「日本は本当に治安が良い」 移住7年目のイタリア人、母国で「見たことがなかった」光景に驚愕
福岡県福岡市に住む28歳のイタリア人、ボ・ヴァルテルさんは幼少期からアニメなど日本の文化に親しみ、2015年に念願の初来日。2017年末に再来日すると、同市の起業サポート施設である「スタートアップカフェ」の支援を受けながら、2021年に株式会社Asobiholicを起業し、現在は新作ゲームの開発を行っている。最終回となる今回は、日本の日常にある様々な風景を知るヴァルテルさんが、生活をする上で驚いた点や母国イタリアとの違いについて語った。
「福岡在住イタリア人社長を直撃」第4回、日本の日常生活で驚かされること
福岡県福岡市に住む28歳のイタリア人、ボ・ヴァルテルさんは幼少期からアニメなど日本の文化に親しみ、2015年に念願の初来日。2017年末に再来日すると、同市の起業サポート施設である「スタートアップカフェ」の支援を受けながら、2021年に株式会社Asobiholicを起業し、現在は新作ゲームの開発を行っている。最終回となる今回は、日本の日常にある様々な風景を知るヴァルテルさんが、生活をする上で驚いた点や母国イタリアとの違いについて語った。(取材・文=白石倖介)
◇ ◇ ◇
20代で日本に移住したヴァルテルさんは、それまで住んでいたイタリアとの違いに驚くことがたくさんあったという。
「日本に来て驚いたのは、待ち時間がとにかく少ないことやね。あらゆる作業が速いし、簡単でびっくりしたんよ。イタリアでは役所も会社もとにかく待たされるけれど、日本では全部がスピーディー。あとは、日本はやっぱりキャラクターの国だから、マンガやアニメの広告が大きく掲示されているのはもちろん、電車とかバスにもその乗り物をモチーフにしたキャラクターがいて広告になっていたりするよね。こういうことはヨーロッパでは珍しいかな」
また、移住を決断した理由の1つには、日本の治安の良さがあったという。
「日本は本当に治安が良いよね。僕がイタリアで住んでいたトリノは、イタリアの中では治安の良い場所だったんやけれど、日本はもっと平和。だからなのか、日本では夜道で歩いていると、時々人が酔って倒れているよね。あれにはびっくりした。イタリアでは見たことがなかったから」
意外なところでは、救急車の速度にも驚いたとのことだ。
「患者を揺らさないように、日本の救急車はとてもゆっくり走るよね。イタリアの救急車はもっと爆速だから、あのゆっくり走る救急車はいつ見てもびっくりする。とても安全運転。でも病院に着くまでに時間がかかってしまうから、個人的にはイタリアのほうがいいと思っているんだ。スピードを出したほうが病院に早く着いて、患者を早めに治療することができるからね」
日本でもイタリアでも「ほとんどの人は優しい」
日本の文化に憧れ、今では日本で活動を続けるヴァルテルさん。イタリアが恋しくないのかと聞くと、今のところ帰国は考えていないという。反対にイタリアの良いところ、好きなところも聞いてみた。
「イタリアにはフランスに次ぐ世界第2位の医療制度があって、医療費は基本的に全部無料。ヘルスケアの分野では、イタリアは優秀だと思うな。あとは、高等教育も無料で受けられる。こうした教育・保健の制度はイタリアの誇れるところやね」
最後に2つの国の国民性や人々の違いについても聞いてみたところ、「そこには大きな違いはない」とヴァルテルさんは屈託のない笑顔を見せながら語った。
「国民性とか人間の違いについては、あまり考えたことはないかな。良い人もいれば悪い人もいる。それは国に関係なく同じことよね。日本でもイタリアでも、良い人にも悪い人にも出会ったし、それは人それぞれだよ。それに、どちらの国でもほとんどの人は優しいんよ」