ホステス、ギャル、キャバ嬢…寺本莉緒、22歳の思わぬ路線変更 挑戦続ける貪欲な姿勢
俳優の寺本莉緒がNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)で初の朝ドラ出演を果たした。元ギャル・大河内明日香役という重要な役どころを任されたが、「プレッシャーは感じない」と強心臓ぶりを見せている。話題作への出演が続く22歳の素顔に迫った。
目指すは「悪い女といえば寺本莉緒」のイメージ像
俳優の寺本莉緒がNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)で初の朝ドラ出演を果たした。元ギャル・大河内明日香役という重要な役どころを任されたが、「プレッシャーは感じない」と強心臓ぶりを見せている。話題作への出演が続く22歳の素顔に迫った。(取材・文=中村彰洋)
初の朝ドラ出演で寺本が演じるのは、主人公・米田結(橋本環奈)の姉で、“伝説のギャル”だった歩(仲里依紗)のライバルという役どころ。ド派手な金髪姿で作品の世界観にアクセントを加える。
寺本といえば、デビュー当初は清純派なイメージもあったが、『サンクチュアリ -聖域-』(Netflix)でのホステス姿が“ハマり役”として大きな話題に。その後も、売れっ子キャバ嬢やホストに貢ぐデリヘル嬢、直近でも『Qrosの女』(テレビ東京)で不倫するアイドルを熱演した。そして今作では元ギャル役と、ここ数年で派手な女性を演じることが増えている。
「私もまさかこういったオファーをたくさんいただけるとは思っていませんでした。自分でも清純路線なのかなと思っていたんですけど(笑)。でも、こういう役を演じられることは、とてもうれしいんです。悪い女を極めて、“悪い女といえば寺本莉緒”みたいなイメージを作り上げたいです。嫌われ役でもなんでもやってやるぞって気持ちです!」
慣れない役や話題作への出演が続いているが、「あまりプレッシャーは感じない」と肝の座った一面をのぞかせる。「私自身の性格もポジティブで“ギャルマインド”なんです」。
寺本が役者の道を志したきっかけは、中学時代に友人の舞台を観劇したことだった。「キラキラしている女優さん」に憧れ、芸能界に飛び込んだ。現在では、舞台に映像作品、グラビアとさまざまなフィールドで活躍を続けている。
寺本が大事にしていることは「オン」と「オフ」の切り替え
そんな寺本が仕事を続けていくうえで重要視しているのが「オン」と「オフ」の切り替えだ。
「オフの時は変装もせず、犬と散歩したり、居酒屋や銭湯に行ったりと普通の日常を送っています。そういう時は、携帯もほとんど触らないですし、仕事の連絡もあまり見ないようにしています。マネジャーさんもオフの日を意識してくださっていると思います。本当に普通の生活をするだけで、リフレッシュできるんです。街を歩いていても誰にも気付かれないです(笑)」
1度仕事モードのスイッチを切ると、家族や友人と仕事の話はほぼしないという。「仕事モードの自分と素の自分という2つの顔があって、仕事モードの時は仕事のことだけ、素の時はプライベートのことだけしか考えないので、興味がなくなるんですよね」と笑う。
3月には大学を卒業し、新生活もスタートした。生活リズムが大きく変わったが、特に意識に変化はないようだ。「時間の使い方が変わったぐらいです。大学に費やしていた時間がなくなった分、いろいろなことができる環境になりました。自分を見つめ直す中で、やりたいものが明確になっていきました」。
出演作品の数も徐々に増えてきたが、与えられた役割をこなす瞬間に、やりがいを感じている。
「私は、与えられた台本をもとに芝居をやっているという感覚が好きなので、作っていく過程が楽しいんです。なので、自分が出ていてる作品を見ることはあまりないです。もちろん反響が大きければ大きいほどうれしいですが、あまり気にしていないです」
今後も「求められるものは何でもやりたい」と貪欲な姿勢を見せる。「出演作が増えたからといって満足しているわけではありません。グラビアでもバラエティーでも求められるものに挑戦していきたいです。でも、お芝居はすごく楽しいので、続けていきたいですね」。
ハキハキと自分の考えを口にしながら受け答えする姿は、落ち着いた雰囲気を醸し出している。「『まだ22歳なんだ!?』とよく言われます。でも30歳になっても考え方は変わっていないと思います」。持ち前の“ギャルマインド”を胸に、自分にうそをつかず、ブレない軸で前へ進み続ける。