ケニー・オメガ、30分超えの大流血戦に勝利 破れたゲイブにも大声援
1月5日、東京ドームにて新日本プロレスがアメリカの巨大団体・AEWとの対抗戦の様相を呈した「WRESTLE DYNASTY」を開催。セミファイナルでは、昨年11.4大阪大会にサプライズで登場したケニー・オメガの復帰戦。その相手は、ケニーとバックステージで大揉めに揉めたゲイブ・キッド。ただしヒールユニット“BULLET CLUB WAR DOGS”に所属しながら新日本愛が隠し切れないゲイブの主張を後押しするファンも多いことから、ケニーの東京ドーム登場はタダでは済まない予感しかしない。
「ゲイブは特別だ」とリスペクトも
1月5日、東京ドームにて新日本プロレスがアメリカの巨大団体・AEWとの対抗戦の様相を呈した「WRESTLE DYNASTY」を開催。セミファイナルでは、昨年11.4大阪大会にサプライズで登場したケニー・オメガの復帰戦。その相手は、ケニーとバックステージで大揉めに揉めたゲイブ・キッド。ただしヒールユニット“BULLET CLUB WAR DOGS”に所属しながら新日本愛が隠し切れないゲイブの主張を後押しするファンも多いことから、ケニーの東京ドーム登場はタダでは済まない予感しかしない。
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先に入場したゲイブは、ライオンマークのジャージ姿で登場、ジャージを脱ぐとハーフタイツにもライオンマーク。“AEWの”ケニーに対し、コスチュームでも強烈なアピールをするゲイブに、東京ドームからは大歓声が。一方のケニーは、壮大な入場曲に乗って入場。同じく大歓声が贈られる。
序盤はお互いの打撃にドームから大きな反応が。試合が動いたのは、ケニーがカミカゼからのムーンサルトを放ってから。ケニーの攻撃にゲイブが防戦一方になるも、一瞬のスキをついて反撃、そしてなんと場外にトップロープ越しのブレーンバスター。ゲイブはテーブルをセットするも、その間に蘇生したケニーが場外弾。ゲイブはなかなかペースを握れない。場外でゲイブを痛ぶるケニーには、徐々にブーイングが飛ぶようになる。
エプロンでの攻防を制したケニーは、場外で投げっぱなしフルネルソンスープレックスを発射、そしてゲイブがセットしたテーブルに投げっぱなしパワーボム。ゲイブは墓穴を掘る形に。当たり所が悪く大流血してしまったゲイブに対し、ケニーはフェンス超えのスワンダイブ式トペ・コンヒーロ。しかしこの一撃でケニーも腰に大きなダメージを負ってしまう。自身の血を見てよみがえったゲイブは、リング下から新たなテーブルを取り出し、斜めにセットしたテーブルにブレーンバスター、そして腕組み胡坐ポーズをカメラ目線で決める。
ケニーも、ゲイブのテーブルの破片ショットにより大流血。リング上には椅子が散乱する無法地帯となるも、ケニーがアイアンクロークラッシュで反撃。しかし足元がおぼつかないケニーは、雪崩式ブレーンバスターオンチェアを食らってしまう。しかしケニーも何とか立て直し、打撃の打ち合いに入るもゲイブがラリアットで制す。が、ケニーはあの手拍子からのトペ・コンヒーロを発射。そして後頭部へのミサイルキック、雪崩式フルネルソンスープレックス、垂直落下式リバースタイガードライバーと大技を連発。しかしゲイブはカウント3を許さない。とどめの片翼の天使を狙うケニーだが、かわしたゲイブがコブラツイストと卍固めの複合技へ。そしてドリルアホールパイルドライバーを決めるも、ケニーがカウント2でキックアウト。するとゲイブは垂直落下式パワーボムからパッケージドライバー!ケニーはロープに足をかけ、カウント3を逃れる。ゲイブは延髄斬りまで見せるも、ケニーが反撃のVトリガー。これはゲイブがカウント1でキックアウト。しかし最後は31分55秒、片翼の天使でケニーがゲイブを沈め大流血戦を制した。
試合後、バックステージでケニーはしばし顔を伏せてから「俺は日本にいた頃、こうやって試合後にコメントを求められるのがすごくイヤだった。なぜなら、俺は常に試合ですべてを出し切ることが仕事だと思っていたから、こうやってコメントするために、もう残ってないエネルギーを出さなきゃいけないのはすごく大変だと思っていた。もうそんなエネルギーは残っていないと。でも、今日の試合前、俺はみんなから温かい声援を受けその中で闘うと思っていた。ただゲイブはなかなかのモンスターだった。そしてその試合中、ゲイブへの声援を聞き、この試合に向けてのブーイングも聞こえた。裏切られた気分だった。俺はお前たちのために試合をするため、今契約をしているAEWではなく、この新日本のリングを選んでここに来たのに……ただ、これで自分は決断することができた。自分自身の試合をする、と。ゲイブは特別だ。すごくいいスピリットと、そして闘う情熱を持っている。この試合が見られて、お前ら、よかったな。明日はもっとすごいものを見せてやる。本当に俺にエネルギーをくれた人たちに対しては感謝している。次がもしあれば、次に会う時まで、Good Bye & Good Night」とコメント。
一方のゲイブは「完全にやられた。ケニーこそがベストバウトマシンだな。今日は彼がベストバウトマシンだった。今日の試合に関しては負けたと思う。3年前、俺は2回、自分の人生を失いかけた。そんな中、ずっと支えていたママが今日この試合見ていたと思う。東京ドームで俺の試合を見てくれている人がいるのに、負けることなんてできると思うか? 俺は男だ、俺はニュージャパンNo.1の男だ。ここで負けるわけにはいかない」と悔しさをにじませた。