ガールズバンド卒業で引退→カフェや旅館でバイト漬けの日々 はるぽんが決意した芸能界復帰

お昼寝系ガールズ音楽ユニット・Suupeas(すーぴーず)の“サンプラー使い”ことはるぽん(22)は、2022年までガールズバンド・たけやま3.5のベースとして約5年にわたり活動していた。グループ脱退後は芸能活動も引退し、1人の女性としての人生を歩んでいた。あれから2年――。このタイミングでの復帰を決断した理由を聞いた。

インタビューに応じたSuupeas・はるぽん【写真:舛元清香】
インタビューに応じたSuupeas・はるぽん【写真:舛元清香】

さまざまなバイトを経験「本当にすごく成長できた2年間」

 お昼寝系ガールズ音楽ユニット・Suupeas(すーぴーず)の“サンプラー使い”ことはるぽん(22)は、2022年までガールズバンド・たけやま3.5のベースとして約5年にわたり活動していた。グループ脱退後は芸能活動も引退し、1人の女性としての人生を歩んでいた。あれから2年――。このタイミングでの復帰を決断した理由を聞いた。(取材・文=中村彰洋)

 はるぽんは、17年にガールズバンド・たけやま3.5のベースとしてデビュー。22年の卒業を機に芸能界からも引退し、SNSなどで発信することもなかった。しかし、24年6月29日に行われたたけやま3.5の解散ライブにてサプライズでひなぷ(武田雛歩)とのユニット結成が発表された。

「私がみんなに求められているのか、覚えてくれとんのかな、とすごく不安でしたが、発表した後にたくさんの声をいただけて、うれしかったです」

 2年前には芸能活動を辞めるという道を選択した。当時はまだ19歳。「中学校の頃から芸能仕事をさせてもらって、バイトすらもしたことがありませんでした。周りが就職や大学進学に悩んでいるのを見ていて、『ずっとこのままでいいんかな』と考えるようになっていました」。

 グループ卒業後の2年間は、「新たな挑戦」の気持ちでさまざまなを環境に前のめりで飛び込んでいった。

「カフェやクレープ屋さんで働いたり、スポーツ会場やライブハウスのスタッフ、エステ仕事もやりました。地元が愛媛なので、道後温泉の旅館の布団敷きもやっていました」

 とにかく「やってみたいこと」に片っ端から挑戦した2年間だった。「ライブスタッフのバイトでは、裏側を学ぶことができました。今までライブをする側だった時に、スタッフさんの仕事を分かったつもりでいましたが、実際にやってみたら本当に大変だったんです。今のステージにもそれが生きているので、そういったことを学べてよかったと思っています。本当にすごく成長できた2年間でした」。

 過去には、大型オーディションでチャンピオンに輝き、「奇跡の中学生」「こんなかわいい子いる?」などとも話題になったこともあった。また、週刊ヤングジャンプの企画「制コレ18」でファイナリストに選ばれたりと音楽以外のフィールドでも脚光を浴びていた。グループ卒業後に音楽以外の道を選ぶこともできたが、「表舞台に出ることはもうないかなと思っていました」とキッパリと語る。

芸能界引退から2年後に復帰を決意したはるぽん【写真:舛元清香】
芸能界引退から2年後に復帰を決意したはるぽん【写真:舛元清香】

かつてのバンドメンバーからの誘いで芸能界復帰を決断

 ひなぷ(武田雛歩)とはグループ卒業後も、プライベートで遊ぶような関係性が続いていたが、仕事の話をすることは1度もなかったという。しかし、偶然にも「そろそろ愛媛で就職をしようかなと考えている時期」にひなぷ(武田雛歩)からユニット結成の誘いを受けたという。

「芸能界に戻る気はまったくなかったです。でも、趣味でギターをやっていて、ひなぷ(武田雛歩)ちゃんとも一緒に海で弾き語りをして、『また音楽やりたいな』という気持ちがよぎっていました。そんなタイミングで声を掛けてもらえたので、『ぜひ!』と決断しました」

 1度引退を決断した芸能界に戻ることへの不安はあったが、「ノリで決めました」と笑みをこぼす。それのみならず、Suupeas結成にあたっては、初めて地元・愛媛から離れるという決断をする必要もあった。

「『東京来てもらうことになるんやけど……』と心配そうにひなぷ(武田雛歩)ちゃんから言われましたが、『いいよ、いいよ!』って軽い気持ちで踏み出しちゃいましたね(笑)」

 人に相談することはほとんどないという。芸能界への再挑戦、人生初の上京という大きな決断も1人で全て進めていった。

「家族や友達にも東京へ行くことをなかなか言い出せなくて、数週間前ぐらいに『春から行きます!』と伝えました。家も探して、もう誰も止められない段階まで決めてから伝えました。誰にも止められたくなかったんです。親はそんな私の性格も理解してくれているので、全然受け入れてくれて『いってらっしゃい』と送り出してくれました」

 Suupeasのデビューは9月3日だったが、はるぽんはその半年前となる3月に単身で上京した。来たるデビュー日に向けて練習の日々を黙々と積み重ねていった。その間は、ユニット結成などを周りに話すこともできず、何が正解なのかも分からない時間を過ごしていた。

「発表できるまでは不安でした。バンドでのギターは初めてだったので、毎日毎日練習でした。曲も初めてのジャンルだったので、全部が勉強でした。でも、不思議と『雛歩ちゃんがおるけん大丈夫か!』と思えたんです。私にとってすごい大きな存在です」

 サンプラー、ギター、ダンス、さらには上京と初めてづくしの新しい生活。2年前には想像もしていなかった未来が待っていた。「声を掛けてくれたのがひなぷ(武田雛歩)ちゃんじゃなければ絶対にやっていなかったです」。かつての盟友とともに新たな形で新しい景色を見るためにステージに上がる。

次のページへ (2/2) 【写真】Suupeasのひなぷ&はるぽんのソロショット
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