えたそうです。消防隊はロサンゼルスとその近郊で山火事の消火活動にあたっていますが、消火に必要な水が不足している状況です。
学校からは「Watch Dutyというアプリをダウンロードすると、リアルタイムに最新情報とアラートを受け取ることができる」というお知らせが届きました。この情報を基に引き続き火災の状況に注意していきたいと思います。なお、山はいまだに延焼中とのことです。
さて、今回は私が初めて経験した米国での年末年始ついてもお伝えしたいと思います。11月末のサンクスギビング(感謝祭)が終わると、ホリデーシーズンが始まります。スーパーの店員やバスの運転手のあいさつも「ハッピーホリデー」になりました。実は「メリークリスマス」の声を聞く機会は「ハッピーホリデー」に比べると少なく、理由は「クリスマスはキリスト教の生誕を祝うもの。米国にはいろんな宗派の方々がいるので、ハッピーホリデーの方が広く使われている」とのことでした。
日本とは全く違った年末年始の過ごし方
クリスマスの過ごし方で驚いたことが2つあります。1つ目、クリスマスケーキがないということです。聞くと「クリスマスは、七面鳥やハム、アップルパイなどを家族で食べるというのが定番」とのこと。「日本ではケーキとチキンを食べる」と伝えると、とても驚かれました。2つ目は、クリスマス当日の12月25日は仕事や学校が休みになることです。実際にスーパーも閉店し、人や車通りも少なく、街中はとても静かでした。そして、年が明けてもツリーが飾られていることにも驚きました。年越しは各地でカウントダウンイベントが行われ、花火などで新年の幕開けを祝います。
私はロサンゼルスの年越しを体験しようと、カウントダウンイベントに行きました。このイベントは無料で参加できます。開催場所はダウンタウンにあるグランドパーク。ロサンゼルス中心地は「夜中は治安が良くない」とされているので不安でしたが、午後8時30分、入口に到着すると持ち物検査の列ができていました。そして、たくさんの警察官もいたので、安心できました。会場には2つのライブステージ、飲食コーナー、写真撮影ができるブースなどがあり、カウントダウンは市庁舎の前で行われます。市庁舎はイベント開催中、プロジェクションマッピングでカラフルに彩られていて、午後11時55分からライティング。残り10秒から建物に秒数が映し出され、会場全員で声を出して新年を迎えました。
その瞬間、盛大な花火が打ち上がりました。参加した人たちは、一斉にカメラでその様子を撮影したり、パートナーとハグやキスをしていました。例年、私は日本で除夜の鐘の中継を見て初詣に行って過ごしていますが、今回は一転してパワフルな年越しとなりました。
そして、年明け早々に発生した山火事ついては、1日も早く終息することを祈るばかりですが、今年もこちらで感じた驚きや発見をお伝えします。よろしくお願いいたします。
□菅久瑛麻(すがひさ・えま) 1993年10月7日、ドイツ生まれ。白百合女子大文学部英語英文学科卒。2016年4月、富山県のチューリップテレビにアナウンサーとして入社。情報番組、報道番組のMCなどを担当し、20年3月末に退職。フリーアナウンサーに転身し、同年4月から23年3月まで、テレビ埼玉で情報番組のMCなどを担当。資格は温泉ソムリエ、食生活アドバイザー、防災士、証券外務員二種、MBAなど。162センチ。