賀来賢人、竹内涼真と語り合った“世界への意識” 『龍が如く』で共鳴「そういう話が合う人いない」
俳優の賀来賢人が、25日よりPrime Videoで世界独占配信されるAmazon Originalドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』(全6話)で、主人公・桐生一馬(竹内涼真)のライバルであり兄弟分・錦山彰役を演じている。主演を務めた竹内はじめ共演者との撮影秘話とともに、本作への思いを聞いた。
25日配信スタート『龍が如く ~Beyond the Game~』
俳優の賀来賢人が、25日よりPrime Videoで世界独占配信されるAmazon Originalドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』(全6話)で、主人公・桐生一馬(竹内涼真)のライバルであり兄弟分・錦山彰役を演じている。主演を務めた竹内はじめ共演者との撮影秘話とともに、本作への思いを聞いた。(取材・文=猪俣創平)
本作は、株式会社セガの大ヒットゲーム「龍が如く」シリーズを基にしたオリジナル脚本で制作。竹内演じる“伝説の極道”桐生一馬の生きざまを、ド迫力かつエモーショナルに描くクライム・サスペンスアクションだ。
「本当にいいタイミングで出合えた」と、賀来は今作のオファーが届いた2年前をこう振り返る。「『龍が如く ~Beyond the Game~』は、事務所から独立して一発目に決めた仕事なんですよ。“日米クリエイター『龍が如く』のオリジナルドラマを制作する”という文言だけを見て、『あ、絶対にやる』と。すごくワクワクしたので、絶対に出ようと決めました」。
演じる錦山(錦)は、桐生と児童養護施設「ひまわり」で一緒に育った後にライバルとなる兄弟分であり、ゲームでも人気を誇る重要キャラクター。賀来自身、台本を読んだ際に「一番やりたいと思ったのが錦山だったので、共感というか、すごくシンパシーを感じていました」と役への印象を語る。
今作では、桐生と錦山が極道の世界に身を置くことになったところから、それぞれの生きざまを1995年と2005年の2つの時間軸を交差させながら描かれる。10代の少年時代と、若くして極道の世界でのぼりつめていく青年時代を演じ分けることになったが、ドラマの時系列に従った“順撮り”だったため「錦山の線に沿って成長できたんです」とスムーズに撮影を進めた。
撮影は昨年夏に行われ、演じる上では「すごく体力と気力、精神力を使う役だったので、毎日ぐったりしてました。真夏だったし」と苦笑交じりに回想する。それでも、ドラマシリーズ『全裸監督』で知られる武正晴監督が指揮を執った現場は「勢いと言葉の魔術師です。すごく面白い体験で、僕は大好きです」と振り返る。
その中でも印象的なのは05年、組長に出世した錦山を演じた際の“極道シーン”で、「やっぱり男のロマンがありますよね」と本作ならではの体験だったという。
「自分の知らない世界で、“ヤクザ”の世界ならではの日本独特のカルチャーも体験できて、しかも組長になる。みんなを引き連れてバーって歩くシーンがあるんですけど、あれは気持ちよかったですね~。こんな強面の人が俺みたいなやつに付いて来てくれるわけですから(笑)」
共演した河合優実を称賛「素晴らしい存在感」
そんな本作では、桐生と錦山の2人の関係性も物語の大きな軸となる。数多くのシーンを共にした竹内の印象を聞くと、「彼が主演で良かったなって思いました」と、俳優としての姿勢に賛辞を送る。
「本当に好青年でした。それでいて真面目でストイックで、すごく向上心が高くて……不器用な部分もあるんですけど、それがすごく桐生一馬という役に合っていたし、姿勢で現場を引っ張るようなタイプの座長だったので、僕も彼を支えてあげたいなって常に思えました。いい男っすよ」
竹内への厚い信頼を口にすると、撮影が終わった今も交友関係が続いていると明かし、「久々に馬が合う、現場でもいっぱいおしゃべりした俳優さんですね」と言葉を続ける。2人の間では、どのような会話がされていたのだろうか。
「作品のクオリティーをどう上げていくかみたいな話から、プライベートの話、あとは業界のこととか。これも世界配信ですし、日本の芸能をどう世界にアクションしていけばいいんだろうね、みたいな話はしていました」
賀来自身、すでに世界配信されているドラマシリーズ『忍びの家 House of Ninjas』で主演・原案・プロデュースを務めるなど、世界を意識した作品作りに強い思いをもっている。
「結構、俳優同士でそういう話が合う人っていないんですよ。彼もチャレンジすることを恐れないし、僕も危険に飛び込むのが大好きなタイプだから、そういう話で盛り上がったのかもしれないですね」
また、本作のメインキャラクターの一人、桐生や錦山の幼なじみで家族思いの澤村由美を演じるのは、ドラマ『不適切にもほどがある!』への出演で一躍注目を集めた河合優実だ。その後も次々と話題作に出演する彼女だが、今作で初共演だった賀来も昨年の撮影時点で、その才能に舌を巻いていた。
「本当に素晴らしい存在感で、落ち着いていて、竹内くんとも『すごいね』って話はしていたんですよ。僕は正直、今回ご一緒するまで存じ上げていなかったんですけど、すごく自分なりの表現をしていて、すごい人になると思いました。今、もうすごい人なんですけど(笑)。すごいっすよ。めちゃめちゃいい」
竹内や河合のほかにも、今作には森田望智、唐沢寿明、佐藤浩市、高岡早紀ら豪華キャストがそろった。賀来にとって、「俳優さんたちはほぼ全員初共演」という新鮮な現場だったと明かし、「出会った皆さんがすごくすてきで、すごい才能を持っていて、まだまだいくらでもこういう出会いってあるんだろうなって、今回すごく思いましたね」としみじみと話す。
「竹内くんとも、武監督とも素晴らしい出会いだったと思っているし、今後もこういう出会いができるように頑張らないとな」と今作をきっかけに刺激も受けた。事務所独立後、新たなスタートを決めた『龍が如く ~Beyond the Game~』は、賀来にとって特別な一作になったようだ。
□賀来賢人(かく・けんと)1989年7月3日、東京都出身。2007年に映画『神童』で俳優デビュー。映画『銀色の雨』(09)で初主演を務める。以降、映画、ドラマ、舞台とコンスタントに出演を続けると、主演を務めたドラマ『今日から俺は!!』(18)で大ブレイク。近年の主な出演作は、映画『新解釈・三國志』(20年)、ドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(21)、Netflixシリーズ『忍びの家 House of Ninjas』(24)、ドラマ『錦糸町パラダイス~渋谷から一本~』(同)など。今年12月には映画『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団』の公開を控える。
スタイリスト 小林新(UM)
ヘアメイク 藤原羊二(UM)
▼衣装クレジット
ジャケット6万9300円 ブリエンヌ×イレーヴ、カットソー1万5400円 Y、パンツ5万8300円 イレーヴ(以上全てイレーヴ 03-5785-6447)、リング(全て本人私物)、その他(スタイリスト私物)
猪俣創平