高比良くるま&野田クリスタル、『ゴールデンコンビ』初代王者に 明かした裏側【ネタバレあり】

Prime Videoで独占配信中のAmazon Original番組『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』で漫才コンテストの頂点を獲った2人が合体し、初代チャンピオンに輝いた。M-1グランプリ2023(ABCテレビ・テレビ朝日系※以下『M-1』)優勝の令和ロマン・高比良くるまとM-1グランプリ2020を制したマヂカルラブリー・野田クリスタルによるコンビだ。数々の賞レースで結果を残し、“即席コンビ×即興コント”という前代未聞のお笑いバトルまでをも制覇した2人の天才に、過酷だった戦いの裏側、今後の野望を聞いた。

『THEゴールデンコンビ』初代王者となった野田クリスタルと高比良くるま【写真:イシイヒデキ】
『THEゴールデンコンビ』初代王者となった野田クリスタルと高比良くるま【写真:イシイヒデキ】

“即席コンビ×即興コント”前代未聞のお笑いバトル『THEゴールデンコンビ』

※本記事は『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』全話のネタバレを含みます。

 Prime Videoで独占配信中のAmazon Original番組『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』で漫才コンテストの頂点を獲った2人が合体し、初代チャンピオンに輝いた。M-1グランプリ2023(ABCテレビ・テレビ朝日系※以下『M-1』)優勝の令和ロマン・高比良くるまとM-1グランプリ2020を制したマヂカルラブリー・野田クリスタルによるコンビだ。数々の賞レースで結果を残し、“即席コンビ×即興コント”という前代未聞のお笑いバトルまでをも制覇した2人の天才に、過酷だった戦いの裏側、今後の野望を聞いた。(取材・文=イシイヒデキ)

――1度は脱落となったものの、敗者復活から劇的な優勝を果たしました。大会を通してどんなことを感じましたか。

くるま「強烈な手応えがないまま最後まで来ていたので、決勝で初めて肉体に魂が戻ったというか。即興過ぎてほとんど覚えていませんでした。ただ、どの賞レースでも思ったことがなかったのですが、初めて何かで優勝して『うれしい』と感じました。自分のやりたいお笑い、一番好きなお笑いだったので」

野田「とにかく疲れました。これは出場者全員の感想になると思います。お笑いの大会、全収録の中で一番体力を持っていかれた。息切れするタイプではなく、くたくたな状態になった大会でした。何の筋肉を鍛えたら、この体力がつくのか未だに分かりません。そういう面でオレらは出場者の中で最も体力があった。体力-1グランプリでしたね」

くるま「実はM-1も体力が必要じゃないですか。朝からリハーサルのために現場に入って、みんなずっと緊張していて疲れてしまう。最終決戦の2本目の時なんて、くたくたじゃないですか。賞レースにおいて、元気って大事なんですよね」

――番組内でくるまさんは「新世代の天才」、野田さんは「我流の天才」と紹介され、コンビには「M-1王者同士の化学反応 天才×天才」というキャッチフレーズがついていました。お互いどんなところが天才だと思っていますか。

くるま「野田さんは理系のマッチョというのが最高ですね。自分の世界を持っていて、論理的にそこを構築しているので、一緒にネタを作る、即興芸をするにあたってアクセスしやすいんです。思考の過程が分かるから合流しやすいというのは大事なことでした。こういうボケだったら、最後こうしませんか? と入っていける。僕はド文系なので、理系の人間と組んだ方が良かったんです」

野田「ネタを書く力、作る力、分析する力があるというのは、みんなが知っているくるまのイメージだと思うのですが、この大会を通して感じたのは演者としての力でした。例えば、『SASUKE』(TBSテレビ)の実況のまねをやってくださいと言われて、今回の出場メンバーで何人ができるのか。最終ステージも、ほぼ何も決まっていない状態で舞台に出て、ずっと言葉を発していられる。M-1では分からなかったことなので、演者としてシンプルに『その力を持っていたんかい』と驚きました」

『SASUKE』ものまねを即興で披露した
『SASUKE』ものまねを即興で披露した

ロコディ堂前が脅威に「無冠の帝王過ぎる」

――8組のコンビがエントリーしましたが、その中で脅威に感じた人はいますか。

くるま「僕は(ロングコートダディの)堂前(透)さん」

野田「堂前ですね」

――おふたりとも堂前透さんなのですね。

くるま「今年、ロングコートダディがM-1とキングオブコント(TBSテレビ)の2冠を獲ると思っていました。一番2冠に近いコンビだと」

野田「無冠の帝王過ぎるよね」

くるま「今、堂前さんの脂が乗りまくっていてヤバいんです。どれを取っても完璧で、あれはちょっと異常ですよ。この大会では、僕らは体力で勝っただけ。ロウソクを食べたから勝てただけなんです」

――堂前さんは男性ブランコ・平井まさあきさんに指名されての出場でした。平井さんについてはいかがでしょうか。

野田「平井ってなんなんだろうな。一番絵面が面白いんですよね。雰囲気が面白過ぎるんです。そこは強すぎる。化け物でした」

くるま「平井さんは画素数が低いじゃないですか。画質悪い人って芸人としていいんですよね」

――第2回大会があるとしたら、このコンビで出場するのか、別のコンビで出場するのか、どちらを選びますか。

くるま「またこのコンビで出場はズルいので、違う人と組んで野田さんと戦いたいです」

――くるまさんは野田さん以外に組みたい芸人の候補はあったのでしょうか。

くるま「ランジャタイの国崎(和也)さん、あともう中(もう中学生)さんがいいと思っていました。僕、もう中さんの考えていることが分かるので相性がいいんですよ。僕が整える力があるので、組む人は飛んで入れば飛んでいるほどよいと考えていました」

