矢島舞美、1年ぶり舞台復帰でセーラー服の高校生に「どんでん返しを楽しみながら」 長崎弁も猛特訓中

元℃-ute(キュート)のリーダーで俳優の矢島舞美が、11月1日に東京・池袋のサンシャイン劇場で開幕する舞台『夕 -ゆう-』(作・演出/宅間孝行)に女子高生役で主演する。今年7月に第1子出産後、俳優復帰作に。長崎を舞台にしたノスタルジックな人情劇で、矢島は改めて俳優業への情熱をみなぎらせている。

インタビューに応じた矢島舞美【写真:北野翔也】
インタビューに応じた矢島舞美【写真:北野翔也】

人気シリーズ「タクフェス」第12弾『夕-ゆう-』で女子高生役

 元℃-ute(キュート)のリーダーで俳優の矢島舞美が、11月1日に東京・池袋のサンシャイン劇場で開幕する舞台『夕 -ゆう-』(作・演出/宅間孝行)に女子高生役で主演する。今年7月に第1子出産後、俳優復帰作に。長崎を舞台にしたノスタルジックな人情劇で、矢島は改めて俳優業への情熱をみなぎらせている。(取材・文=大宮高史)

『夕 -ゆう-』は、作・演出を担当する俳優の宅間が主宰するエンターテインメントプロジェクト『タクフェス』の第12弾。バブルに沸く1980年代の長崎を舞台に、高校生たちの甘酸っぱい青春ラブストーリーとその後の人生を描く。主人公の女子高生・三上夕を演じる矢島は「まさか32歳にして、セーラー服を着るとは」とはにかむ。もとは宅間の劇団『東京セレソンデラックス』で03年に初演され、14年にも再演された人気の作品でもある。

 現在最終稽古真っ只中で、矢島は女子高生役に挑む心境を明かした。

「もうセーラー服と縁はないだろうなと思っていたので、びっくりでした。ポスター撮影でも『高校生に見えるのかな』とちょっと不安はありました。もともと年上に見られることが多いので、先生や大人の役が多くて、学生の役は久しぶりです」

 劇中、1980年代から2000年代初頭までの夕たちの成長を、時系列を行き来しながら同じキャストで描いていく。

「『あいかわ』という民宿が舞台で、夕と幼馴染の相川家の三兄弟を軸にお芝居が進んでいきます。はじめは友達から始まって、恋愛感情が芽生えて複雑な関係になっていく過程を繊細に表現できればなって。学生時代と30代では当然しゃべり方も変わってきますし、年齢を重ねていく過程もナチュラルにお見せしたいです」

 1992年生まれの矢島にとって、生まれる前の1980年代のカルチャーも目新しい。

「宅間さんや(共演の)藤田朋子さんが当時を知っていらっしゃるので、昔の写真を持ってきてくださって勉強になります。夕はファッションが大好きな女の子なので、制服だけでなくどんな衣装が登場するかも見ていただけたら。過去の作品を拝見して、切ないのに温かい物語だと実感しましたので、前作を超える感動をお見せするつもりです」

復帰作へ熱い思いを語った【写真:北野翔也】
復帰作へ熱い思いを語った【写真:北野翔也】

母になっても“体力自慢”は変わらず

 復帰作へ熱い思いを語った。これまで舞台俳優としては、特定のカンパニーにこだわらずに多彩な作品に出演し続けてきた。

「演出家さんが変われば舞台のカラーも変わります。前の舞台で経験したことと違う発見もあり、過去に学んだことが年月を経て役に立ったりします。好奇心を持って真剣に向き合えば毎回発見があるので、今回も楽しみです。何より、私は創作には全く自信がなくて…物語を書ける人ってすごいなと尊敬します。『夕』でもそうですが、伏線があって2度目に見ると、それらがつながってもっと面白くなるような舞台が好きです。演じている側もどんでん返しを楽しみながら舞台に立てます」

 2002年にハロー!プロジェクト・キッズに選ばれて芸能界入り。05年から17年まで女性アイドルグループ・℃-uteでリーダーを務め、解散後はソロ俳優として活躍してきた。

 今年第1子を妊娠し、出産と休業を初めて経験したが、健康面での変化はないだろうか。世の女性が直面する悩みにも「全然、変わっていないんです」と生き生きとしている。

「母になって、(周囲から)体調をよく気遣っていただけるようになったのですが、身体のコンディションは基本変わらず自分でもびっくりしています。アイドル時代から身体を動かすことが大好きでパフォーマンスのために鍛えてきたことはもちろん、本能レベルで体力への自信がついているおかげかもしれません」

 今作はほとんどのセリフが長崎弁で展開され、佐世保での公演もある。「方言指導の方もいらっしゃって、長崎県での公演もあるので恥ずかしくないように」と奮闘中だ。

「母親としては初めてづくしの日々が待っているので『もっと子どもと一緒にいたい』と思う時もありますが、演技のお仕事には携わっていきたいので、子育てもお仕事も頑張って、将来『母ちゃん格好いいぞ!』って思ってもらえる俳優になれたら最高ですね」

 アイドルから俳優へ、20年以上芸能界をひた走ってきたエネルギーそのままに、母になっても格好よい表現者で居続ける。

□矢島舞美(やじま・まいみ)1992年2月7日、埼玉県出身。2002年にハロー!プロジェクト・キッズに選ばれる。05年6月に℃-uteが結成されリーダーに。17年6月の℃-ute解散後は、映像や舞台で俳優として活動。主演舞台に『春のつかこうへい復活祭VOL.2『銀幕の果てに』『フラガール-dance for smile-』などがある。

【公演情報】
タクフェス第12弾『夕 -ゆう-』
11月1日~10日 (東京公演)サンシャイン劇場
11月14日~17日 (大阪公演) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
11月20日 (長崎公演) アルカスSASEBO 大ホール
11月23日 (福岡公演) キャナルシティ劇場
11月29日~12月1日(名古屋公演)ウインクあいち 大ホール
12月12日 (札幌公演) カナモトホール

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