181cm91kg…ドイツ出身21歳の“大怪獣”ボジラとは何者なのか ベイダー、ハンセン彷彿の存在感「光栄よ」

今年5月に初登場して以来、令和女子プロレスにおける、圧倒的な存在感を示しているのが“大怪獣”ボジラである。公になっている情報によれば、ドイツ出身の21歳。身長181センチ、体重91キロ。24日にはマリーゴールドの後楽園ホール大会で、王者Sareeeの持つワールド王座に挑戦する。話題騒然の“大怪獣”を直撃した。

令和女子プロレス最大のインパクトをもたらした“大怪獣”ボジラ
令和女子プロレス最大のインパクトをもたらした“大怪獣”ボジラ

会見中に“大怪獣”が一瞬宙を舞い、強烈なタックルを仕掛けた。

 今年5月に初登場して以来、令和女子プロレスにおける、圧倒的な存在感を示しているのが“大怪獣”ボジラである。公になっている情報によれば、ドイツ出身の21歳。身長181センチ、体重91キロ。24日にはマリーゴールドの後楽園ホール大会で、王者Sareeeの持つワールド王座に挑戦する。話題騒然の“大怪獣”を直撃した。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 初めてボジラの試合を見たのは、5月20日に後楽園ホールで開催されたマリーゴールドの旗揚げ戦だった。その際、ジュリアと林下詩美という同団体の「最強」に位置する二人を相手に、一切寄せつけないほどの強さを披露した。その雰囲気は、かつての“皇帝戦士”ベイダーや“不沈艦”スタン・ハンセンに酷似。いや、それ以上のインパクトを残した。ボジラはそういったレジェンドファイターに感じたイメージを持たれていることをどう思っているのか。

「そのカテゴリーに私がいると思われることを光栄よ。ベイダーやスタン・ハンセン、そして他のみんなと同じように。私もその中に一緒に入っていたいと思うわ。ただ、私はまだまだこの世界が見たことがないものをたくさん持っているの。自分のできることのまだ半分も出していないから。だから、これから少しずつそれを明かしていくつもりよ」

 ドイツなまりの英語を駆使しながら、そう話したボジラ。いつから来日を考えていたのか。ゆっくりと語り始めた。

「私はいつもプロレスを見るのが大好きだったの。だからスターダム時代のジュリアやウタミ(林下詩美)の試合や他の選手たちの試合を見ていたのよ。彼女たちのスタイルが好きだったの。そして、私は必ず日本に行く。絶対に行くと思っていたから、今の状況は、私にとって夢が叶ったことになるの。本当に感謝しているわ。だから、私はしばらくここにいたいと思っているのよ」

 15日には都内で、王者Sareeeとのタイトル戦に向けた会見が実施されたが、会見中、ボジラはすっくと立ち上がると、マイクを使って「私は今まで日本に来た外国人レスラーの中で最大・最強・最悪、そして最も頭がキレる“モンスター”だ」と口撃を開始したかと思えば、ひと通り言いたいことを言い放った次の瞬間、Sareee目がけてまさかのスピアー! つまり“大怪獣”が一瞬宙を舞い、強烈なタックルを仕掛けたのだ。

ボジラは24日、後楽園ホールでSareeeの持つMGワールド王座に挑戦する
ボジラは24日、後楽園ホールでSareeeの持つMGワールド王座に挑戦する

「私は私はアンドレでもハンセンでもない。違う種族(生物、品種)だ」(ボジラ)

 慌ててマリーゴールドの選手5、6人がボジラを止めに入り、やっとの思いでSareeeから引き剥がした。ボジラがこれを振り返る。

「Sareeeはあらゆることに備える必要があるのに、彼女はそんなことを予想していなかったでしょう。だから、あれを防げなかったのは彼女のせいよ。つまり彼女は怠け者か、反撃するほど強くないんじゃないのかな。私はいつ何時、闘う準備ができているわよ」

