庵野秀明監督、初恋は『宇宙戦艦ヤマト』のヒロイン 「笑い方が特徴的でいい」と告白
『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズで知られる庵野秀明監督が10日、都内の新宿ピカデリーで開催された『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念セレクション上映会のスペシャルトークイベントに登壇。ゲストに『宇宙戦艦ヤマト』ヒロインの森雪役の声優で現在は講談師としても活動する麻上洋子、『宇宙戦艦ヤマト2199』の公式コミカライズを務めた漫画家・むらかわみちおを迎えて、放送当時の貴原画、アフレコ現場の写真などの貴重な資料を公開しながらトークを繰り広げた。
『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念セレクション上映会・スペシャルトークイベント
『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズで知られる庵野秀明監督が10日、都内の新宿ピカデリーで開催された『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念セレクション上映会のスペシャルトークイベントに登壇。ゲストに『宇宙戦艦ヤマト』ヒロインの森雪役の声優で現在は講談師としても活動する麻上洋子、『宇宙戦艦ヤマト2199』の公式コミカライズを務めた漫画家・むらかわみちおを迎えて、放送当時の原画、アフレコ現場の写真などの貴重な資料を公開しながらトークを繰り広げた。
庵野監督は中学2年生から同作の大ファンで、「『宇宙戦艦ヤマト』との出会いがなければ、自分の今の人生はなかったと思います」と公言。昨年10月に、庵野監督が代表を務める株式会社カラーは、『宇宙戦艦ヤマト』をベースとした新作アニメ映像を製作する権利、著作権利用の許諾を得たことを公表し、「日本のアニメ作品として輝かしい歴史を持つ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズのさらなる発展に寄与し、多くのファンに楽しんでいただける作品とすべく、2025年からのプロダクション開始を目標に新作劇場作品を現在鋭意企画進行中です」と報告した。
トークイベントの司会を自ら務めた庵野監督は、麻上と対面し「憧れなんです。第1次声優ブームで追っかけて、麻上洋子という名前があると見ていました。50年聞いています」と感激。森雪の声の魅力については、「芝居がナチュラルでよかった。雪は笑い方が特徴的でいい。23話で写真を撮ったあとの笑い方が素晴らしくて、そこの笑い方が真似できない。それくらい不思議な笑い方なんです」と絶賛した。
麻上はヤマトシリーズの構成・原案・監修を務めた西崎義展からは、「古代君の『君』がいいとおっしゃっていた」と回想。庵野監督は「分かってらっしゃる。特徴的でメロメロです」と唸り、「恋愛みたいな好きな感覚ができたのは、僕は森雪が最初でした。そういう意味では初恋の人なんです」と告白した。
第1話を振り返った麻上は、「雪の画と私の声で1つの女優さんなんだと思った。この時の雪の姿、動き、心情が変わっていき、たまたま私の声とフィットしてみなさんが受け取ってくださって、その時代の役者だったと思っているんです」と話し、庵野監督は「僕はほかの声は考えられない。(麻上と雪は)セットなんです」と言及。喜んだ麻上が雪の声で「庵野くん!」と反応すると、これには庵野監督も「ありがとうございます。iPhoneで録音すればよかった」と興奮気味だった。
今回の上映会では、劇場の大スクリーンでTVシリーズの第23話『ついに来た!マゼラン星雲波貴!』、第24話『死闘!神よ、ガミラスのために泣け!!』、第26話『地球よ、ヤマトは返って来た!!』が上映された。
庵野監督は、1番好きなシーンに最終話でヤマトがデスラー砲を撃たれた際、古代が森雪の遺体を抱えてかばうシーンをあげ、「古代くんは館長代理だが、森雪を守るために行動している。もしかしたら心中の気持ちだったのかもしれません。脚本上では森雪が死んだあとに古代が思わず自決することが書いてあったので、それくらいの気持ちだったのだと思います」と解説。「そういう細かい所の描写まで描かれているのがヤマトの素晴らしさですし、50年経っても人気が残っている最大の部分だと思います。メカもいいのですが、ヤマトは中心核はドラマなんです」と熱弁し、イベントを締めくくった。
イベントでは、『宇宙戦艦ヤマト全記録展』が3月15日から31日まで渋谷、夏に大阪で開催されることが発表された。