「秒殺でいい」「やれるもんならやってみろ」 王者Sareeeとウナギが調印式で舌戦、“悪魔”中島にまさかの告白も

19日、神奈川・川崎にあるSEAdLINNNG(シードリング)道場で、王者・Sareeeにウナギ・サヤカが挑戦するタイトル戦(9月23日、カルッツかわさき)の調印式が実施された。

王者Sareee(左)とウナギによる待望の一騎打ちが行われる
王者Sareee(左)とウナギによる待望の一騎打ちが行われる

「(ウナギを)ボコボコにすることしかない」(Sareee)

 19日、神奈川・川崎にあるSEAdLINNNG(シードリング)道場で、王者・Sareeeにウナギ・サヤカが挑戦するタイトル戦(9月23日、カルッツかわさき)の調印式が実施された。

 形式に乗っ取って、まずはお互いが調印書にサインを終えると、挑戦者であるウナギが思いの丈をぶちまけた。

「今回、ベルトに挑戦しますけど、Sareeeはぶっちゃけ、WWEから帰ってきた時、ただ、クビにされて帰ってきた人、アメリカで何も残さずに帰ってきた人、みたいな印象しかなかったけど、そのなかでシードとマリーゴールドのベルトを巻いて、強さという意味では圧倒的なものを感じるし、本当に強いと思います。でも、私はプロレスはそれだけじゃあダメだと思っているし、夢を見せてこそプロレスだと思っています」

 ウナギ節はこれだけでは終わらない。

「私がこのプロレス界、新しいものを確実に作っていきます。それはもう言わなくても、みなさん体感していただいていると思います。もっとワクワクする世界を、自分自身も作っていきますし、プロレス界にも皆さんにも間違いなくお見せしていきます。そして、勝たないことをあきらめて負ける、ベルトが取れないから挑戦しない、それって、なんの挑戦もないプロレスは楽しいですか? 勝てないからこそ、勝てるまでやるべきだと思いますし、強いヤツを倒す姿、一番ワクワクしません? だから私が9月23日、すべてを皆さんにお見せして、本当のひっくり返す時を、歴史をつくりたいと思います」

 結局、ウナギが3分以上持論を展開したため、Sareeeに「長々話されたんで、何を言ったか忘れちゃったんですけど」と突っ込まれてはいたが、その上でSareeeは次のように話した。

「このベルト、強さだけじゃないって言ってますけど、それってただの言い訳でしかないと思うし。だってプロレスは闘いだから。強さが一番でしょ。この団体(のキャッチフレーズ)『魂の女子プロレス』といわれている以上、ウナギ・サヤカに渡すわけには行かないなと改めて思ったし、ボコボコにすることしかないですね」

今年4月にデビューした光芽ミリアはタッグマッチで参戦する
今年4月にデビューした光芽ミリアはタッグマッチで参戦する

ウナギ「デーモン、好きだったんですかね、私」

 さらにSareeeは、「WWEをクビになったわけじゃないから。しかもそんなWWEに行けもしないヤツに言われたくない」と突き放す。

 たしかにSareeeはWWEとの契約を無事に満了し、先方から継続する話もありながら、WWE流の「闘い」とはひと味違った、日本流の「闘い」を求める道を選んだ結果、今の二冠王がある。Sareeeの言動にはその部分に対する意地のようなものが伝わってきた。

 そして、記者から勝負タイムはどの程度の時間を考えているのかを聞かれると、Sareeeは「秒殺でいいんじゃないですか?」とひと言。

 これにはウナギも「やれるもんならやってみろ」と呼応する。両者の言葉を聞けば聞くほど、お互いの考え方が真逆にあることが分かる。

 また、今回はSEAdLINNNGにとっては“悪魔”中島安里紗が引退して初のタイトル戦になる。それに関する両者の思いもまた、真逆をいくものだった。

 王者・Sareeeは「私はこのベルトを去年8月に“悪魔”と死闘を経て、死ぬ思いで取ったベルトなので」と話し、「そのなかで正直に言って、シードリングにレギュラー参戦している人もそうですし、(中島から引退試合で3カウントを取った)松本浩代なんて、なんでこのベルトに挑戦してこないんだよって、正直、不満しかないですよ。そのなかでウナギ・サヤカが挑戦してくるってことで、どんな覚悟で、どんな思いで挑戦してくるのか知らないけど、でも、カルッツかわさきって、ビッグマッチのメインイベントでこんなレギュラー参戦でもない。ポンと取られて、みんな悔しくないのって思うし。そういう面ではウナギがいい刺激になるんじゃないですかね」とウナギがカンフル剤になると語る。

 一方のウナギは、「ぶっちゃけ、ウナギ・サヤカから一番遠いところにあるんじゃないかってシードリングって思いません?」と投げかけながら、「自分で言うのもなんですけど、一番遠い感じがすごいしたんですけど……結構、自分のなかでは衝撃的にハマってきているっていうと変ですけど。だから…デーモン、好きだったんですかね、私、もしかしてって思うくらい、(中島の)引退がマジつらくて……」と、今さらながら“悪魔”への愛(?)を告白する場面も。

 実は会見中は道場内の扇風機を切って、窓も閉め切っていたため、その場にいる選手、関係者は汗だくだった。それだけに熱気があふれる会見になった結果、両者のストレスが、よりお互いの言動を暴走させたのかもしれないが、いずれにしろ、ここまで何度も書いてきた通り、Sareeeとウナギという真逆のプロレス観を持つ二人が交錯した時、いったいどんな化学変化をもたらすのか。

 おそらく両者の一戦は、令和女子プロレスが新たな局面に入ったことを見せつけられることは間違いない。

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