「私はあなたのお母さんじゃない」“放置子”を突き放すのは冷たい? 女性の葛藤が議論に

ネグレクト(育児放棄)などで親から放置されている子を指し、近年度々話題となるネットスラング「放置子」。一緒に遊ぶ子の保護者や家庭に入り浸り、トラブルとなるケースも相次いでいる。ショッピングモールの遊び場で、親から構ってもらえていない子につきまとわれて大変だったという投稿が、ネット上で話題を呼んでいる。4歳と0歳の男の子を育てる投稿者の女性に詳しい話を聞いた。

ショッピングモールの遊び場での体験をつづった投稿が議論に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ショッピングモールの遊び場での体験をつづった投稿が議論に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

ネグレクト(育児放棄)などで親から放置されている子を指すネットスラング

 ネグレクト(育児放棄)などで親から放置されている子を指し、近年度々話題となるネットスラング「放置子」。一緒に遊ぶ子の保護者や家庭に入り浸り、トラブルとなるケースも相次いでいる。ショッピングモールの遊び場で、親から構ってもらえていない子につきまとわれて大変だったという投稿が、ネット上で話題を呼んでいる。4歳と0歳の男の子を育てる投稿者の女性に詳しい話を聞いた。

「遊び場で放置子にずーっと付き纏われてしまいしんどかった。

そっかそっか三人兄弟のお姉ちゃんなんだね。いっつも弟の面倒見てるんだ。大変だね。お母さんはあっち向いてスマホ使ってる人? そっかそっか。ごめんね。君は悪くないんだけどさ。私自分の子どもたち見てるので精一杯なんだ。ごめんね」

 今月17日、SNS上に投稿された体験談は、3000件を超えるリポスト、6万件以上の“いいね”を集めるなど、大きな話題を呼んでいる。

 投稿者は続く投稿で「放置子ってさ、『わたしをみて!』『わたしのお話きいて!』『わたしこんなに可愛い服着てるの!』『わたしのおうちにはこんなに素敵なおもちゃがあるの!』って感じでとにかく私のことを認めて欲しい! って気持ちが強いよね。それはつまり家庭で欠けている部分なんだろうけど」「家庭環境的にそうなってしまっているからとにかくわたしを! わたしを! ってなるのは当然なんだけど突然こちらにその感情をぶつけられると困ってしまう。私はあなたのお母さんでもないし、いくら私が共感して認めてあげたとしてもその子の心の穴はぽっかり空いたままなのよ。私じゃ埋められない」と複雑な心境をつづっている。

 また、「気になるのが、そういう子って構ってもらうためにはなりふり構わなくなるから聞かれてないことまで全部答えるよね。自分の名前、住んでる場所、保育園の名前、先生の名前、親の名前、仕事……聞いてもないのにベラベラ喋る。相手がどんな人かもわからないのに。怖いことなんだよ…」と防犯上の危険について案じる内容の書き込みも。「どうしたらよかったのかな」「(親は)もう少し気にかけてあげてほしいな。寂しがってるよ」と保護者への思いを吐露している。

 一連の投稿には、「その子自身には何の罪もない」「1番は親が悪い 寂しい思いしてる子が減りますように」といった同情の声や、「自分の子を守るため放置子は遠ざけるしかない」「ただの人懐っこい子だったら一緒に遊ぶけど放置子とは遊ばない」といった意見、「親がスマホで子を全く見てないとかも広義の放置子になるんですね」「四六時中目を離さないで置かないと放置子とか思われるのか…そりゃ子育てしんどくなるわな…」といった放置子の定義を巡る議論など、さまざまな反応が寄せられている。

 当時の状況について「ショッピングモールの遊び場で数組の親子が遊んでいたのですが、私たち家族の会話を邪魔するように入ってきたので驚きました」と投稿者。「放置子と思われる子は風貌から日本人ではなさそうで、3人きょうだいの1番上の女の子でした。母親と思われる人はスマホを見ながら同じ国と思われる女性とずっとおしゃべりしていて、きょうだいの1人が遊び場から出ていっても立ちあがろうともせず、その子に対応させていました。1歳くらいにしか見えない下の子も構わずにいて。もしかしたら母国では当たり前の感覚なのかもしれませんが……」と保護者の無関心に対する困惑を口にする。

 投稿の反響については「自分のモヤモヤを聞いてもらいたくて軽い気持ちでポストしたのですが、ここまで反響があるとは思いませんでした。多くは共感の声で、ご自身の経験やこういう対応で乗り切った! など肯定的なものでしたが、中には冷たい、かわいいのは我が子だけか、放置子も構うべきだ、発達障害なのでは、という声など、さまざまな意見がありました」と振り返りつつ、「私個人の意見としては、発達障害があるならなおさら公共の場所では親がしっかり見ているべきだと思います。周囲の人のためにも子ども自身のためにも、時間がかかっても社会のルールを伝えていく必要があると思います」と話している。

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