【べらぼう】横浜流星、渡辺謙からの力強い言葉「信じて今、蔦重を生きています」

俳優の横浜流星が主演する来年のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(1月5日スタート、日曜午後8時)の取材会に参加し、出演のオファーがあった際の胸中や演じる主人公・蔦屋重三郎の魅力などを語った。作品は18世紀半ばの江戸が舞台。江戸のメディア王として時代の寵児(ちょうじ)となった“蔦重”こと蔦屋重三郎を軸に描く痛快エンターテインメント。

蔦屋重三郎を演じる横浜流星【写真:(C)NHK】
蔦屋重三郎を演じる横浜流星【写真:(C)NHK】

阿部寛も蔦重演じた過去

 俳優の横浜流星が主演する来年のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(1月5日スタート、日曜午後8時)の取材会に参加し、出演のオファーがあった際の胸中や演じる主人公・蔦屋重三郎の魅力などを語った。作品は18世紀半ばの江戸が舞台。江戸のメディア王として時代の寵児(ちょうじ)となった“蔦重”こと蔦屋重三郎を軸に描く痛快エンターテインメント。

 横浜は大河ドラマ初出演。しかも主演。オファーがあった際はどんな心境だったのか。

「大河ドラマ出演は目標の一つでしたが『なぜ?』という思いが大きかったです。多くの方はNHKの作品に携わってから大河ドラマの主演を務めると思いますが僕はNHKの作品に携わったことがなく初出演、初主演。なぜ自分を選んでいただけたのか、今でも疑問に思っています。でも選んでいただけからには責任と覚悟をもって作品を届けたいと思っています。6月のクランクインから5か月間作品と向き合って感じるのは、いい意味で大河ドラマらしくないこと。新しい大河ドラマになっています。大河ファンの方はもちろん、そうじゃない方にも楽しんでいただけて、心に届くとうれしいなと思いますし、それが自分の使命と思っています」

 蔦重は親無し、金なしのないない尽くしから江戸のメディア王と呼ばれるまでになった。蔦重の何がすごかったのか。演じながら感じた魅力、見習いたいことを語ってもらった。

「多くの功績を残して江戸を豊かにし、江戸のメディア王とか出版王と呼ばれた人。今でいうと出版社の社長であり、プロデュースも行い、営業も行い、それらをすべて自分で担った多才な人。なぜそうなったのか。もともと持っていたものもあると思うんです。情に厚く、責任感があり、挑戦して失敗してもへこたれないメンタル……。いろいろあると思いますが、一番の彼の魅力は自分ではなく誰かのために動けるところ。吉原や女郎、絵師、そして世の中のために。そんなふうに思える人間は強いと思います。何倍もの力になるし、協力も得られます。僕もそういう人間になりたい。自分のためだけでなく誰かのために頑張れるような人間でありたいと思っています」

 蔦重を演じるにあたり監督や田沼意次を演じる渡辺謙から何か言われたことはあるだろうか。

「監督からは基本的に『明るく』と言われます。僕は朝が弱いので、そこが一番の課題です。何とか朝が強くなり明るくできればいいなと思っています。謙さんとは映画『国宝』で親子を演じた際、『まっすぐ、全力でやればいい』という力強い言葉を頂き、その言葉を信じて今、蔦重を生きています。現場でも謙さんの佇まい、お芝居を見て学ぶことが多いので、その時間は大切にしています」

 蔦重を演じた経験のある阿部寛とも話したという。どんなアドバイスをもらったのか。

「『流星らしく』と一言。その言葉に阿部さんのいろんな思いが込められているので、ちゃんとくみ取って蔦重を生きられればと思います」

 6月にクランクインした。これまでの収穫も尋ねた。

「波乱万丈過ぎて心も体も疲れます(笑)。それどころじゃないというか、とにかく体力をつけようと思っています。1年間やりきる体力をつけなければと思っています」

 蔦重と自身の違いも聞いてみた。

「蔦重は共感性が高い人物。見てくださる方々の目線にいるような人物なので感情移入しやすいです。人間くさいし、情けないところもありますが、本来みんながこう生きたいなということができる人でもあります。行動力がすさまじいです。田沼意次と会うシーンもありますが、今で言うと一国民が総理大臣に向かって意見を言うようなもの。そんなことできる人はいないと思うので、毎回、彼の行動力には驚かされます。人間としてリスペクトしています」

 蔦重はメディア王、出版王と言われた。最後に横浜が王の称号を得られるならどんな王がいいのか聞いてみた。

「王になったら、それで終わってしまうので、自分は王にならず、すべてにおいていつまでも高みを目指したいと思っています」

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