――野田さんはくるまさん以外で組みたい方はいますか。

野田「今回は2人で即興芸を考えられましたが、それができないとしんどい大会だと思いました。僕が何もしなくていいレベルだったら堂前ですね。堂前だったら乗っかっていればいいので。今回、永野さんとダイアン津田(篤宏)さんのコンビは、思いのほか永野さんが何の意見も出していなかった(笑)。このゴールデンコンビは、2人が一つになっていないコンビは勝てません」

くるま「僕は永野さんと一緒に番組をやっているのですが、これで永野さんの過大評価が終わればいいと思っています(笑)。永野さんの面白さは、そこではないので。虚無から作り出されている存在しない日本語が面白いんです。クリエイター扱いしないでほしいですね」

――さまざまなステージ、シチュエーションで即興コントを行いましたが、特に印象に残っているステージは。

野田「最終ステージは振り絞るだけなのですが、その1個前のステージは、全員が一番疲れていました。オレらに関しては敗者復活からくたくたの状態のまま、第6ステージに上がりました。結婚式場のステージは即興中の即興かと思っていたら、せり上がりで吉岡里帆さんが出てきて、『まばゆい光が見えるな、まぶしい』と思いました。疲れが吹き飛んで全部がリセットされました」

くるま「かわいすぎて全部の無茶振りが許せました。あのステージの無茶振りゲストが吉岡里帆さんじゃなかったら終わっていました」

吉岡里帆の無茶振りに応えたくるまと野田
吉岡里帆の無茶振りに応えたくるまと野田

くるま「僕は結果を出しているだけで、伝説を残していない」

――賞金1000万円の使い道はどう考えていますか。

野田「2人で使うのは面白そうですね」

くるま「やるとしたら、賞金をキャリーオーバーして、『もう1回、THEゴールデンコンビやろうぜ』と言いたいですね」

野田「おー!」

くるま「もしも配信がこけた場合は、Amazonさんに補てんしてあげましょう。自分たちが優勝したので負い目も感じるじゃないですか。Amazonさんに詫びを入れます」

――さまざまな賞レースで結果を残してきたおふたりでしたが、芸人として今ほしいもの、野望を教えてください。

くるま「『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)で『芸人が今までで一番面白かった瞬間は誰が見ても面白い説』というのがありますけど、あれにいつか選ばれたいですね。僕は結果を出しているだけで、伝説を残していない。『あの日はやばかった』『神がかっていた』と語り継がれるものを作りたいです」

野田「1回くらいお笑いグランドバトルをやりたいですね。出場条件、ファイナリストのみのグランドバトル」

くるま「僕もチャンピオン大会をやりたいと思っていました。賞金1億円とかで。いつか実現させたいですね」

――くるまさんは、今年もM-1グランプリにエントリー。前人未到の連覇に意気込みをお願いします。

くるま「同じ年で即興コントのチャンピオンと即興ではない漫才のチャンピオンになれたら天下無双なので、やってやりたいですね」

――野田さんからは、くるまさんに激励の言葉を。

野田「そんなに活躍するなよ」

くるま「え?」

野田「獲りすぎるな。そういうのやめろよ。みんな迷惑してるよ」

くるま「野田さんもいっぱい獲ってるじゃないですか」

野田「人のこと考えなさい!」

くるま「考えるわけないでしょ! 誰が考えるか!(笑)」

□高比良くるま(たかひら・くるま)1994年9月3日、東京都出身。慶應義塾大のお笑いサークルで相方・松井ケムリと出会い、「魔人無骨(まじんぶこつ)」を結成し、令和初日からコンビ名を「令和ロマン」に改名。近年は、M-1グランプリ2023、第45回ABCお笑いグランプリ王者で王者に輝き、24年11月に自身初となる書籍『漫才過剰考察』(辰巳出版)を発売した。

□野田クリスタル(のだ・くりすたる)1986年11月28日、神奈川県出身。2007年に村上と「マヂカルラブリー」を結成し、M-1グランプリ2020、R-1ぐらんぷり2020で優勝。ゲームクリエイターやジムのトレーナーとしても活躍している。

※高比良くるまの「高」の正式表記ははしごだか
※KAZMAの「Z」の正式表記はストローク付きラテン大文字

予告編:https://youtu.be/_1RcdW8cyoE?si=rn1jTr71k5cELKbh

■Amazon Prime Video『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』
配信開始日:2024年10月31日午後6時より独占配信中
MC:千鳥(大悟、ノブ)
MCアシスタント:林瑠奈(乃木坂46)
出場コンビ:
令和ロマン・高比良くるま&マヂカルラブリー・野田クリスタル
霜降り明星・せいや&ハナコ・秋山寛貴
ネプチューン・堀内健&ニューヨーク・屋敷裕政
チョコレートプラネット・長田庄平&シソンヌ・じろう
ハライチ・澤部佑&スリムクラブ・真栄田賢
男性ブランコ・平井まさあき&ロングコートダディ・堂前透
ラランド・サーヤ&しずる・KAZMA
ダイアン・津田篤宏&永野
話数:全5話
コピーライト:c2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.
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