岡田結実、苦手なホラー初挑戦「怖いけど参加したいと」思った理由 “地獄”に「私も心当たりがある」

俳優の岡田結実(24)が映画『他人は地獄だ』(11月15日公開、児玉和土監督)でヒロインを務めた。同映画は、韓国の人気WEBコミックを日本で実写映画化したサスペンスホラー。岡田は、不気味な住民が住む格安シェアハウスで地獄のような体験をする主人公ユウ(八村倫太郎)の恋人メグミを演じた。普段ホラー映画を避けがちな岡田にとって、この作品への出演は大きな挑戦だった。

インタビューに応じた岡田結実【写真:山口比佐夫】
インタビューに応じた岡田結実【写真:山口比佐夫】

韓国の人気WEBコミックの実写化『他人は地獄だ』

 俳優の岡田結実(24)が映画『他人は地獄だ』(11月15日公開、児玉和土監督)でヒロインを務めた。同映画は、韓国の人気WEBコミックを日本で実写映画化したサスペンスホラー。岡田は、不気味な住民が住む格安シェアハウスで地獄のような体験をする主人公ユウ(八村倫太郎)の恋人メグミを演じた。普段ホラー映画を避けがちな岡田にとって、この作品への出演は大きな挑戦だった。(取材・文=平辻哲也)

「実は私、ホラー映画って普段から怖くてあんまり見ないんです。布団にくるまって、目を隠しながらじゃないと観られないタイプで(笑)。この作品はホラーなんですけど、人の怖さだったり、追い込まれた時に見えてくる自分自身の持っている恐怖や黒い部分が描かれています。だから、怖いんですけど『これはぜひ参加したい』と思いました」

 本作は上京して新生活を始める青年ユウ(八村)が、格安シェアハウス「方舟」で異様な住人たちに囲まれ、狂気に巻き込まれていく様子を描く。ダンス&ボーカルグループ・WATWINGの八村倫太郎がユウ役、『ゴールデンカムイ』の栁俊太郎がシェアハウスのリーダー、キリシマ役でダブル主演し、『口裂け女0 ビギニング』の児玉和土氏が監督・脚本を担当した。

 岡田は脚本を読み進める中、物語の世界に引き込まれたのだという。

「気づいたら自分もその地獄のような空間に引きずり込まれました。物語の最後にかけて、『うわー、こういうことか』って気づかされて。何か違和感がずっと残っていたけど、その正体に最後の最後で気づくような感覚で、本当に鳥肌が立ちました」

 岡田が演じるメグミは、主人公ユウにとっての「支え」でありながら、物語の進行に伴ってその存在感が少しずつ変化していくキャラクターだ。

「メグミは、『一緒に住もう』というユウの突然の提案に困惑しつつも、その表情や感情を読み取って寄り添おうとする優しさを持っています。でも、彼女には彼女の夢があって、一緒に住むことはできないと言い切る強さもあるんです」

 役作りにあたっては、キャラクターの名前を書くことや、香水を使うなど五感を活用する独自の手法を取り入れた。「メグミという名前を何度も書いていると、彼女の持つ強さや優しさが自然と自分の中に染み込んでいく気がするんです。香水も、彼女がつけていそうなものを選ぶことで、そのキャラクターになりきれました」。
 
 映画では、「他人」という存在がもたらす恐怖やプレッシャーがテーマ。主人公のユウは追い詰められて、地獄を見るが、似たような経験は自身にも心当たりがあるという。

「うれしいことなんですが、ドラマで主演させていただいた時に追い詰められる感じがしました。最終回が近づくに従って、いいものになっているのか、視聴率はどうか、スタッフの皆さん心地よくできるのか、と考えてしまう。自分自身が未熟ながらも、座長だから、しっかりしなきゃと思ってしまい、自分自身で追い込んでしまうんです。こういう時こそ、自分に、手を差し伸べてくれる人、反対の意見を言ってくれる人のことを大切にしないといけないと思いました」

 岡田は性格について「逃げ癖がある」と反省しつつも、時にはそれがプラスに働くこともあったと振り返る。

「つらい環境で無理に耐え続けるよりも、時には逃げることも必要だと思っています。子どもの頃から、嫌だなと思った環境からはすぐに離れる癖がついていて、それが自分を守る方法にもなっているんです。追い込まれた時にこそ、自分と対話して冷静に立ち止まることが大切だと感じました。他人の期待や要求に応えるために自分を見失うことは誰にでもあるけれど、そんな時には一度立ち止まって、自分が本当にどうしたいのかを考えるべきだと思います」

 映画では、格安シェアハウスの罠に落ちる主人公の姿を描いているが、「映画の場合は極端だとは思いますが、中にはブラック企業に勤めていて、悩んでいる人もいると思います。そういう時は行政の支援に頼るのは全然悪いことじゃないし、恥ずかしいことじゃない。自分も人生で同じようなことはやってきたと思うんです。一方、自分もまた、誰かにとっては『他人』であり、もしかしたら『地獄』を与えてしまっている存在なのかもしれない。そう思うと、自分自身も改めて他人に対して配慮を持って接していかなければいけないと感じました」と岡田。本作は、他者とどう関わるべきかという深いテーマと向き合う機会でもあったようだ。

■岡田結実(おかだ・ゆい)2000年4月15日生まれ。大阪府出身。幼少期からジュニアモデルとして活躍し、17歳のときに映画で俳優デビュー。21年後期NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』へ出演を果たし、ドラマ『わたしのおじさん~WATAOJI~』『女子高生の無駄づかい』『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~』『最果てから、徒歩5分』などで主演を務めている。バラエティ番組や情報番組にも多数出演しており、現在『news おかえり』『Finder TRIP』含め、計4本のレギュラー番組に出演中。

ヘアメイク:やすす
スタイリスト:武久真理江
衣装協力:・BORDERS at BALCONY・SHUN OKUBO

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