YouTube話題の佐藤有里香アナ、目指すは唯一無二の存在 夢への支えになった競馬「人には裏切られるけど」

「とんでもねえ女子アナだな」と注目を浴びる入社6年目の女性アナウンサーが福岡にいる。お酒とギャンブルに興じ、ありのままの姿を見せるYouTubeをきっかけに人気を博しているのが、テレビ西日本(TNC)の佐藤有里香アナウンサーだ。しかし、明るく元気な姿とは裏腹に、夢をかなえるまでの道のりは決して平坦ではなかった。佐藤アナのこれまでについて話を聞いた。

TNCの佐藤有里香アナウンサー
TNCの佐藤有里香アナウンサー

YouTubeチャンネル『佐藤アナの大酒記』が話題に

「とんでもねえ女子アナだな」と注目を浴びる入社6年目の女性アナウンサーが福岡にいる。お酒とギャンブルに興じ、ありのままの姿を見せるYouTubeをきっかけに人気を博しているのが、テレビ西日本(TNC)の佐藤有里香アナウンサーだ。しかし、明るく元気な姿とは裏腹に、夢をかなえるまでの道のりは決して平坦ではなかった。佐藤アナのこれまでについて話を聞いた。(取材・文=猪俣創平)

 佐藤アナにフォーカスを当てたYouTubeチャンネル『佐藤アナの大酒記』は、「酒とギャンブルをこよなく愛する」彼女が欲望の赴くままに酒を飲み歩き、福岡の酒・飲食業界を応援する風雲児を目指すというもの。豪快な飲みっぷりと賭けっぷりから、「こんな破天荒な女子アナが実在するのか…」「おもしろすぎる!」と登録者数も動画再生回数も着実に伸ばしている。

 女子アナとは思えない姿が印象的だが、「プライベート感を出すというか、とにかくあれが素なので、本当に好きなものをとことん全力で楽しんでいるだけです」と自然体なのだと説明する。

 そんな豪快な姿とは裏腹に、普段はニュース原稿を読み、スポーツコーナーも担当するなどアナウンサー業にまい進している。しかし、憧れの職業に就くまでには苦労もあった。明治大出身の佐藤アナは、「学際的に学びたい気持ちとメディア系も学べる学部」ということから、情報コミュニケーション学部を選択し、そこでアナウンサーを志望するきっかけがあったと、当時の葛藤とともに回顧する。

「将来どうしようかなと考えたときに、恩師から『声が大きいし、ハキハキしているからアナウンサーが向いてるんじゃない?』と言われたことがきっかけで、うっすらとなりたいなと思いました。その反面、アナウンサーになる方は大学の『ミス○○』や『○○大使』といった方々がほとんどの中で、私は何の肩書きも持っていなくて、どうしようかなって思っていたんです」

 悩みながらも、アナウンサーを目指して動き出した。アナウンススクールに通い、AbemaTVとBS朝日で学生キャスターも経験。その中で「アナウンサーが楽しいな」と感じることも増えていった。「テレビ局のインターンシップにも行きました。現役のアナウンサーの方から直接教わって、『自分の言葉で表現するのが楽しい』と感じられたので、できるだけ頑張ろうと思って就活をしました」と振り返る。それでも、夢への道のりは想像以上に険しいものだった。

「まずインターンから勝負の部分もあって、そこからいかに指導していただくか、自分の存在を認知してもらえるかといった部分もありました。もちろん、アナウンススクールにも通うので、お金も発生しますし、本当にみんな奇麗なかわいい子ばかりだったので、『この子はミス何大だ?』とか常に検索していましたね。でも、みんなで励まし合ってきたので、今も私は仲間だと思っています。ただ、たくさん志望者がいる中で一握りの人しかなれない世界だとも思っています。みんなキラキラしているから、『私なんか……』とずっと思っていたんです」

イベントでは天皇賞・秋の“ガチ予想”も
イベントでは天皇賞・秋の“ガチ予想”も

現在は「好き」を生かしてスポーツニュースも担当

 何度も挑戦したアナウンサー試験。「もう本当にあと1歩のところまで行って落とされる日々が多くて……私はもうアナウンサーになれないんだ」とくじけそうになっていた。

 そんな折、目に飛び込んできたのは競馬だった。「たまたま競馬のCMを見て、『人には裏切られるけど、馬は裏切らない』と思ったんです」。思いがけず東京競馬場に足を運ぶと、ダートのG1レース・フェブラリーステークスを観戦した。

「私もアナウンサーという夢を追いかけていたので、“夢”が付くノンコノユメに賭けようと思いました。そのとき、後方から一気にゴールドドリームとインカンテーションを差し切って勝つのを見て、“夢を諦めちゃいけないんだ”と元気をもらいました」

 砂塵が舞う中、豪快に駆け抜けたサラブレッドが佐藤アナの心に火を灯した。諦めずに就活を続けると「TNCを受けて、たまたま内定をいただきました。本当に運が良かったなと思っています」と努力が実った。

「もともとスポーツをやりたい、野球と競馬がしたいと思っていました。TNCのアナウンサー試験においても、ノンコノユメの話をしたり、その日の競馬のメインレースの予想をしたり、馬券を実際に買って『私、今日これに賭けてます』と自己紹介をするくらいアピールしましたね。だから、競馬のおかげです。本当にノンコノユメのおかげです」としみじみと感謝する。

 入社から6年目を迎えた現在では、「好き」を仕事につなげている。趣味の野球も競馬も仕事にして、ニュース番組のスポーツコーナーや競馬番組のキャスターも担当。「スポーツ志望だったので、それこそ福岡といえばホークスです。ホークスの番組やスポーツコーナーを担当させてもらい、野球中継のときも実況者の隣にあるサブアナといって、スコアラーをさせていただいています。『佐藤アナの大酒記』ではお酒とギャンブルをさせてもらって、本当に自分の好きなことをさせていただいております」と充実感をにじませる。

 今後のアナウンサーとしての目標を尋ねると「オールマイティーな、唯一無二のアナウンサーを目指しています」と明かし、こう続ける。

「たとえば、MCも中継リポートもロケもできて、野球もできるんだ、競馬もできるんだと思ってもらえる、なんでもできるアナウンサーです。私は唯一無二のアナウンサーでありたいとずっと思って仕事をさせていただいております」

 YouTubeチャンネル『佐藤アナの大酒記』も話題となり、福岡だけでなく全国からも注目を浴び始めている。思わぬ反響に、佐藤アナは「引き続き、とんでもねえ女子アナとして、唯一無二の存在で頑張っていきたいなと思っております」と持ち前の明るく通る声で語る。夢だった女子アナとして、オンリーワンの魅力を発揮していく。

□佐藤有里香(さとう・ゆりか)1995年8月23日、宮城県仙台市出身。明治大卒業後の2019年にテレビ西日本入社。『福岡NEWSファイルCUBE』スポーツコーナー、『月刊TNC批評』などを担当。小倉競馬開催時には『競馬BEAT』キャスターも務める。趣味は競馬、競艇、野球観戦、お酒など。

次のページへ (2/2) 【動画】昼飲み&競馬に興じる佐藤有里香アナの姿
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