小川直也、「令和版米騒動」に参戦 旧知の稲作農家に突撃「メチャクチャ米あるじゃねえか」

バルセロナ五輪柔道銀メダリストで“暴走王”と呼ばれる小川直也がまさかの分野に首を突っ込んだ。昨今、世間では米不足が叫ばれているが、小川がその原因を探った動画が公開されたのだ。今回はそこで語られていた内容から追加取材を敢行。小川が稲作農家に令和の米騒動を直撃した。そこには日本人の主食である米に関する重大な問題が見え隠れしていた。

小川直也は所狭しと積み上げられた米袋の数々に「令和版米騒動」への疑問を感じた
小川直也は所狭しと積み上げられた米袋の数々に「令和版米騒動」への疑問を感じた

日本人一人当たりの米の消費量は年間50.9キロ

 バルセロナ五輪柔道銀メダリストで“暴走王”と呼ばれる小川直也がまさかの分野に首を突っ込んだ。昨今、世間では米不足が叫ばれているが、小川がその原因を探った動画が公開されたのだ。今回はそこで語られていた内容から追加取材を敢行。小川が稲作農家に令和の米騒動を直撃した。そこには日本人の主食である米に関する重大な問題が見え隠れしていた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 小川直也が米騒動について触れたのは、自身のYouTubeチャンネル「小川直也の暴走王チャンネル」での「暴走王激怒! 『どこが米不足なんだ!』/令和の米騒動の原因を探る/小川道場恒例、稲刈り体験」という動画だった。動画内で小川は、昨今巷を騒がせている米不足問題に触れ、旧知の間柄でもある茨城県の稲作農家、野口ライスの野口裕司代表に直撃した。

 というのも、世間にある米不足の話とは裏腹に、野口代表の管理する野口ライスセンター(倉庫)には、30キロの米袋を中心に、大人の身長を遥かに上回る高さまでビッシリと米袋が積み上げられ、「あの一番大きな袋は1トン(の米が)あるから1000キロ」と話す場面もあるくらい、所狭しと「茨城米」と書かれた米袋が確認できる。

 それを見ながら小川は「メチャクチャ米あるじゃねえか」と語り、「これが米不足なんですか?」と叫びつつ、「あるところにはあるんですよ」と口走る。

 そもそも小川は、茨城県に3反の田んぼを有しており、毎年、自身が運営する小川道場に通う子どもたちや、野口代表が関わっている無心塾の子どもたちと共同で、田植えや稲刈りを含めた農業体験を実施。収穫された精米はミルキークイーンという品種だが、これを「ハッスル米」という名前で6年前から販売している。

 今回はその農業体験のなかで、昨今の米不足に対する疑問を小川が質問し、これに稲作農家でもある野口代表が答えている、という雰囲気だ。

 動画によれば、昨今の米不足の原因は「稲作農家の高齢化とそれに伴う数の減少」を皮切りに、「日本人の米離れ」が進んだことで米の値段が下がってしまい、精米農家が激減したことに起因している。

 実際、農林水産庁の公式サイトによれば、「お米の1人当たりの消費量は、1962年度をピークに減少傾向です。ピーク時は年間118.3キロのお米を消費していましたが、2022年度は年間50.9キロまで減少しました」とある。これを365日で割って、1日平均を出すと、現代の日本人は1日に140グラムの米を口にしていないことになる。

小川道場恒例の農業体験の様子(中央の白いシャツの男性が精米農家の野口代表)
小川道場恒例の農業体験の様子(中央の白いシャツの男性が精米農家の野口代表)

米泥棒対策に「防犯カメラは24時間録画」

 その分、パンをはじめとする小麦類、パスタ、うどんやそば、ラーメンといった麺類を口にする機会が増えたということになるが、主食と呼ばれる米を日本人が食べていない現状が見て取れる。

「(家畜が食べる)飼料米を作るメリットとしては、町や県から補助金がもらえるんです」(野口代表)と話す。

 要は、人間が食べる精米だと補助金は出ないが、家畜用の飼料米だと行政が援助してくれるというのだ。

 野口代表に追加取材を試みると、「精米を普通に生産しても、米の値段が下がっているので経費負けしてしまい、赤字になってしまう」とのこと。であれば、補助金がもらえる、家畜用の飼料米を生産したほうが、赤字にならずに済むという。

 野口代表によると、各農家と行政側との契約は「3年で更新」になるそうだが、皮肉なことに今年のように米不足が叫ばれると米の値段が上がる可能性があるため、「来年からは飼料米ではなく、精米に切り替える農家が増えていくのではないか」と予測する。

 ちなみに、これだけ米不足が叫ばれている割に、倉庫にあれだけの米があるということは、米を盗まれる可能性が高まるということ。

 そのため、野口ライスでは15年前からセキュリティ対策に余念がない。

 動画内では「防犯カメラは24時間録画して、ケイタイでもで見れるようになっている」と野口代表が語ると、隣にいた小川が「触れると電流がビリビリ来るらしい」「すごい線がいっぱいあるらしい」と冗談とも本気とも取れる発言をしていたが、野口代表は「5年くらい前には30キロの米俵を盗まれたこともあったんですけど、その犯人は未だに捕まっていない」と話しつつ、「日本国籍ではない場合が多くなってきた」とも話してくれた。

 なお、野口代表は「今後は米を狙った強盗は増える」と予測。実際,近所の農家では梨泥棒が出たという。

 また、動画内には小川はもちろん子どもたちが、楽しみながらも必死に稲刈りに励む姿や、30キロの米袋が持ち上がるか体験する場面、参加賞として450グラムのペットボトルに入った「ハッスル米」を渡されて喜ぶ様子も収録されていた。

 いずれにせよ今回の米騒動は、日本人の米離れ、それに伴う精米の値段の安さ、飼料米には出る補助金が精米には出ないことによる精米農家の減少。主にこの3点が引き金となって巻き起こった現象だったことが把握できたが、今後も、コトあるごとに米不足をはじめとする、米に関する問題は多角的に叫ばれていくだろう。ならばこれを機に、日本人の主食である米と我々はどう向き合うべきなのか。今一度それを再考するチャンスと捉えることが肝要ではないか、と考える。

次のページへ (2/2) 【動画】精米農家に突撃した実際の映像
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