池松壮亮、超初心者から猛特訓でフィギュアコーチ役 行定勲監督は大絶賛「24年の圧倒的なベストワン」

俳優の池松壮亮(34)が出演する映画『ぼくのお日さま』(奥山大史監督)が12月1日、「くまもと復興映画祭」が開催中の熊本県熊本市の熊本城ホール シビックホールで上映され、池松と熊本県出身の映画祭ディレクター、行定勲監督(56)がティーチインを行った。

ティーチインを行った池松壮亮【写真:ENCOUNT編集部】
ティーチインを行った池松壮亮【写真:ENCOUNT編集部】

映画『ぼくのお日さま』でくまもと復興映画祭に登場

 俳優の池松壮亮(34)が出演する映画『ぼくのお日さま』(奥山大史監督)が12月1日、「くまもと復興映画祭」が開催中の熊本県熊本市の熊本城ホール シビックホールで上映され、池松と熊本県出身の映画祭ディレクター、行定勲監督(56)がティーチインを行った。

 本作は『僕はイエス様が嫌い』で第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を受賞した奥山大史が監督・脚本・撮影・編集を手がけた商業映画デビュー作。雪降る田舎町を舞台に、吃音を持つ少年(越山敬達)が少女(中西希亜良)に恋し、アイスダンスを通じて成長する姿を描く。2024年5月の第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に、日本人監督としては史上最年少で選出された。

 前作『僕はイエス様が嫌い』に引き続き、奥山監督作を選んだ行定監督は「僕は本当に感動してしまった。非の打ち所がなく、こういう映画をなぜ俺は撮れないのかと思ったほど。ちゃんとカットに意味を込められ、俳優たちがきっちりと自分の役をちゃんと生きている。圧倒的な2024年のベストワンだと思った」と大絶賛した。

 池松は「監督はものすごい才能、新しい感性を持っています。忍耐強く、丁寧に奇跡をゆっくりたぐり寄せるようなカメラ回しをする方です。ワンカットは長いですけど、ほとんど 2、30 テイクが撮っているんです。脚本は普通の長編の半分くらいの長さで、ほとんどト書きだけ。子役たちには脚本を渡さず、現場で起こるものを大事にしている印象でした」と話した。

 池松と奥山監督との出会いは21年にドキュメンタリーをやったこと。「カメラを通した時のまなざし、光や人やその自然の捉え方に非常に感銘を受けまして、いつか映画をやりたいと思っていました。この映画は6枚のプロットを読んで、共演する子どもたちに何を見せてあげられるのか、残せるのかと思いました。自分も同じくらいの年から子役をやっていたので、試してみたくなりました」と話す。

 池松はまったくの初心者からスケートを習い、元フィギュアスケート選手のコーチ荒川役を演じている。

「練習は脚本を受け取る前から。早く始めないと間に合わないと思いました。指導の方から『2年かかる』って言われ、無理じゃんと思いました。最初は2、3秒立っているだけも大変で、未来のオリンピアンである子どもたちが練習しているところに連れて行かれて、自分だけヘルメットをかぶせられて、周囲から笑われながら(笑)。本当に嫌でしたね。コーチの方々が子どもたちを指導する姿が何よりの役作りになりました」と振り返った。

 ティーチインの最後には、『横道世之介』(2013年)で共演した高良健吾がサプライズゲストとして登場し、池松に花束を贈った。行定監督は「これまで機会がなかったが、一緒に仕事ができるといい」とラブコールを送っていた。

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