「これ本当に軽自動車?」 高速道路で実感した国産EVの“実力”、ガソリン車乗りがコスパ比較にも驚愕
高速道路に乗ったら、「えっ、これ本当に軽自動車?」――。軽電気自動車(EV)の日産サクラは想像以上の乗り物だった。秋の鎌倉・逗子方面をプチドライブ。普段はガソリンのエンジン車ばかりで、ほとんど軽に乗ったことのない記者にとっては、いい意味の驚きの連続だった。物価高のご時世にランニングコストにも注目で、
日産サクラ 最上位Gグレードは本体価格308万2200円
高速道路に乗ったら、「えっ、これ本当に軽自動車?」――。軽電気自動車(EV)の日産サクラは想像以上の乗り物だった。秋の鎌倉・逗子方面をプチドライブ。普段はガソリンのエンジン車ばかりで、ほとんど軽に乗ったことのない記者にとっては、いい意味の驚きの連続だった。物価高のご時世にランニングコストにも注目で、“売れている理由の秘密”も垣間見れた。
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横浜の日産自動車グローバル本社の発着。ボディーカラーはスパークリングレッドを選んでみた。間近で見た外観は、「ちょっと近未来的なデザインだなあ」。運転席に座ってみると、車内の広々空間が感じられた。ドライブモードなどの一通りの説明を受け、いざ出発。「坂道もスムーズですよ」というスタッフの言葉通りに、地下駐車場をするすると上っていった。
目的地は、リビエラ逗子マリーナ。航続距離180キロなので十分、充電なしで帰ってこられる。高速道路の走り心地はどうか。軽自動車は横風にあおられるなどの不安定感のイメージもあったが、サクラは腰が据わっている感覚。加速感も十分にあった。
試してみたかったのが、高速道路で有効な運転支援機能だ。サクラは「プロパイロット」の名称で、先行車を安定した速度で追従し、ハンドル操作もサポートしてくれた。こうした運転をアシストしてくれる先進技術の搭載に新鮮な驚きを感じた。楽に走れるプロパイロットを確かめていて行きは忘れていたのだが、帰りはドライブモードの「Sport」にトライ。アクセルペダルの操作だけで加減速をコントロールでき、クリープ機能が追加された「e-Pedal Step」との組み合わせを試してみると、アクセルペダルだけで速度調整をしながら、スイスイ走れた。
横浜から逗子までの道のりは、坂のアップダウンや曲がりくねった道が多くあり、自動車の性能がちょっぴり試されるところ。サクラは“らくちん”でハンドルを握ることができた。
さすが、「2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しただけあるクルマだ。日産自動車によると、サクラの販売台数は、日本のEV市場で、2022年度、23年度、24年度上期で連続して首位。EVシェアは34%で、日本のEV購入者の3人に1人がサクラに乗っている計算になるそうだ。
ちなみに、興味深いデータが。同社によると、「24年度上期国内EV販売ランキング」で、日産サクラは1万100台の売上を記録し、日産リーフと日産アリア続いてトップ3を独占。米テスラや国内外メーカーを引き離しており、日産×EVの浸透度が見て取れる。
サクラユーザーの9割以上が自宅で充電
EVは充電が気になるところだが、サクラユーザーの9割以上が自宅で充電(専用設備の電気工事が必要)。1日あたりの走行距離は約半数が30キロ以下で、買い物や通勤、送り迎えなど、「普段使い・日常使い」もサクラとの相性がよさそうだ。
日々の生活で「節約」「コスパ」が現代社会のキーワードだ。同社は日産サクラについて、「国の補助金55万円に加えて、ランニングコストのメリットは大きいです。また、モーター駆動でエンジンがないため、点検項目・消耗部品が少なく、メンテナンスのコストもお得です」と強調。軽ガソリン車と比べると、燃料費・税金・メンテナンス費用の面で「5年間で約30万円」のコストが安くなるという。コスパ重視の自動車ユーザーへの訴求にもつながっているとのことだ。
ちなみに、試乗車は最上位となるGグレード。本体価格308万2200円にプラスしてメーカーオプション38万600円。サクラの一番売れている価格帯は250万円台だという。
さて、逗子マリーナのおしゃれな海の雰囲気で記念撮影も撮ることができ、日々あくせくする仕事の中で、いい息抜きの試乗会になった。
軽自動車は「ただ乗れればいい」というイメージもあったが、優れた運転性能は軽の印象を覆した。足車の利用以上に、遠出ドライブも楽しめる多彩な可能性。まさに、サクラのコンセプトの1つである「いつでも一緒に思い出をつくっていくパートナー」を実感できた。