【マリーゴールド】話題の女子高生レスラーは「生で見てもらいたい」 風香APが絶賛「スターになる逸材」
マリーゴールドが今年5月に旗揚げ戦を行ってから半年が経過した、アシスタントプロデューサー(AP)の風香に振り返りをしてもらっている今回のインタビュー。後編はこの半年間で見えた課題、そして今後の展望を聴いた。
旗揚げから半年での課題と展望…ケガに対しては都度立ち止まって考えるきっかけになっている
マリーゴールドが今年5月に旗揚げ戦を行ってから半年が経過した、アシスタントプロデューサー(AP)の風香に振り返りをしてもらっている今回のインタビュー。後編はこの半年間で見えた課題、そして今後の展望を聴いた。(取材・文=橋場了吾)
この半年間、マリーゴールドにおける課題となっているのがケガだろう。プロレスラーたるものどこかしらにケガを抱えているものだが、長期離脱するケースも見られる。
「今、安定している部分は出てきたとは思いますが、まだ理想には届いていないと思うんです。だから選手は「もっともっと」と頑張ってくれていますけど、いつもタイトルマッチみたいな試合をしていては体が持たない。だから各選手のブランディングでお客さんの満足度を上げられるようにしていかないとと思っています。『今日は好きな選手を近くで見られて満足だけど、次はもっと凄い試合を見たいからビッグマッチに行く』みたいになれたらいいですよね。
選手は本当に頑張ってくれているので、私も広める分野を努力していきたいです。今はみんながマリーゴールドをもっと面白くしようと試行錯誤している中で、どうしても激しくなりすぎるときもあります。でも、その都度選手たちは立ち止まって考えています。例えば高橋(奈七永)さんが会見でSareeeちゃんに問題提起したことも、翔月なつみとハミングバードの試合(場外でハミングバードが頭を打ってしまった)もお互いに考えざるを得ないと思うんです。相手にケガをさせて平気な選手はいないですし、会社も今は個々に託して大丈夫と思っている段階だと思います」
風香は、今はやりの選手主導の自主興行や女子選手と鈴木みのるなどトップクラスの男子選手との対決などの先駆者だ。2000年代初頭にこれらをすでに実現していた風香は、なぜプロデューサー目線が身についたのか。
「選手の頃はプロデュースなんて感覚はなくて『風香祭』(初回は2007年9月)で(ロッシー)小川さんが『何がやりたい?』と聞いてくださったときに『非日常空間を作りたい』と思ったんです。だからオープニングは知り合いのダンサーさんの力を借りて、夢の国みたいな演出をしてもらいました。前半のメインは、私が格闘技もやっていたのでプロの選手とエキシビションをしたり、体重が倍くらいある先輩と対戦させていただいたりエンタメ色が強くて、メインではプロレスの試合でした。プロデュースなんて大それた考えではなく、やりたいことをやらせてもらっているという感じでした。結果的にプロデュース興行を定期的に開催した最初の選手になったみたいですが(全13回、FAINALは後楽園ホールが1550人超満員で埋め尽くされた)、私はなんで自分が成功したか分からないし、今考えても支えてくれたスタッフやメディア、そしてファンのみなさんのおかげとしか言えなくて。
まわりがレールを敷いてくれて、そのレールすらまともに歩けなくて脱線したんですけど、その脱線もまわりが武器に変えてくれて。だから自分で言うのもなんですが、私、優しいんですよ(笑)。優しく育ててもらったから、優しく育てる方法を知っている。新人を育てる立場になったときに、現時点の仕上がりなんてあまり重要ではなくて、どうやってこの子を乗せて最大限に光らせようかって……そんなことばかり考えています」
1.3大田区から始まるマリーゴールドの2025年
マリーゴールドの2025年、戦い始めは1.3の大田区総合体育館大会だ。
「1月3日の注目、まずは2つのタイトルマッチですが、今の時点で真紅のベルト(マリーゴールド・ワールド王座)はまだカードが確定していなくて、純白のベルト(UN王座)は『青野未来vs桜井麻衣』が決定しています。同じ団体で生まれて、桜井さんのデビュー戦の相手が青野さんだったというだけでも十分な物語なんですけど、ベルトを争うまでに大成長してまた違う良い関係を築いた2人の今をしっかり見届けたいです。それから、山岡聖怜(現役高校生にしてレスリングのバックボーンがある)のデビュー戦も見逃せないですね。聖怜はおもしろいですよ。練習で年上をナチュラルに挑発するんです。それで年上の練習生が熱くなってケンカみたいになったら、しれっと得意のタックルに入って何事もなかったように収束させるんです(笑)。
聖怜が仕掛けたのに『乗っかった年上恥ずー』みたいな空気(笑)。そんなイタズラっ子みたいな一面もありますが、聖怜はスターになることが約束されているような逸材だから、そのデビュー戦を生で見てもらいたいです。それから、(スーパーフライ王者の翔月)なつみが気になること言っていましたよね。『闘いたい相手がいるからタイトルマッチは保留』と。私の中では思い浮かぶ選手が3人いるんですが、全員立場的に難しいので発表を待ちたいと思います。あと、人気大爆発中のボジラの相手もまだですよね。発表されてない以上、今は何も言えないんですけど、一つだけ言えるのは1月3日はマリーゴールドを選ばないと後悔するということです。2025年のはじまりは大田区体育館でお会いしましょう」
そして激動の女子プロレス界において注目を集めているのが、マリーゴールドが行ったトライアウトだ。
「どんな選手が受けたかも結果も未発表ですよね。他団体のゴタゴタもあったから、より注目なんですかね。何かしらサプライズは……あるかもしれないし、ないかもしれない(笑)。正直、私は静かに生きてきたのでこんな形で注目される日が来るとは夢にも思っていなかったです(笑)。2025年はもっと選手やスタッフとコミュニケーションをとって、よりお互いを知ってマリーゴールドがいろいろなメディアで取り上げられる1年にしたいです。今年も残り、あと少しどうぞよろしくお願いします」