“裏金夫婦”が落選 丸川珠代氏「どうかお助けください!」“泣き落とし作戦”が意外な成果も…猛烈な逆風

衆議院選挙は27日投開票され、東京7区で自民党公認の丸川珠代元五輪担当相、夫で埼玉9区の大塚拓氏がともに立憲民主党の候補に敗れ、そろって落選した。ネット上で「裏金夫婦」として批判を浴び、逆風は想像以上だった。ともに比例代表への重複立候補は禁止され、議員バッジを失った。

丸川珠代氏【写真:ENCOUNT編集部】
丸川珠代氏【写真:ENCOUNT編集部】

「裏金議員に鉄槌」 夫婦そろって立憲民主党の候補に敗れる

 衆議院選挙は27日投開票され、東京7区で自民党公認の丸川珠代元五輪担当相、夫で埼玉9区の大塚拓氏がともに立憲民主党の候補に敗れ、そろって落選した。ネット上で「裏金夫婦」として批判を浴び、逆風は想像以上だった。ともに比例代表への重複立候補は禁止され、議員バッジを失った。

「よい結果が出せなかった。しっかりと皆様にご信任をいただくことができず、まことに申し訳ございませんでした。この問題が起きてから今に至るまでの我が党の対応に対して国民の皆様、地域の皆様の理解が得られるような状況になかったということだと思います」

 立憲の松尾明弘氏に敗れた丸川氏は力不足を認め、淡々とした表情で語った。

 政治資金収支報告書への不記載額は822万円と高額。参院からのくら替えで港区・渋谷区で支持を訴えたが、街頭演説のスケジュールを公表せず、支持者からも「途方に暮れている」との声が上がった。さらに「どうかお助けください!」となりふり構わず叫ぶ様子が物議を醸し、批判が殺到。幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏はXで「なんで散々税金払った上にあなたを助けなきゃいけないんだよ。根本的になにか勘違いしてないか? 確か僕の選挙区だったから絶対に投票しない」と苦言を呈していた。かつて自らが使った「愚か者めが」のフレーズもブーメランとなった。

小林鷹之氏(中央)の応援を受けた大塚拓氏【写真:ENCOUNT編集部】
小林鷹之氏(中央)の応援を受けた大塚拓氏【写真:ENCOUNT編集部】

“泣き落とし作戦”については、同選挙区の野党陣営が「安倍昭恵さんが応援に来て丸川さんが泣いたじゃないですか。『必死にやってるから伝わってきた』という電話が事務所にあったんです。普通ドン引きだと思うんですけど、丸川は必死にやっているのにお前はなんだっていう電話もあったので、そういう受け止めもあるのかと」と話すなど成果もあったようだが、フタを開ければ午後8時の開票開始後1分で落選が確定。選挙活動最終日は石破茂首相も応援に駆けつけたが、劣勢をはね返すことはできなかった。

 一方、夫の大塚氏も議席を失った。994万円の不記載があり、裏金問題が尾を引いた。立憲の杉村慎治氏に敗れ、「この選挙の結果、まことに申し訳なく、皆さまにおわび申し上げます」と支援者に謝罪した。自民党の手厚い支援を受け、“コバホーク”こと小林鷹之元経済安全保障担当大臣や小野寺五典政務調査会長も駆けつけた。

 ただ、陣営からは「公認は得ているけど、メディアの報道の影響が大きい。どうしてもご批判につながってしまう」と裏金問題を大々的に報道するメディアへの恨み節も漏れた。小林氏も「経験したことのない大逆風」と危機感を募らせていた。対する立憲は野田佳彦代表が応援に入り、「裏金議員に鉄槌を下そうじゃありませんか」と強調、杉村氏に追い風を吹かせた。

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