『週刊少年ジャンプ』（集英社）の連載作品の中でも屈指の人気を誇る漫画『HUNTER×HUNTER』（作：冨樫義博）が、10月7日に発売される週刊少年ジャンプで最新話が掲載されることが発表された。休載期間が多いことでも知られる同作の掲載は、約1年9か月ぶりだ。ファンの間では「再開嬉しすぎる」「待ちきれない」など歓喜の声で盛り上がっている。長きにわたり愛される『HUNTER×HUNTER』は、これまでどのように休載してきたのか振り返ってみよう。

（※以下、作品の内容に関するネタバレを含みます）

　1998年に連載開始した同作の初めての長期休載は、2006年2月～07年10月（約1年8か月）である。「キメラ＝アント編」の中盤にあった休載前の260話は、主人公のゴン＝フリークスとキルア＝ゾルディックをはじめとしたキメラ＝アント討伐隊が宮殿に入る寸前まで描かれた。「突入まであと10分……!!」という、緊張感あふれる展開で休載期間に入っている。

　その後07年10月の連載再開時は大いに注目を浴びてジャンプの表紙でセンターカラーを飾るも、10週連載したのち08年1月～08年3月（3か月）の間は再び休載。この時点でキメラ＝アント編の開始から4年が経過している。その後は08年2月に連載再開し、10週連載後に08年5月～08年9月（約4か月）の休載期間に入ったのだ。

　連載と休載が繰り返されながら迎えるキメラ＝アント編の佳境のなか、08年12月～09年12月（約1年）に長期休載。08年12月休載前の290話は、ハンター教会会長・ネテロとキメラ＝アントの王・メルエムが死闘を開始するタイミングだった。その後09年12月からは20週連載するが、310話で再び10年6月～11年8月（1年2か月）に休載に入った。このときは、ネテロの放った爆弾によるダメージによって記憶障害を起こしていたメルエムが、記憶を取り戻し始める展開であったため、読者は続きが気になったことだろう。

　そして、11年8月の連載再開後はメルエムの運命や、強制成長を遂げて「ゴンさん」と呼ばれるゴンの登場など名場面とともに、連載開始から約8年かかったキメラ＝アント編が完結したのだ。この期間は30週連載され「選挙編」と「アルカ編」の同時進行や、ゴンと彼の父・ジンの再会、最新章の「暗黒大陸編」に入る340話まで描かれ、12年3月～14年5月（約2年3か月）の休載期間となった。13年1号・2号にかけて連載された読み切りの「クラピカ追憶編」を除くと、かなりの長期休載である。

　14年6月に満を持して連載再開した341話では、暗黒大陸の重要情報やこのあと王位継承をめぐって争う“カキン王国”に関わる新たなキャラが登場するなど急展開が進み、14年9月～16年4月（約1年8か月）で再び休載。16年4月に連載された351話はヒソカとクロロという人気キャラの対決など、読者が「神展開」と興奮するストーリーで盛り上がった。彼らの対決が終了するところまで描かれ、16年7月～17年6月（約11か月）に休載。再開後361話では「暗黒大陸編」の続きが描かれつつ、17年9月～18年1月（約4か月）、18年4月～18年9月（約5か月間）は10週の連載を挟んで休載した。

　18年9月に連載再開した371話ではクラピカを中心に、カキン王国の次期国王を決めるための“王位継承戦”が描かれ、18年12月～22年10月（約3年10か月）という最長の休載期間に入る。そして22年10月、4年近くの休載を経た391話では、王位継承戦の背後でマフィアの抗争が大激化する展開で盛り上がった。そして第401話からは冨樫氏の体調を鑑み、掲載形態を変更する旨が公式で発表されている。

　以降は23年1月～現在まで休載が続いており、10月に待望の401話が掲載予定である。休載期間を合計すると15年以上にもなるが、その間も競争が激しいジャンプの掲載枠を確保し続け、連載再開で読者を盛り上げる同作は、圧倒的な面白さを誇る作品といえるだろう。続きが読めることに感謝して、10月の最新話を味わいたい。