64歳・桂雀々さん、「糖尿病からの肝不全」で死去 東西落語界で活躍、若手育成に尽力「温かい方でした」
上方落語出身で、東京に活動の拠点を移していた落語家の桂雀々さんが今月20日に亡くなったことを22日、所属事務所が発表した。死因は「糖尿病からの肝不全」。64歳だった。雀々さんは東西の落語界で活躍し、愛された存在で若手の育成にも尽力。2017年からは「桂雀々の、かかってこん会」と題し、若手落語家を出演させる独演会も開催していた。
「桂雀々の、かかってこん会」に出演の女流落語家が思い出語る
上方落語出身で、東京に活動の拠点を移していた落語家の桂雀々さんが今月20日に亡くなったことを22日、所属事務所が発表した。死因は「糖尿病からの肝不全」。64歳だった。雀々さんは東西の落語界で活躍し、愛された存在で若手の育成にも尽力。2017年からは「桂雀々の、かかってこん会」と題し、若手落語家を出演させる独演会も開催していた。
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所属事務所のラルテが22日午後、公式サイトで雀々さんの訃報を伝えた。
「弊社所属落語家 桂雀々は、糖尿病からの肝不全により、去る11月20日、64歳で永眠いたしました。入院中も最後まで高座復帰を目指し療養に努めて参りましたが、残念ながらその願いは叶いませんでした。これまで多くのお客様、また関係者の皆様に愛され親しまれ、幸せな落語家人生であったと存じます」
その上で、「ご遺族の意向により、葬儀は近親者のみで執り行わせて頂きました。後日、『お別れの会』を予定しておりますが、詳細は改めてご報告させて頂きます。ここに生前のご厚誼に深謝するとともに、謹んでご報告申し上げます」とつづった。
大阪府出身の雀々さんは、小学生の時からテレビ視聴者参加番組の常連となり、人気者になった。母親、父親が相次いで蒸発して苦しい生活を送る中でも人を笑わせることに喜びを感じ、1977年6月に「爆笑王」と呼ばれた故桂枝雀さんに入門した。天才のもとで学び、上方落語界で地位を築きながら、51歳だった2011年に「リセット」を掲げ、東京へ拠点を移していた。
人に分け隔てなく接するキャラクターで、東京の落語界にも馴染んで活躍。17年からは若手を応援、育成する目的で「桂雀々の、かかってこん会」を開催。同会に出演し、稽古もつけてもらった49歳の女流落語家・柳亭こみちはENCOUNTに故人との思い出を語った。
「私がまだ前座だった頃からかわいがっていただきました。雀々師匠は明るくてエネルギッシュな高座で知られるスター落語家でしたが、みんなに優しくて温かい方でした。東西の落語界、ベテラン、中堅、若手のみんなに愛される存在です。訃報は突然のことで残念でなりません」
著名人にも愛された雀々さんは、16年の芸歴40周年公演に明石家さんま、桑田佳祐がかけつけた。また、俳優として17年にはTBS系連続ドラマ『陸王』に出演。20年の山田洋次氏原作、脚本のNHK BS連続ドラマ『贋作男はつらいよ」では車寅次郎役で主演した。
今後も活躍が期待されていたが、10月26日に所属事務所がXで、「桂雀々は体調不良のため当面、落語会は休演させて頂きます。各落語会に関しては弊社公式Xでもご報告させて頂きます。楽しみにされていたお客様にはご迷惑お掛けして申し訳ありません」と伝えていた。今月に予定していた桂小文枝の芸歴55周年東京公演なども取り止め。12月22日には、「桂雀々独演会」(東京・渋谷文化総合センター大和田 伝承ホール)が控えていたが、今月15日には、所属事務所が公式サイトで「持病の糖尿病により、現在入院加療中です」と報告し、年内出演予定の落語会を休演すると発表していた。