タレントの芹那（39）は、8月21日に所属事務所からの独立を発表し、現在はマイペースで活動を続けている。メディア露出は減ったが、スタイルを維持してグラビア撮影のオファーなどは受けている。そんな芹那のパブリックイメージは「あざといキャラ」で、ネット上で誹謗中傷されることもある。だが、本人はそれらに反論したことは一切ない。過去に浮かんでは消えた恋愛話についてもだ。インタビュー後編では、その理由を聞いた。（取材・文＝白川ちひろ）

　芸能活動歴15年。振り返ると、芹那は愛されつつも、さまざま言葉を浴びせられてきた。

「SDN48にいた時は、劇場公演後の握手会で、『無能なセンター』とか直接言ってくるお客さまもいたんです。よく劇場に来てくださる方でしたし、確かに私は歌もダンスもうまくなかったので、『そうだな。もっと頑張ろう』とその言葉をすんなり受け入れられました。だからこそ、劇場での私のことを知らず、テレビの画面越しで文句を言ってくる方の言葉に影響を受けることはありませんでした」

　ハイトーンボイスで愛らしい顔。バラエティー番組を重ねる中で、いつしか「あざといキャラ」が定着した。その状況下、有名人との恋愛情報が浮かんでは消えた。「恋多き女」のイメージも広がり、男性側の一部ファンからはネット上で攻撃された。素顔は真逆のタイプだったようだが、芹那はそれらに一切反論しなかった。

「週刊誌の記事は、本当じゃない話ばかりで傷つくことはありませんでした。2ショットも撮られたことはないですし。事務所も『プライベートは関知しない』のスタンスで、記事が出てもノータッチでしたね。当時から、SNSで情報に怒って反論をするタレントさんも多かったのですが、私は1度もしませんでした。理由は2009年にアメーバブログをスタートした時に『マイナスなことは絶対に書かない』と決めたからです。それに何を言っても、捉え方は人それぞれです。そこから枝分かれしていろんな見解が出てしまって、自分の思いを全ての人に伝えることができないと分かっていたので」

　実際、今のプライベートはどうなっているのか。芹那に結婚願望について直球で聞いてみた。

「幼稚園の頃から『将来はお嫁さんになりたい』って思っていたくらいですし、今でも結婚はしたいです。SDN48のメンバーたちの結婚報告を聞くと、『うらやましいな』って思うこともありますね。でも、これ以上はご想像にお任せします（笑）」

　今回の企画では、グラビア撮影の現場にも足を運んだ。芹那はSDN48で注目された20代前半と変わらぬシェイプされた体をキープ。肌ツヤも良く、カメラマンには「まさに奇跡の39歳ですね」と言わしめた。日々の美容で意識していることはあるのだろうか。

「芸能界にはきれいな方が多いので、自分でたくさん食べちゃったと思った時にはきれいな方の画像を見て『自分も頑張ろう』って奮い立たせています。最近は週4回ピラティスに通っています。グラビア撮影の時には、さらに週2でパーソナルジムに通って体を整えています」

　9月3日には、ファンクラブを立ち上げたことを発表した。8月21日にはA－PLUSからの独立を報告したばかり。このタイミングでスタートした理由についてこう答えた。

「テレビに出るようになって、一方的に自分を知る人が増え、ファンの方一人ひとりとの時間をきちんと過ごせていなかったんです。だけど、ライブ配信を始めてから昔から応援してくれる人たちとのコミュケーションの場が増えたことにより、あらためてファンのみんなといると、『居心地がいい』『もっと一緒に過ごしたい』と思うようになり、ファンクラブをスタートしました。私と交流できる掲示板だったり、会えるイベントも企画したいです。家族でも友人でも恋人でもない、かけがえのないファンという存在をこの先もずっと大切にしていきたいです」

　取材を終え、芹那はファンからのプレゼントが入った紙袋を両手に持ち、人ごみに消えていった。パブリックイメージとの「違い」を感じさせた39歳。その細く引き締まった背中は、人知れず強くなった「芯」を感じさせた。

□芹那（せりな）1985年5月19日、北海道生まれ。白百合女子大卒。2009年、SDN48でアイドルデビュー。センターにも選ばれた。独特な声とキャラクターでブレイクし、12年の年間テレビ番組出演本数は370本を超えた。今年8月、所属事務所からの独立を発表。161センチ。血液型A。