【新日本】1・4&1・5、2連戦の辻陽太が感じたオカダ・カズチカの意思「一番おいしい相手である僕に絡みたかった」
2024年、『NEW JAPAN CUP』優勝、そして『GI CLIMAX』準優勝としっかりと実績を残して大躍進を果たした辻陽太。その辻は来年の1.4東京ドーム大会『WRESTLE KINGDOM 19』でデビッド・フィンレーの持つIWGP GLOBALヘビー級王座に挑戦する。そしてその翌1.5『WRESTLE DYNASTY』ではAEWのジャック・ペリーとの対戦が決定。この2連戦について、辻はどのように考えているのか。
デビッド・フィンレー?最後に凶器を使うのはお前だけだよ
2024年、『NEW JAPAN CUP』優勝、そして『GI CLIMAX』準優勝としっかりと実績を残して大躍進を果たした辻陽太。その辻は来年の1.4東京ドーム大会『WRESTLE KINGDOM 19』でデビッド・フィンレーの持つIWGP GLOBALヘビー級王座に挑戦する。そしてその翌1.5『WRESTLE DYNASTY』では、AEWのジャック・ペリーとの対戦が決定。この2連戦について、辻はどのように考えているのか。(取材・文=橋場了吾)
実は辻とデビッド・フィンレーは同い年だが、キャリアの差は5年半ほど離れている。辻がヤングライオン時代には、フィンレーははるかに前を走っていた。
「デビッドもKONOSUKE TAKESHITA選手同様(前編参照)、素晴らしいレスラーだと思いますよ。試合後半で僕をバンバン投げるパワーもありますし。そんなにパワーがあるようには見えないのにそういうことをするので、逆に引き立っているのかもしれないですけど。ただ、最後の最後で武器(シレイリ=こん棒)を使うのはどうなのかと。あれだけいい才能を持っていてすごいプロレスをするのに、最後の最後で武器を使って台無しにするというのは理解できないんですよね。BULLET CLUB WAR DOGSのほかのメンバーも、途中パイプ椅子を使うことはありますけど、最後の最後は自分の技で決めてきますから。リーダーのフィンレーだけが凶器に頼るというのは、もったいないと思いますよ」
そのフィンレーとの対戦は1.4東京ドーム大会のセミ前に組まれている。メインはザック・セイバーJr.に海野翔太が挑戦するIWGP世界ヘビー級選手権、セミは内藤哲也vs高橋ヒロムという、辻も所属するユニット「LOS INGOBERNABLES de JAPON」の師弟対決と発表された。
「IWGP実行委員会のGLOBALに対する価値っていうのは、これだけのものなんだなと。内藤vsヒロムの方が価値がある、それが答えなんだと思います。新日本プロレスがお客さんに媚びているのかと。正直、内藤さんもヒロムちゃんも(セミを)望んでいるかというと望んでいないと思うんですよね。特に内藤さんは、GLOBALをセミでやるべきだと思っているような人なので。あと海野については、ザックに挑戦できる可能性があったのは彼だけだったのかなと。
僕はGIの決勝で負けているので、現時点でその資格はないと思っています。(海野へのブーイングは)海野が挑戦者として認められてない、顔じゃないというのがファンの声だと思いましたけど、そこで引き下がっているようじゃプロレスラーじゃないと思います。その一方で残念だったのは、海野がザックに王者権限でどこでやるのか決めてくれと委ねたこと。少しでも弱気になったのは許せない。だから海野には『ぶれるなよ』と言い続けたわけで」
ジャック・ペリー戦はオカダ・カズチカからのSOSだと思っている
フィンレーとの1.4決戦の翌日には、ジャック・ペリーとの対戦が控えている。11月に米・ボストンで開催された大会で、辻はペリーに急襲された。辻がフィンレーに勝利した際には、IWGP GLOBALヘビー級選手権になることも発表されている。
「ジャック・ペリー……何の因縁もない相手にいきなり襲われたんで、正直よく分からないですね。しかも、僕はドームでやってやるとも言っていないのに勝手にカードが組まれて……まあ決まったことはもういいとして、これは(ペリーと同じユニットのジ・エリートに所属する)オカダ・カズチカからのSOSだと思いました。オカダ選手は3年20億円をもらって米国に行ったわけですが、現状どう見えますか、中指を突き立てて股間を蹴っているだけのレスラーに成り下がりましたよ。これは、もう新日本プロレスがいかに素晴らしいかということを表していると思いますね。
もちろんオカダ選手は素晴らしいですよ。でもオカダ選手がそこまでのレスラーになれたのは新日本プロレスのすごいレスラーを相手にしていたからです。それで、今、AEWでの自分にモヤモヤして、今の新日本で一番おいしい相手である僕に絡みたかった。でもAEWは新日本をナメているので、そしてオカダもプライドがあるので直接戦うことはできない。海野に(元師匠のジョン・モクスリーではなく)クラウディオ・カスタニョーリを当てたみたいに。やりたかったら米国に来いと。
だから、オカダ選手がペリーを僕のところに送り込んできたということだと思います。オカダ選手の真価が問われるのは、この試合後だと思いますよ。彼にレスラーとしての誇りが少しでも残っているのであれば彼は何かしらの行動を起こすだろうし、金に溺れて満足なら、何も行動しないでしょう。もちろん、僕が勝つことが前提ですが。あとAEWの選手がすぐにIWGPのベルトに挑戦できるのも、IWGP実行委員会は何を考えているのかと思っています。チャンピオンの承認があるなら分かりますけどね。だから新日本は、AEWにナメられ続けるんですよ」
最後に辻の2025年の展望を聴いた。
「今年『NEW JAPAN CUP』を優勝して新しい時代を切り開いて、どういう歩みを進めていくかを見せる1年だと思っています。分かりやすい一つの指標として、やっぱりベルトは必要になると思いますし、ベルトを持った辻陽太が何をするかがこれからの新日本プロレスの10年・20年を左右すると思っているので、新日本プロレスの今後歩むべき道を示していけたらいいなと思います」