A.B.C-Z戸塚祥太が初のソロライブ開催 「みんなで幸せになろう」と伝え続けた公演をレポート
A.B.C-Zの戸塚祥太が26日、東京・Zepp Hanedaでコンサート『Solo Tour 2024 guerrilla love』を開催した。戸塚のソロプロジェクト名「guerrilla love」を冠した自身初のソロツアーであり、22、23日は大阪・心斎橋BIGCATで公演。この日も熱いステージを展開した。
バンドスタイルでのライブ
A.B.C-Zの戸塚祥太が26日、東京・Zepp Hanedaでコンサート『Solo Tour 2024 guerrilla love』を開催した。戸塚のソロプロジェクト名「guerrilla love」を冠した自身初のソロツアーであり、22、23日は大阪・心斎橋BIGCATで公演。この日も熱いステージを展開した。
(取材・文=ふくだりょうこ)
開演前のアナウンスが終わると、会場のファンからは手拍子と「とっつー」のコールが起きた。定刻になると、BGMの『Love Me Tender』が鳴り響く。バンドメンバーに続き、戸塚がサングラスをかけ、ドリンクを手に登場。大きな歓声が上がると、戸塚が大きく両手を挙げた。
ギターを手にマイクの前に立つ。重低音が空気を震わせる。1曲目の『Guerrila Love』から一気に観客の心をわしづかみにした。
サングラスを外すと「みなさん、guerrilla loveへようこそ! 歌って踊ってジャンプして、幸せになろう」と呼びかけ、2曲めの『ドラマ』へ。観客に「飛べるかい? ジャンプしようか」と伝え、会場が躍動すると「120点! 今日はこのメンバーと会場にいるみんなで幸せになろうね」と呼びかけた。
次第に熱が高まっていく中、そこから自身のソロ曲を立て続けに歌い上げた。バンドメンバーと目を合わせながらギターをかき鳴らし、力強さもさわやかもある多彩な歌声を響かせた。
曲間には男性の声で「とっつー、かっこいい!」と声が上がった。そして、戸塚に促され、観客は手拍子。早くも会場が一体となった。
冒頭だけでもさまざまな戸塚の楽曲のカラーを見せたところで、「みなさん今日はありがとうございます」と言い、MCが始まった。
「見ての通り、バンドスタイルでやらせてもらっています。ライブハウスということで、僕たちのファンの中に不慣れな方もいらっしゃるかと思うんですけど……呼吸できてますか」
ファンが元気に「できています」と返すと、戸塚は「みんなも自由に歌って踊って騒いでほしいと思います」と呼びかけた。
続けて「今日のためにまだまだ新曲を用意しています」と言い、バンドメンバーを紹介。「今日はこのメンバーと、フロアにいるみんなと一緒に幸せになるよ」と伝え、タイプの異なる2曲を披露した。最初の『Departed』では、バンドメンバーと一緒にステップを踏み、表情豊かにパフォーマンス。続く『約束』ではギターを手にし、艶やかに歌い切った。
洋楽のカバーも披露し、「大人っぽい雰囲気、良い感じのムードになってきたと思うので、このあたりで詩を読んでいきたいと思います」とPoetryコーナーへ。戸塚自身が作った詩や尊敬する詩人・黒川隆介氏の詩集「火の玉」から作品を生バンドのBGMとともに朗読した。
ライブでは異例の取り組みで、途中からは黒川氏も登場。2人による朗読を観客は聴き入り、その世界観を噛み締めた。朗読を終えると、戸塚は「これでguerrilla loveメンバーが全員集合しました」とアピール。黒川氏は戸塚の詩に感銘を受けたと明かし、「あらためて素晴らしい詩人・戸塚祥太に拍手を」と呼びかけた。そして、やり取りを続けた。
黒川氏「詩人をサブライズで初のライブで出したいってめちゃくちゃ変わってると思うよ。もっと華やかな人いるからね」
戸塚「詩人は一番華やかですよ。自分の言葉を紡いで、世界や世間のことを翻訳してくれるわけですから」
互いに尊敬、信頼している関係を感じさせる会話。その様子を観客が笑みを浮かべながら見守った。
黒川氏「この会場を見れば、戸塚祥太というアーティストがどういう風に成り立っているか、一つひとつが視覚化して見えているので僕自身も圧倒され、感動しました。本当に素晴らしいです。君は」
戸塚「ありがとうございます」(照れくさそうに)
バンマスのPAKshin(key)も、戸塚のパフォーマンスを絶賛した。
「リハーサルの日にできなかったことが、次の日にはできるようになっているんですよ。これはバンド業界ではなかなか見たことないぐらい素晴らしいミュージシャン」
SMAPの『Fly』、錦織一清の『Replicant Resistance』をカバー
そして、戸塚は「尊敬している先輩方の曲をカバーさせてもらいたいと思います」と言い、歌い始めたところで演奏をストップし、苦笑いした。
「一つ伝えるのを忘れていました。ここから3曲はスマホで撮影可能です」
観客はスマートフォンを構えると。SMAPの『Fly』、錦織一清の 『Replicant Resistance 』をカバー。自身の楽曲『Lonely Dancer』も披露した。
さらに華やかなライティングのもと、戸塚は汗を滴らせた。『If you don’t know break up you don’t know love』で表現力豊かなダンスパフォーマンスを見せると、「まだまだいけますか!」と呼びかけ、ラストスパートへ。ギターをかき鳴らし、歌声を響かせた。観客もそれに呼応して腕を振り上げた。一体感はさらに高まり、本編全16曲を駆け抜けた。
その後、大きなコールに呼ばれ、再登場した戸塚は「名前を呼んでくれてありがとうございます」と感謝を伝えた。そして、「呼吸できてますか。居心地悪くないですか」と確認。「子どもの頃、友達の家に招かれて遊びに行ったけど、ちょっともう帰りたいな……みたいな感じになってないですか」と独特の例えで問いかけると、客席からは「最高!」のレスポンス。戸塚はそれにほほ笑んで「はい。最高! ありがとうございます」とうなずいた。
アンコールで披露する曲については「こんなこともあろうかと、準備していた曲があります」と切り出した。
「たくさんの曲を歌わせていただきましたけど、自分が一番リスペクトしている、尊敬している、世界で一番かっこいいと思っているそんなグループの曲を歌いたいと思います。みなさんも多分、知っている曲だと思います。知らなかったら、ごめん!」
披露したのは、A.B.C-Zの楽曲『頑張れ、友よ!』。戸塚、バンドメンバー、客席、一体となり、最後を締めた。歌、演奏、詩の朗読、ダンス。ソロの戸塚はあますところなく、自身の魅力を見せつけた。