 ちなみにSareeeはボジラ戦に向け、自身を尊敬するアントニオ猪木に見立て、“大巨人”アンドレ・ザ・ジャイアント戦の映像を見ながら、大型ファイター対策を研究していることが公にされている。

 これについては、「彼女は好きなものを観ればいい。私はアンドレ・ザ・ジャイアントでもスタン・ハンセンでもない。私は何者でもない。私はボジラ。違う種族(生物、品種)だ。世界が見たことのないものだから。彼女が何を見せてくれるのか楽しみね。でも彼女は私には絶対に勝てない」と豪語する。

 ボジラが赤いベルトを巻きたいことは理解できた。では今後に関してはどう思っているのか。

「その答えは簡単よ。私はずっと赤いベルトをキープするわ。それと、私と今、チームを組んでいるノザキサマ(野崎渚)が白いベルトを勝ち取るし、CHIAKIサンもベルトを狙うかもしれな。彼女がスーパーフライ級のベルトを狙うかどうかはまだわからないけどね。でも、彼女とノザキサマがチームを組んでタッグタイトルを狙うかもしれないしね。とにかく、私たちが最強だし、私は世界がかつて誰も見たこともないほど強くて、一番ハードヒットなファイターだってことは間違いないわ」と答え、自身の周りの選手たちとマリーゴールド制圧を思い描いていることを明かした。

 ちなみにボジラの勢いと快進撃はすざまじく、マリーゴールド勢はいいようにやられているが、それでも青野未来とのUN王座決定戦(7月30日、両国国技館)ではまさかの不覚を取った。これに関してボジラは、「まず第一に、彼女は本当に私を倒したわけではない。彼女はただのロールアップした(丸め込んだ)だけ。それは誰かを倒したとは言わない。本当に誰かを倒すなら、相手を持ち上げてマットに投げつけなければならない」と話すと、「ちゃんと3カウントを入れて勝たないと。あんなのは負けでもなんでもないわ」と続けた。

ボジラ「Size does matter(サイズは重要)」

 また、ここまで話したボジラは、思い返したようにこう言い放った。

「ああ、そうだ、私は白い(UN)ベルトを取らなかった。でも、それがどうしたの。それは私が赤いベルト(Sareeeの持つワールド王座)を手に入れるべきというサインだったのよ。私は必ず赤いベルトを手に入れる。あれは私にふさわしいベルトよ」

 実はボジラに土をつけた相手がもう一人いる。自身のベストバウトはそれだと打ち明けた。

「一番面白かった試合は、ナナエ(高橋奈七永)戦だったわ。2回試合をした(1勝1敗)けど、どちらの試合も素晴らしかった。素晴らしい相手よ。彼女とリングに立てることを光栄に思うわ。同じリングの上で彼女とリングを共有できて。特に彼女との2回目の試合(9月16日、後楽園ホール)は、私もパッションがあふれ出てきたと思うわ。試合中ずっと、言葉では言い表せないような気持ちだったから」

 そして改めてボジラはSareeeに対し、吐き捨てるようにこう話した。

「Sareee! あなたは会見で起こったことに対して準備ができていなかった。おそらく私たちが後楽園ホールで、赤いベルトを賭けて闘う時に何が起こるかについても準備ができていないだろう」

 ボジラとしてはその手始めに、24日にSareeeから赤いベルトを奪取するつもりだが、勝負タイムはどの程度を想定しているのか。

「いい質問ね。長くするか短くするか、それは私次第じゃないかしら。でも、Sareeeを倒すのに時間はかからないわ」

 そして最後に、ボジラは王者Sareee打倒を改めて宣言した。

「Size does matter(サイズは重要)――やっぱりサイズは関係あるでしょう。だから、これはただのキャッチフレーズではなく声明だと思って。私がお前を倒したら、私はお前のオデコに『SDM(Size does matter)』と書いてやる。そうしたら、いつも私のことを忘れないでしょ。覚悟しとけ!」

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