サザンオールスターズ “最後の夏フェス”で19曲100分ステージ 桑田佳祐「また、どこかで会いましょう」

サザンオールスターズが23日、茨城・ひたちなか市で開催された「ROCK IN JAPAN 2024 in HITACHINAKA」に大トリで出演した。メンバー5人にとっては最後の夏フェス参加で、「ROCK IN」史上最長の約100分、19曲のステージを展開し、約5万人を歓喜させた。全国の映画館でもライブビューイングが開催され、15万人以上が視聴した。

「ROCK IN JAPAN 2024 in HITACHINAKA」に大トリで出演したサザンオールスターズ【写真:西槇太一】
「ROCK IN JAPAN 2024 in HITACHINAKA」に大トリで出演したサザンオールスターズ【写真:西槇太一】

会場で約5万人が歓喜、映画館で15万人以上が視聴

 サザンオールスターズが23日、茨城・ひたちなか市で開催された「ROCK IN JAPAN 2024 in HITACHINAKA」に大トリで出演した。メンバー5人にとっては最後の夏フェス参加で、「ROCK IN」史上最長の約100分、19曲のステージを展開し、約5万人を歓喜させた。全国の映画館でもライブビューイングが開催され、15万人以上が視聴した。

 定刻の午後5時30分、日が暮れて深いオレンジに空が染まると、ライブ開演を告げるジングルがモニターに流れ始めた。「サザン最後の夏フェス」を見届けるべく会場に集まった約5万人が大歓声をあげると、ステージ上にサポートミュージシャンがにこやかな表情で現れ、続いてサザンオールスターズが登場。大喝采の中、5人がつないだ手を挙げた。

 オープニングナンバーは、1978年発表のデビューアルバム『熱い胸さわぎ』に収録された『女呼んでブギ』。5万人のクラップと刻む軽快なリズムに乗せて、令和の時代には「不適切にもほどがある」の歌詞が弾んだ。演奏が終わると、桑田佳祐が「こんばんは。ロッキン最終日です。良い天気にしてくれて本当にありがとうございます、みなさん。最後まで残ってくれてありがとう」と感謝を伝え、「サザンオールスターズです。新曲聴いてください」と呼びかけた。最新楽曲『ジャンヌ・ダルクによろしく』を初披露した。

 デビューから46年。音楽シーンの第一線に立ち続け、常に新曲を生み出し、進化し続けることにこだわってきた。バックのモニターには「SOUTHERN ALL STARS」の文字だけが写し出され、小細工なし、ロック1本で5万人と向きった。

 その後、時代は再びタイムスリップし、80年代の名曲が『My Foreplay Music』『海』を披露。楽曲が『神の島遥か国』に変わると、会場は南国ムードになった。陽気なサウンドが観客を気持ちよく酔わせたかと思いきや、『栄光の男』の哀愁が観客の感情を揺さぶった。その余韻も冷めやらぬうちに『愛の言霊(ことだま)~Spiritual Message~』に演奏が移ると、照明で会場が赤く染まった。

 息つく間もなく『いとしのエリー』を披露すると、聴き惚れ、涙する観客も。9曲目の『思い過ごしも恋のうち』では、モニターにデビュー初期の頃の本人映像が映し出された。そして、一息ついて桑田が観客に呼びかけた。

「楽しんでますか! 皆さん、ここに5万人も集まってくれているということで、本当にありがとうございます。長い時間だったと思いますけど、皆さん我々のところで待ってていただいて、ほんとありがたいです」

 感謝の言葉とこの日に出演した各アーティストについて触れつつ、桑田は「景気付けにコール&レスポンスを」と呼びかけ、『東京VICTORY』に突入。ミラーボールが回り出した。そして、サザンと会場の5万人、スクリーン越しの15万人が一体となり、コール&レスポンス。その幸福感は次の『真夏の果実』でピークに達した。舞台上の照明がオレンジ色の電球だけになり、シンプルかつミニマムな演出が曲の切なさを引き立てた。

 12曲目の『恋のブギウギナイト』は、サザンが今年の活動を封切りした楽曲で、フジテレビ系連続ドラマ『新宿野戦病院』の主題歌だ。ライブで披露されるのは今回が初で、イントロが鳴り始めた瞬間に歓声が沸き、ド派手なレーザー、奇妙に光る自動販売機、ロングドレス姿のセクシーダンサー等が登場し、ステージがカオスなディスコに早変わりした。アウトロで桑田は「ロッキン最高」「今夜はありがとう」と叫び、エンジン全開。ここからは『LOVE AFFAIR~秘密のデート~』で大合唱を巻き起こし、『マチルダBABY』『ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)』で拳を突き上げた。

 そして、桑田がロッキング・オン・グループ会長の渋谷陽一氏、夏フェスのバトンを渡した後輩ミュージシャンたちへのメッセージを送り、『みんなのうた』へ。5万人が手を振り、夏フェスでお馴染みの桑田による放水も繰り広げられた。

 本編最後の楽曲は『マンピーのG★SPOT』。鳴り止まないアンコールの拍手と歓声に応えて、5人がステージに戻って来ると、『希望の轍』を披露した。そして、「サザン最後の夏フェス」のラストはデビュー曲の『勝手にシンドバッド』。総勢約40人のサンバダンサーを引き連れ、大合唱が巻き起こった。演奏の終盤には、23日の公演に出演した全アーティスト、ヤバイTシャツ屋さん、ももいろクローバーZ、緑黄色社会、Creepy Nuts、WANIMA、THE YELLOW MONKEYがステージに出てくるサプライズも。桑田が、全アーティストの名前を呼びつつコールアンドレスポンスをする場面は、日本夏フェス史に残るワンシーンとなった。

 実は今回のセットリストは、『勝手にシンドバッド』から最新曲『ジャンヌ・ダルクによろしく」まで、1970年代、80年代、90年代、2000年代、10年代、20年代にそれぞれ発表した楽曲を網羅していた。桑田は最後のMCで言った。

「本当に、大変お騒がせしました。一旦我々、卒業させていただきますけども、本当に若い素晴らしいアーティストたちにこれから頑張っていただいて、今後も素晴らしいこのフェスが、素晴らしくあるように信じております」

 そして、桑田は最後に「またどこかでお会いしましょう」と呼びかけた。夏フェスは引退したが、サザンの未来は続いていく。

■<サザン最後の夏フェス セットリスト>

1 『女呼んでブギ』
2 『ジャンヌ・ダルクによろしく』
3 『My Foreplay Music』
4 『海』
5 『神の島遥か国『』
6 『栄光の男』
7 『愛の言霊(ことだま) ~Spiritual Message~』
8 『いとしのエリー』
9 『思い過ごしも恋のうち』
10 『東京VICTORY』
11 『真夏の果実』
12 『恋のブギウギナイト』
13 『LOVE AFFAIR~秘密のデート~』
14 『マチルダBABY』
15 『ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)』
16 『みんなのうた』
17 『マンピーのG★SPOT』

(アンコール)

1 『希望の轍』
2 『勝手にシンドバッド』

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