【#今こそひとつに】総合格闘家・堀口恭司が伝える生きにくい世の中のサバイバル術「好きな人に努力を注ぐ」

「嫌いだと思っている人は嫌いなままだろうし、好きだと思ってくれる人はいる」

「ジムにはいろいろな人種の方がいて、多分、全種類揃ってます(笑)。でも、自分らはそういう差別とかなく、仲良くやっていますよ。認めあってますし、同じチームなんで。やっぱり同じ人間なんで、肌の色が違うとか小さいことで揉めないで、こんな世の中なんだから一丸となって仲良くすればいいのにと思います」

 フロリダに拠点を移して以来、「もう助けてもらいっぱなしですね」と笑う。銀行口座を開くにも、家を購入するにも、ジム仲間の助けなしには成し得なかった。「最初は言葉も通じなかったので、すごく苦労しました」と言い、「自分一人では今の状況は作れなかった」と感謝の気持ちでいっぱいだ。

「世界は人と人との繋がりで成り立っている」と話す堀口が、人付き合いの中で重点を置くのが「自分のことを好きだと思ってくれる人を大切にすること」だ。最近ではSNS上で匿名という仮面に隠れた誹謗中傷が問題視されているが、もちろん堀口にも“アンチ”はいる。インターネット上でネガティブなコメントを見かけることもあるが、「それがなくなるのは難しいと思いますよ」と話す。

「やっぱり人それぞれ考えはあるので、目立つ人に嫌悪感を抱く人はいるだろうし、それはしょうがない。自分は何を言われようが『そういう意見もあるんだ』と思って流すくらいですよ。悪いところは悪いで指摘してくれる声がないのは、それはそれで良くないことなんで。ただ、気にしません(笑)。どんなに自分が思い悩もうが、嫌いだと思っている人は嫌いなままだろうし、好きだと思ってくれる人はいる。嫌いだという人を好きにさせる努力はしない方がいいですよ。逆に、その努力を好きだと思ってくれる人に注いで、より好きになってもらえる方がいい。嫌いだったら『いいよ、じゃあね』って、自分は単純に2択しかないです」

 全員に好かれる必要はないし、合わなければ距離感を保てばいい。ただ、自分を好きだと思い、背中を押し、サポートしてくれる人たちを、もっともっと大切にしたい。シンプルかつストレートな堀口の想いとメッセージは、現状に息苦しさを感じる人たちの心が少し軽くなるヒントになりそうだ。

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