川島海荷、独立後に変化した意識「今までと違う景色を」 心機一転で迎えた節目の30歳

インスタントラーメンを作るまでの3分間を延々とループするという不思議なドラマ『インスタントループ』が23日からショートドラマ配信アプリ「BUMP」で配信されている。同作で“復讐”を繰り返す30歳のOL・優子を演じたのが川島海荷だ。独立して新たなスタートを切った1年。30歳という節目の年を駆け抜けた彼女に今を聞いた。

『インスタントループ』で主演を務める川島海荷【写真:ENCOUNT編集部】
『インスタントループ』で主演を務める川島海荷【写真:ENCOUNT編集部】

30歳を迎えるも結婚願望はナシ「誰からも心配はされません(笑)」

 インスタントラーメンを作るまでの3分間を延々とループするという不思議なドラマ『インスタントループ』が23日からショートドラマ配信アプリ「BUMP」で配信されている。同作で“復讐”を繰り返す30歳のOL・優子を演じたのが川島海荷だ。独立して新たなスタートを切った1年。30歳という節目の年を駆け抜けた彼女に今を聞いた。(取材・文=中村彰洋)

――ショートドラマという新たな作品へのご出演となりましたが、いかがでしたか。

「BUMPさんで配信しているドラマは男女のディープなお話が多いイメージでしたが、台本を読んだら、今までとは全く違ったお話でシンプルに面白かったです。3分ドラマという形も今までにやったことのないものだったので、好奇心もあいまって、ありがたく出演させていただくことになりました」

――BUMPの作品は撮影期間がとてもタイトなイメージがあります。

「撮影自体は3日で短かったです。私が演じた優子は全部のシーンに出てくるので、休む暇もなく撮り続けていました。1日が長かったです(笑)。ループする話なので、場所も変わらず、同じセリフが繰り返されるので、『今は何回目なんだろう?』と思いながら、目が回っちゃう感じでした(笑)。ループの始まりはいつも同じなので、周りの方は10回以上も同じ言い方で私に話しかけなければならなかったので大変だったと思います」

――ショートドラマという点で、他の作品との違いを感じることはありましたか。

「間延びしすぎないように、テンポよくリアルな会話を意識しました。優子だけがループしていて、それも3分しか戻れないので、1人でバタバタと動いている感じもコミカルでこの作品ならではの面白さかなと思います。

 私もインスタグラムで切り抜き動画を見たことがありますが、若い方からの需要や時代の変化を感じます。私は最近ようやくサブスクを受け入れられるようになったぐらいなんです(笑)。昔からドラマが大好きで、毎週リアルタイムで楽しみにしていました。今はどんどん便利になって、気軽に見られるのはいい傾向なのかなと思います」

――今回演じた優子は、川島さんと同い年です。年齢を重ねて役の幅も広がっていますね。

「もともと実年齢より若く見られることがコンプレックスだったんです。でも今は、何歳に見られるとかはあまり気にならなくなりました。年齢は重ねていますが、自分の中の感覚や軸になる部分はあまり変わっていないので、まだまだお子ちゃまだなと思います。思い描いていた大人にはなれていませんが、すごく充実しています」

――軸が変わってないっていうのはどういったところでしょうか。

「頑固で負けず嫌いな部分ですね。YESとNOがはっきりしていて、何をやるにしても自分の中で納得したいんです。多少は柔軟になりましたが、その部分は変わってないと言われることが多いです。社交辞令とかも苦手で(笑)。現場の雰囲気で『今度飲みに行きましょう』と言われても、社交辞令だなと思ったら『行きましょう』と意地でも言わずに、『あ~、はい』みたいな感じになっちゃいます(笑)」

――うそをつけないんですね。

「どうなんでしょうね。愛想が悪いなと自分で思ったりもします(笑)。でも、ちょっと気が強い私でも許してくれる人が周りには多いので、助けられています」

――台本を受け取って「あ、私30歳なんだ」と思うことなどはありますか。

「今回は旦那さんに不倫されていますが、若い頃にはなかった役ですよね。でも、私の周りの子もどんどん結婚や出産を経験して、生活が変わっているので、そういうタイミングだということは自覚しています。私も流れに乗って、しれーっとそういう役をやっています(笑)」

――出演作品内で、結婚生活を送られたり、ウエディングドレスを着たりもされていますが、結婚願望はいかがですか。

「結婚願望は元々なくて、新たに生まれるとかもないですね。頑固な一面を包み込むのは、大変だと思います(笑)。ただ、結婚して幸せそうな友達を見ていると『いいな~』とは思います。タイミングなんですかね? 呑気な感じですが、元々がそういう人間なので、誰からも心配はされません(笑)」

仕事の合間に海外へ「旅行するために働いている」

――昨年末に独立、30歳を迎えて過ごした1年はいかがでしたか。

「とてもいい環境でお仕事をさせてもらっているなと感じました。前の事務所からは離れてしまいましたが、たまに心配して連絡をくださることもあります。今はいろんなジャンルの仕事にも挑戦できていて、すごく恵まれているし、もっと頑張らなきゃいけないなと感じています。今までとは違う景色を見られたらいいなと思いますし、日々進化していきたいです」

――なぜ独立を決断されたのでしょうか。

「年齢的なタイミングが大きかったです。12歳から事務所に守ってもらいながら、ここまで続けてきました。でもふとした時に、『私は社会を知らないんだ』とちょっと怖くなってしまったんです。『これをやりたい』という欲も段々と減ってきて、それは良くないなって。自分を客観的に見てみたいとも思い、『何かを変えるためには一度外に出てみないと』と考えました。

 事務所の方に相談したら、『ここまで頑張っていろんな経験もしてきたし、また新しい挑戦かもね』と背中を押してくださいました。年齢を重ねるとどんどん腰が重くなって、若い頃のような行動力がなくなってしまうなと思い、決断しました」

――独立されてご自身で動くことも増えたのではないでしょうか。

「経理などの事務的な作業は増えました。現場にも自分で行くので、入り時間や場所を間違えてしまったり……。本当に忘れん坊なんです(笑)。自分の車で現場に行く時も道の混み具合を見誤ったり、今までいかにいろんな人に頼って生きてきたかを実感しています」

――新しいことばかりの1年でしたね。

「大変だけど楽しいです。頑張った分、達成感もあります。今までは事務所に頼りっぱなしにしていた、お仕事を次につなげていく部分の責任感もあるので、『やってやるぞ!』と気合いが入ります」

――プライベートと仕事のバランスにも変化はありましたか。

「仕事中心は変わりませんが、スケジュールも詰め詰めではないので、マイペースに働けているのかなと思います。旅行が大好きなので、お仕事の合間に海外旅行したり、楽しめています」

――過去には世界一周をしてみたいとも発言されていましたね。

「旅行するために働いているみたいなところがあります(笑)。自分が知らない世界をたくさん見て、感じてみたいです。『来年はどこ行こうかな』ともう考えています。日本と真逆のような場所に行きたいですね。いつもスケジュールに突然、『ここは海外に行きます』と勝手に書き込んでマネジャーさんを驚かせているので、今回はちゃんと計画的に行きたいです」

――役者としての今後のビジョンはございますか。

「私はこの仕事以外できないと思います。他に向いている仕事があるのかと考えたこともありましたが、周りの人に聞いても『無理じゃない?』って(笑)。なので、他の仕事はできないという結論にたどり着きました。役者は刺激的な仕事で、これに勝るものはないなと感じます。セリフを覚えられる記憶力がある限りは続けていたいです」

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