団体最終興行も無観客試合 葛藤抱えたプロレスラーが踏み出す新たな一歩
3月末をもって活動休止となったWRESTLE-1。4月1日に聖地・後楽園ホールで、最終興行に臨んだが、コロナ禍により無観客試合となっていた。
4月にWRESTLE-1が解散 それぞれの新しい道
3月末をもって活動休止となったWRESTLE-1。4月1日に聖地・後楽園ホールで、最終興行に臨んだが、コロナ禍により無観客試合となっていた。
「団体の最後なのに、応援してくれていたファンの人たちと、ちゃんとお別れできなかった。それはもう、本当に哀しいですよね。ファンの人たちからも淋しかったと聞きましたが、僕らも残念でした。悔しくて、ずっと引っかかっていた」と、アンディ・ウーのマスクで隠された表情が曇った。
W-1勢は全日本プロレス、ノアなど他団体に戦場を得て活動を再開。中には2つ、3つの団体に参戦している選手もいる。
アンディもいくつかオファーをもらったが、不運にも大会が中止、延期されることが続く。一部の若手選手も新たな戦場を見つけられずにいた。故郷に戻ったまま、燃え上がる闘志を持て余している若者の気持ちを思うとやるせなかった。
同じ想いを持つ河野真幸とともに「それでは、自分たちで戦う場を作ってしまえばいい」と、自主興行に踏み切ることになった。
興行の手伝いはしたことはあっても、プロモーターとして一から大会を開催するのは初めてとあって、準備に奔走する日々だ。「素人ばかりで、てんてこまいしている」と頭を掻きながらも、その声は弾んでいる。
大会名は「河野真幸&アンディ・ウー自主興行」と、シンプルそのもの。8月23日(日)、9月18日(金)の東京・新木場1st RING大会2戦(ともに試合開始午後7時)が決まった。5~6試合を予定している。
16年間も修行した中国武術の達人であるアンディは、飛鴻、無影脚、旋風脚、水能覆舟など中国武術を活かした技に一段と磨きをかけている。変幻自在の蹴り技、投げ技に加え、新技を繰り出すかも知れない。
試合前に披露する演舞で、これまで未公開の新たな武器を披露するプランもある。
「WRESTLE-1から卒業して、新たな道を進んでいくために、大切な2試合。皆さんだけでなく、僕自身も楽しみです」というアンディ。8月2日(日)ゼロワンの後楽園ホール大会にも出場する。
一選手としてだけではなく、プロモーターとして、関係者として、裏方の苦労も身を持って知ったというアンディ。「大変ですが、いい経験になります! プロレスの興行は選手、ファン、関係者の三位一体だ、とつくづく思い知りました。お客さんの前で試合ができる喜びをかみしめ、たくさんの経験もプラスにして、試合に反映できたら最高です」と、決意を新たにしていた。
選手として、そして人として、一回り大きくなったアンディのファイト、そして今後の生き様に期待が高まる。