『海に眠るダイヤモンド』最終回は「怒涛の展開が続く予想外の結末」 主演・神木隆之介からラストメッセージ
いよいよ22日に最終回を迎えるTBS系連続ドラマ『海に眠るダイヤモンド』。本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語だ。主演・神木隆之介が演じるのは、端島の炭鉱員の家で生まれ育った明るくまっすぐな鉄平。戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメント。
大反響を呼んだ朝子への告白シーン!「百合子と賢将のプロポーズに負けないシーンを」
いよいよ22日に最終回を迎えるTBS系連続ドラマ『海に眠るダイヤモンド』。本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語だ。主演・神木隆之介が演じるのは、端島の炭鉱員の家で生まれ育った明るくまっすぐな鉄平。戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメント。
ここでは、最終回を目前にした神木のコメントをお届け。約5か月に及んだ撮影の現場を振り返るほか、大反響を呼んだ告白シーンや一人二役の撮影の裏側。さらには、最終回の見どころについて語ってもらった。
――日曜劇場の座長として5か月走りきった今の心境は。
「まだどこか終わった気がしないですね。またいつ渋川や伊豆の撮影に呼ばれるかなって(笑)。徐々に終わっていく感覚はありますが、僕の中では放送が終わるまでは続いているんだろうなと思います。頑張ったご褒美に自分に何かあげようかなと考えはじめています!」
――全編を通して、印象に残っているシーンを教えてください。
「第1話の端島銀座でリナ(池田エライザ)が端島音頭を歌うシーンです。池田さんの歌はもちろん、エキストラの島民の皆さんが大勢で踊る力強いシーンで、撮影でもパワーをもらえましたし、これが端島なのだと実感できた瞬間でした。ちなみに、そのあと鉄平とリナが地獄段で話をしていますが、その内容はアドリブ。本番では『え、私、盆踊りもやるの? 聞いていないよ!』『ごめん! 今決めたから!』というやり取りでした。放送で音声は使われなかったのですが、しっかりお芝居していました」
――第6話の朝子(杉咲花)への告白シーンの反響が多く寄せられましたが、演出は神木さんからの提案だったそうですね。
「ドキュメンタリータッチにできたらいいなという話を塚原あゆ子監督や花ちゃんにも話して、それが各スタッフさんにも広がってあのシーンが出来上がりました。鉄平と朝子の幸せな場面ですし、直前の百合子(土屋太鳳)と賢将(清水尋也)のプロポーズのシーンに負けないぐらい良いシーンを作りたいなと思っていたので、たくさんの反響があってすごくうれしかったです!」
――鉄平と玲央の素晴らしい演じ分けを見せてくださいましたが、”実はこんなところに気をつけていた”というポイントがあれば教えてください。
「玲央がいづみに何かを真剣に伝えるシーンで塚原監督に『今ちょっと鉄平出たかな!』って言われることもあって、セリフに力が入りすぎたり、眼差しが光り過ぎないように特に物語の前半では気をつけていました。玲央は体幹の軸がないのも特徴で、力強く立っている鉄平とは対照的に、玲央を演じるときは立ち位置でフラフラしているようにして差を付けていました。それでもたまに玲央で普通に立ってしまうこともありましたが…(笑)」
座長として駆け抜けた神木隆之介を支えたのは?
――脚本・野木亜紀子さん、塚原監督、新井順子プロデューサーの作品は改めていかがでしたか。
「何があってもどっしり構えてくれている守護神みたいな3人がいて、とにかくかっこいい現場でした。野木さんの脚本の素晴らしさを言葉で表現するのは難しいのですが、キャラクターの感情をこちらが探さなくても、セリフやシーンと向き合っていると自然とキャラクターが出来上がっていく感覚。台本には書かれていない十字架や過去が、実際に演じてみるとその通りに背負っているように作られているんです。“生きている人間”が描かれていた台本だったなと改めて思います。
新井さんはいつも決断が速い。そして、楽しいことが好きな新井さんがまとめるからこそ、福田亮介監督や林啓史監督、府川亮介監督がいて、良い撮影環境が作られているのだろうなと思います。塚原監督は、頭の中に物語の全ての情報が入っていて、わからないことを聞くと絶対に答えてくれました。お芝居へのリクエストでは、例えば『写真を見たときに、衝撃を受けてください』など、シンプルな提案で無限の可能性を残してくれるんです。そのおかげで役者は本番までにあらゆる芝居の可能性を模索できるので、今までの自分にはなかった引き出しを見つけることができます。それが毎回楽しかったですし、勉強させていただきました」
――正直、これがあったから頑張れた! ということはありますか。
「スタッフやキャストの皆さんが仲良くしてくださっていたので、毎日皆さんとお話するのが支えでした。僕は撮影現場でふざけてしまうくせがあるのですが、いつも笑ったり乗ってくれたりする方ばかりで。ピリッとすることもなく、和気あいあいと面白い話をしてくれる人がほとんどで救われていました。毎日行くとみんなに会えるのが楽しみで、特に賢将役の清水くんとの撮影があるときは、移動に5時間ほどかかるロケ現場でも、彼に会えることがモチベーションになっていました」
――神木さんが思う撮影現場でのムードメーカーは誰でしたか。
「撮影現場の雰囲気は、府川監督が作ってくださっていました。どの作品の撮影現場であっても、主演がふざけても乗ってくれる人がいないとシーンとしてしまうのですが、今回は府川監督が率先してツッコんでくれて。俳優部も府川監督の存在があったからこそ存分にワイワイ楽しく撮影に臨めていました。福田監督もドライ(お芝居の動きの確認作業のこと)でふざけるとめちゃくちゃ笑ってくれて、『むしろこうする?(笑)』とノリノリに。その提案が突飛過ぎてこちらが止める…みたいな楽しいやり取りが繰り広げられながら、自由にお芝居ができる環境でした」
――最終回で、鉄平の行方を知ったときはどう思いましたか。
「『そっか…。でも鉄平が決めたことだからな』と思いました。SNSでは、野木さんのファンの皆さんが『やっぱり一筋縄ではいかない野木脚本だ!』とコメントしてくださっていて、鉄平や玲央をはじめ、それぞれのキャラクターが何かの十字架を背負っていて、彼らがどういう人生を全うしてどんな結末を迎えるのか。それがすごく深くて苦しい、と。僕もその通りだなと思いながら演じていました」
――では、最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします。
「僕にとって、本当に誇れる作品になりました。スタッフやキャストの皆さんも口々に同じようにおっしゃっていて、僕たちの中に刻まれていく作品になったんだなって。最終回は、“時代はちゃんとつながっている”というのがキーワードです。すべての謎のピースがパチっとはまりますし、怒涛の展開が続く予想外の結末になっているはず。端島のパワーや歴史が、玲央が生きる2018年に残っていることを実感していただけるので、ぜひ最後まで見ていただけたらうれしいです!」
物語にかける思いや撮影の日々を惜しむように語ってくれた神木。5か月にわたる撮影期間で彼が演じた鉄平と玲央は、ただのキャラクターではなく、時代を超えて受け継がれる“生きた人”として私たちの心に残り続けるだろう。いよいよ幕を下ろす70年という時の流れが紡いだ壮大な愛の物語。すべての伏線がつながり、歴史が未来へと受け継がれる瞬間を、ぜひ目に焼き付けてほしい。