歌手、声優、プロ雀士の“三刀流” 武田雛歩が見せる多彩な顔「できる限り両立していきたい」
お昼寝系ガールズ音楽ユニット・Suupeas(すーぴーず)の“ひなぷ”こと武田雛歩(25)は、歌手のみならず、声優やプロ雀士としての顔を持つ。一見すると共通点のない活動のようにも思えるが、相互に良い方向に作用し合うことも多いという。武田が今、思い描く“これから”を語った。
歌手・声優活動とプロ雀士の両立で相乗効果「自分の中でバランスを調整できるように」
お昼寝系ガールズ音楽ユニット・Suupeas(すーぴーず)の“ひなぷ”こと武田雛歩(25)は、歌手のみならず、声優やプロ雀士としての顔を持つ。一見すると共通点のない活動のようにも思えるが、相互に良い方向に作用し合うことも多いという。武田が今、思い描く“これから”を語った。(取材・文=中村彰洋)
2017年にガールズバンド・たけやま3.5のボーカルとしてデビューした武田。結成当初は4ピースバンドだったが、メンバーの卒業によって形を変えていき、22年からは1人でグループ活動を続けていた。そこから約2年たった24年6月29日、ついに解散を決断した。
「私から『誰かともう1回音楽をまた新しくチャレンジしたい』とマネジャーさんに伝えました。そこから話し合っていく中で、はるぽんに声を掛けたいとも伝えて、Suupeasという形になりました」
ソロでのタレント活動も増えてきた中での新ユニット結成という決断だったが、音楽活動から離れるという選択肢は武田の中にはなかった。「歌手と声優活動を本業にしていきたいという思いがずっとあるので、音楽を辞めるという考えはありませんでした」。
武田は、バンドのボーカルを7年務めたのみならず、過去には民謡の四国チャンピオンに輝くなど、確かな歌唱力を持つ。そんな歌声とボカロPによるエッジーなロックを掛け合わせた“ボカロック”というジャンルに挑戦することとなったが、「もともと大好きなジャンルの曲なので、このコンセプトで始めることができてうれしいです」と笑顔を見せる。
現在は音楽活動と並行して、声優の夢をかなえるためにSNS活動にも力を入れている。ゲームでのキャラクターボイスの経験はあるが、アニメ出演はいまだナシ。TikTokでは“アニメの声まね”動画などを投稿し、フォロワーを33万人に伸ばすなど、夢の実現への努力を続けている。
「フォロワー100万人とかまで広まったら、お仕事にもつながるんじゃないかなという夢を持ちながらやっています。声をきっかけに興味を持ってくださった方にも、刺さるような楽曲をSuupeasは歌っているので、相乗効果で“ボカロック”を広めていきたいです」
2年間にわたる勉強の末にプロ試験に合格、プロ雀士に
一方で、武田はプロ雀士という意外な一面も持ち合わせている。祖父が麻雀好きだった影響で小学生から麻雀に触れていたが、中学生の頃に見たアニメ『咲-Saki-』をきっかけに、徐々にのめりこんでいった。
そして、プロ麻雀リーグ「Mリーグ」を紹介する番組『熱闘!Mリーグ』(テレビ朝日系)への出演をきっかけにプロテストを受けることを決意した。番組による密着企画で臨んだ1回目のプロテストは無念の不合格。「密着がないのは分かっていましたが、すごい悔しくて、どうしてもプロになりたかったので、1年間自主的に勉強して、翌年も受験しました」と、2年間にわたる勉強の末に“プロ雀士”という肩書を手に入れた。
2021年のプロテストに合格してから約4年。「ありがたいことにいろんなテレビ出演やテレビ対局のオファーをいただけて、そこで鍛えられていく内にさらに麻雀のことが好きになりました」。
一方で、雀士としての活動が増えたことで、アーティスト活動との両立に戸惑うこともあった。「プロ雀士としての活動がすごく多くなってきて、両立できているか不安になった時期もありました。でも今は、自分の中でバランスを調整できるようになったので、両立できていると思います」。
今後の目標については、「桜蕾戦を獲りたいとずっと思っています」と初タイトル獲得を誓う。
音楽と雀士、まったく異なるフィールドではあるものの、互いに良い方向に作用することもあるようだ。「麻雀プロとしての私から音楽活動を知ってくれて、Suupeasを応援してくれるファンの方もいらっしゃいます。反対に音楽でしか知らなかった人でも、麻雀を始めてくれている方もいて、すごくうれしいです」。
“歌手・ひなぷ”と“雀士・武田雛歩”――。2つの異なる顔が武田のアイデンティティーにもなっている。「できる限り両立していきたいです」。今後も音楽、声優、雀士としての“三刀流”で自分の道を挑み続ける。