50代で難関試験に合格 小川直也が“同世代”にエール「挑戦することは素晴らしいこと」
バルセロナ五輪銀メダリストの小川直也(56)が自身のYouTubeチャンネル『暴走王チャンネル』を更新した。小川はひと月前、宅建士の資格を1年前に取得していたことを明かし、本年度の宅建試験受験生に向けてエールを送る動画を配信したが、今度は宅建試験を終えた受験生に向け、新たな動画を公開した。
合否が出る日(今月26日)までドキドキの生活
バルセロナ五輪銀メダリストの小川直也(56)が自身のYouTubeチャンネル『暴走王チャンネル』を更新した。小川はひと月前、宅建士の資格を1年前に取得していたことを明かし、本年度の宅建試験受験生に向けてエールを送る動画を配信したが、今度は宅建試験を終えた受験生に向け、新たな動画を公開した。(取材・文=“Show”大谷泰顕)
10月、本年度の宅建試験に合わせて動画を配信した小川は、そこから各メディアに取り上げられ、一気に“暴走宅建士”としての認知度を獲得した。
今回の動画はその続編になるが、まず小川は本年度の試験を終えた受験生に対し、「お疲れ様でした。多分、今、精魂尽き果てているんだろうなと。分かります」と1年前の心境を振り返る。
驚いたのは「実は俺も……」と、10月20日に実施された宅建試験問題を入手した小川は、試験から3日後の23日、実際の試験さながらに13時から2時間の試験時間を設け、試験問題を解いたという。
小川としては、「不思議なもんで、(1年前と違って)肩の力が抜けているからいいなあって。失敗は許されないって(いう緊張感が)まったくないわけじゃん。結構、覚えてるぞ」と話すと、自己採点は50点満点中、38点だったと話した。
それでも「5問くらいはどっちだったっけなあ?」と迷ったという小川は、「(1年前の試験と)今年を比べたらシンプルだった。判決文もなかったし。個数問題も少なかったよ」とのこと。ちなみに個数問題とは、例えば4択の中から1つを選ぶのではなく、「正解はいくつあるか?」を選択するものだが、本年度の問題には、正解が1つもない、という個数問題もあったというから、かなり変化球を交えた出題形式になっていたようだ。
小川によれば、本年度の合格点は「37点か38点」になりそう、と言われているとのことだが、自己採点でボーダーラインにいる受験生は、合否が出る日(今月26日)までドキドキの生活を送ることになる。
「(自己採点で45点以上などの)余裕ある人はいいよ。いや、余裕ある人だって、俺、名前を書いたかなとか、そういうの(ケアレスミス)があるんだから。だから(合格発表で)自分の番号を見るまでは落ち着かないわけよ」(小川)
また、1年前を振り返り、「俺も自信はあったけど、ギリギリ当落線上にいたから、もう(その段階で)来年どうしようか考えてたもん」と語り、「(気持ちが)ネガティブになっちゃうわけよ」「めっちゃビビっていると思うよ」と当時の自身の心境を思い出しながら、そう証言した。
「(受験生は)若い世代もいるんだろうけど、僕らの世代は『挑戦』じゃない。(だから若い世代には)理解できない。そんな歳なのに覚えられないのか(と思うかもしれないけど)記憶力がついていかない」と50代となった自身の悩みや現状を告白しながら、「挑戦することは素晴らしいこと。なかなかできないのよ」「(その世代になると)自分の居場所がそれぞれあるわけじゃん。そこをあえてイチから出直すとか挑戦するっていいなって。ホントにきついから、宅建は。だから少しでもタシになればと思ってやったんだけど……」と、改めて同世代のチャレンジャーたちに向けてエールを送った。
宅建士試験の合格は生涯有効
その上で小川は、もし今回、残念な結果になってしまった場合でも、「やったことには誇りを持ってほしい」と話しながら、「結構、今アドレナリンが出てると思うのよ。悔しさで。でも、ハッキリ言わせてもらう。今は休んだほうがいい。落ち着いて、今は休むべきだと思う、1か月は」とアドバイスを送ると、その理由を「若いヤツは知らないけど、俺ら(の世代)は、常にやる気をチャージしなきゃいけないわけよ。充電が遅いから」と明かす。
「だから申し訳ないけど、ダメだって分かっちゃった人は、なんとか挑戦をあきらめないでほしいんです。挑戦しているうちが、大変なんだけど、一番楽しいと思います。なんでもそうじゃない。野球選手でもさ。俺も柔道もやって格闘技もやったけど、引退しちゃうとっていうより、やっててナンボっていうのがあるじゃない。それでも、やってる苦しみのほうが幸せなんだよね」(小川)
一方、晴れて合格した受験生に対しては、宅建士になるには、次のステップが必要だと明かした。
それは合格すると、実務経験のない合格者に「宅建実務講習教材」なるものが送られてくるので、開封後、それぞれが2日間をかけてそれを受講し、試験を受けることになる。費用は約1万2000円ほど。
そういった手続きをへて、正式に宅建士として活動するには、受験した試験地の都道府県で登録を行い、「宅地建物取引士証」の交付を受ける必要がある。そのためにはさらに数万円の登録料がかかるが、宅建士試験の合格は生涯有効のため、登録したくなったタイミングで登録できるそうだ。
最後に、小川は宅建という資格取得に向けて、「必死にやった人」(それでも残念な結果だった人)に対し、以下のように結論づけた。
「1年も2年も時間を使っちゃった人は、成し遂げてほしいなあと思いますね。ただ、やり方は頑固一徹にならずに柔軟に」「急がば回れじゃないけど、人生、積み重ねてきた分だけ、このやり方もいいかもしれないけど、別のやり方を試すのも1つの手かもしれません」(小川)
そう言って小川は、最後まで「挑戦をあきらめないでほしい」と口にしていた。
なお、この動画には「自分の人生が変わるきっかけになれるよう頑張ります」「直前にたまたま見て、元気をもらいました!ありがとうございます!」といった宅建受験者による前向きなコメントが寄せられている。