献体写真投稿の女性医師を解雇せず「動機は善」 麻生泰氏が謝罪「私の指導力不足と管理監督不足」
東京美容外科の統括院長の麻生泰氏が24日、Xを更新。同院に務める現役医師・黒田あいみ氏による不適切投稿をめぐり、同氏への処遇について考えをつづった。
「解剖研修」での献体写真を投稿→削除・謝罪する事態に
東京美容外科の統括院長の麻生泰氏が24日、Xを更新。同院に務める現役医師・黒田あいみ氏による不適切投稿をめぐり、同氏への処遇について考えをつづった。
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黒田氏は、グアムでの「解剖研修」の様子をSNSに投稿。献体を背景にピースサインをする集合写真や、台に並んだ献体のモザイクなしの写真を公開すると、「倫理観に欠ける」「不謹慎」などとネット上で騒動となり、その後、黒田氏は問題の投稿を削除。自身のブログに謝罪文を掲載していた。
黒田氏が務める東京美容外科の統括院長・麻生氏は、「様々な方々から、大学の先生を含め、黒田医師を解雇するように助言がございました。確かに不適切な投稿はございましたが、黒田医師は東京美容外科の方針に従って、より患者さんに対して安全な治療を学ぶためにグアム解剖に参加されました」「昨今の美容外科では、顎下脂肪吸引など、死亡事故が頻発し、私共も解剖の必要性を痛感し、このような機会を設けました」と経緯を説明。
「黒田先生は、学生時代のホルマリン固定標本とは異なる、精度の高いfresh cadaverを初めて目にした感動をなんとか伝えようと、あのような投稿になってしまいました。ピースサインをして撮っていた事は当然不適切であると考えます。もちろん一般の方々とはかけ離れた行動で、日本では、常軌を逸しているとお思いの方が大多数であることは良くわかります。ですが、動機は善で、彼女に他意はありません」と意図を伝えた。
さらに、SNSで上がったさまざまな意見に言及。「一般の方々からのご批判は、当然受け止め、反省は致しますが、同業医師でありながら不勉強でfresh cadaverという言葉すら知らない医師に批判されたまま、炎上でトカゲの尻尾切りのように解雇する事はできないと判断しました」と処遇を報告した。
その上で、「もし自分が手術を受けるなら、医師になってからも更に研鑽を詰み、解剖を熟知した医師に施術して貰いたいと考えます。現に私は自分のフェイスリフトは私が何度か開催した解剖セミナーで講師をしてくださった解剖を熟知したドクターにお任せしました。このような不祥事で我々が患者様から選ばれる事は、もうないかもしれませんが、解剖セミナーを実施した事やこれから勉強しようとしている先生達を守る事がより良い未来に繋がると考えています」と説明。
この騒動を受け、東京美容外科を去る専門医も出てきたというが「それは考え方の違いであるし、仕方の無い事だと理解しています」とし、「あの投稿のせいで献体を躊躇ったりやめる人がいるとのご指摘ですが、お金儲けの美容医療のために献体はしたくないという人達が大多数であるという事もわかります。今回の事で、国内の施設で我々が、解剖する事は今後絶望的となってしまいましたし、他の美容医療に携わる方にも大変迷惑をかけてしまいました。医学会全体を巻き込む事態にもなってしまいました。ですが、死者への尊厳ももちろん大切ですが、今生きている人の命や安全も大切なんじゃないでしょうか?」と問いかけ、解剖セミナーの意義を改めて訴えた。
続けて、「それが解剖セミナーの趣旨ですし、どんな言い訳や神妙な態度をとったところでご遺体を損壊する事実に変わりありません。故人に感謝しながらも、その知見を今後の患者さんに活かしたいと思います。海外のfresh cadaverのセミナーでは割とフランクに記念撮影もしますし、セミナーの様子もネット上に出てきます。日本と海外のルールの違いはあるかと思いますが、日本の医療の進歩を妨げているのはどちらの方なのか今一度考えて頂きたく思います。今回は私の指導力不足と管理監督不足で世間をお騒がせして大変申し訳ありませんでした」と謝罪した。