裏金問題で逆風の萩生田光一氏 演説中にヤジも…“動員力”は健在 有権者「聴衆の数が全然違う」

衆院選が15日に公示された。東京24区では無所属で立候補した萩生田光一元政調会長がJR八王子駅北口で第一声を上げた。

無所属で立候補した萩生田光一氏(右)【写真:ENCOUNT編集部】
無所属で立候補した萩生田光一氏(右)【写真:ENCOUNT編集部】

八王子駅前で第一声 裏金問題を謝罪 「不快な思いをさせた皆様におわび」

 衆院選が15日に公示された。東京24区では無所属で立候補した萩生田光一元政調会長がJR八王子駅北口で第一声を上げた。

 政治資金収支報告書への不記載金額は2728万円。さらに政治倫理審査会に出席せず、説明責任を果たしていないとの厳しい指摘がある。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との強いつながりも報じられる中、自民党非公認となった萩生田氏は、「何もないところからの再出発」とあいさつ。

 裏金問題について、「派閥のルールを踏襲したとはいえ、立法府の一員として、やはりどこかで足を止めて、これでいいんだろうかと考えなければならなかったと反省をしております。仲間には弁護士も税理士も公認会計士もいるんですから、もう少し専門的な見地から派閥の運営について話し合いをするべきだったと深く反省をしてます。改めて、ご心配をおかけした、また不快な思いをさせた皆様におわびを申し上げたいと思います。申し訳ありませんでした」と頭を下げた。

“何もない”との言葉とは裏腹に、この日アピールしたのは“動員力”だった。八王子市長や自民党東京都連会長、自民党・有村治子参院議員らが応援に駆けつけ、「自民党の公認なくても八王子の公認がある」と萩生田氏を持ち上げた。

 裏金議員に逆風が吹き荒れる中で、演説中の萩生田氏にヤジを飛ばす人もいた。しかし、初日の街頭演説では、これまでの地元での貢献を武器に、支援者を集めた。萩生田氏の演説の後、同じ場所で野党候補の演説も聞いた60代男性は「萩生田さんの演説は過去の実績ばかりでつまらない。本心としては萩生田さんじゃない人に勝ってほしいなと思いますけど、なかなかそうもいかないのかな。聴衆の数が全然違う」と驚いた様子だった。

立憲・野田代表も八王子で訴え 「裏、裏、裏……、自民党政治に決別しよう」

 野党は萩生田氏を“裏金議員の象徴”として包囲網を形成。この日、立憲民主党は野田佳彦代表が八王子入りし、同区から出馬したジャーナリストの有田芳生氏を応援した。

「なぜ第一声をここでマイクを持とうとしたのか。それは裏金議員であるということ。我々は裏金は許しちゃいけない。忘れちゃいけない。その思いをみなさんと共有したい。そうした公示日にしたい」と声を大にした。「(萩生田氏は)裏金の額の多い議員であると同時に、その裏金議員を裏から支えて来た旧統一教会との結びつきも強い。裏、裏、裏……、自民党政治に決別しようじゃありませんか」と連呼し、必勝を誓った。

 萩生田氏は、厳しい選挙戦を覚悟しつつも、「残念ながら今回、野党の候補は私の批判のためにこの八王子を選んだ人たちが大勢います。批判をするためだけに選挙区としてこの八王子を選んだ野党候補がいいのか」と受けて立つ構えを示した。

 野党は対萩生田の候補者を一本化していないため、票が分散されるのではないかとの声も上がっており、有権者の判断に注目が集まる。

 東京24区はほかに、いずれも新人で参政党の与倉さゆり氏、無所属の畑尻文夫氏、国民民主党の浦川祐輔氏、日本維新の会の佐藤由美氏も立候補した。投開票は27日。

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