高速道路の料金、徹底節約の秘策とは? 制度変更をお得活用、予算を浮かす「周遊プラン」の選択肢も

ドライブに出かけるとき、高速道路の料金を少しでも節約したいというのは人情だろう。そんな時にうまく活用しないともったいないのがETCだ。先頃、割引制度の見直しが高速道会社や国交省から発表された。お得に走るためにはどうすればいいのか。高速道路を賢く使う方法を整理した。

ETCを上手に活用してお得にドライブする【写真:土田康弘】
ETCを上手に活用してお得にドライブする【写真:土田康弘】

高速道路の深夜割引が変更される

 ドライブに出かけるとき、高速道路の料金を少しでも節約したいというのは人情だろう。そんな時にうまく活用しないともったいないのがETCだ。先頃、割引制度の見直しが高速道会社や国交省から発表された。お得に走るためにはどうすればいいのか。高速道路を賢く使う方法を整理した。(取材・文=土田康弘)

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 今回、変更されるのは深夜割引と呼ばれる制度だ。令和6年度末ごろに運用を開始する予定だとアナウンスされているので今から準備しておこう。

 現行の深夜割引は午前0時から4時までの間に高速道路を通行すると利用料金が3割引になる。遠方へのドライブを計画しているユーザーなら、0時から4時までの間に少しでも走行すれば全走行区間が割引される。例えば午前3時50分に料金所を通過して高速道路に入り、目的地のインターチェンジを9時に下車した場合でも、割引の対象となる。ドライブから帰る際も、目的地近くの高速道路入り口を午後7時に通過し、自宅近くのインターチェンジで午前0時10分に下車した場合も、全区間が3割引になる。うまく時間を調整(0時~4時に掛かるように)して走行すれば、現地で遊ぶ時間もしっかり確保された上で、割引も受けられることからこれまでも多くのドライバーが利用していた。

割引時間帯は午後10時~午前5時に拡大

 新制度では3割引となる深夜割引の時間帯を午後10時~午前5時に拡大している。ただし、前出のように対象外の時間の走行分は3割引にならず通常料金となり午後10時~午前5時に走行した距離だけがきっちり計算された上で割引される。つまり先に紹介した午前3時50分~9時の走行の場合、割引の対象となるのは3時50分~5時の間に走行した距離だけ。また午後7時~0時10分の走行の場合は、10時~0時10分までが割引の対象となるのだ(それ以外の距離は通常料金になる)。

 この見直しには理由がある。高速道路をよく利用するドライバーなら見たことがあると思うが、午前0時前の料金所付近のパーキングや路肩には多くのトラックなどが停車して、深夜割引を受けられる時間を待っている様子が見受けられる。この深夜割引待ちの滞留を解消するのがひとつの目的だ。これまで割引時間を気にして待機を余儀なくされていたトラック運転手の負担軽減にもつながる改正としている。

 いずれにしても、これまで通りの計画で高速道路を走行するとせっかくの割引を十分に受けられないことになりかねない。割引の基本的な制度見直しを把握して、変更後も賢くドライブしてうまく節約すると良いだろう。

高速道路には深夜割引、休日割引などが設定される【写真:土田康弘】
高速道路には深夜割引、休日割引などが設定される【写真:土田康弘】

ETCアンテナを設置して距離を把握

 ところで、クルマ好きの人なら疑問に思うのが、制度見直し後の走行距離をどのように算出するのかではないだろうか? 従来からインターチェンジの入り口/出口の通過時間はしっかり記録されるので分かるのだが、午後10時~午前5時の間にどれだけ走ったかは現在では記録されない。そこで高速道路内に新たにETC無線通信専用のアンテナを設置するとのこと。これで該当するクルマが何時にどこを走っていたかを把握、加えて走行速度から逆算して走行距離を算出するのだという。その結果、走行中の全区間で深夜割引が適用される時間帯に何キロ走ったかが分かるのだ。

 このように見直しされる深夜割引では距離の算出が必要になる。そのため割引相当額は高速道路利用時に割り引かれるのではなく、後日に還元される制度になる。還元には「ETCマイレージサービス」または「ETCコーポレートカード」への登録が必要となるので注意したい。

お得なETCマイレージサービスを利用する

 ETCマイレージサービスは車載機管理番号やETCカード番号などを登録しておくことで走行ごとにポイントが貯まる制度だ。例えばNEXCO東/中/西日本の主な高速道路は10円につき1ポイントが加算される。たまったポイントは1000ポイント→500円、3000ポイント→2500円、5000ポイント→5000円分として還元されるので走れば走るだけお得になる。自動還元の設定も可能なので、ポイントがたまると自動的に高速道路料金として利用できる。登録料も無料なので、ETCが付いていて高速道路を利用するユーザーは今すぐ登録しておくのがお得だ。

 さらに高速道路には、休日割引、朝夕割引もある。休日割引はその名の通り土日祝日に高速道路(地方部の高速道路、東京や大阪近郊には割引対象外の区間がある)を利用すると3割引になる制度。お盆など一部の期間は割引対象外になる日程もあるのでチェックしてみよう。ちなみに深夜割引と休日割引は併用することはできない。いずれか割引率が高くなる方が適用されるルールとなっている。

 またETC平日朝夕割引は平日の午前6時~9時、午後5時~8時の走行が対象。距離制限があり、最大100キロ走行分までが割引に。1か月の利用回数で割引率が変わり、5回~9回までは約30%還元、10回以上は約50%を還元となっている。この割引を受けるにはETCマイレージサービスへの登録が必要になる。

ETCマーレージサービスに登録してお得度アップ【写真:ETCマイレージサービスの公式ホームページより】
ETCマーレージサービスに登録してお得度アップ【写真:ETCマイレージサービスの公式ホームページより】

地域ごとの周遊プランを活用する

 高速道路をお得に使う方法をもうひとつの紹介しておこう。それが周遊プランだ。例えばエリア内の高速道路が定額料金で乗り降り自由になるプランが代表的。観光地が少し離れていて、目的地周辺で高速道路を使っていくつかのスポットを巡る場合には、高速道路の料金を気にすることなく何度でも乗り降りできるのでドライブの幅が広がるだろう。事前の登録制なのでドライブの日程や行き先が決まっている場合は便利に利用できるのでチェックしてみよう。

 少しでもお得に高速道路を利用すれば、浮いた予算で目的地でおいしいものを食べたり、レジャーに回すことだって可能だ。そのためにはベーシックな知識や割引制度を知っておく必要がある。賢く高速道路を利用してドライブをムダなく楽しもう。

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