【ズバリ!近況】「ゆうひが丘の総理大臣」優等生役の斉藤とも子さんは介護職で子供育て上げ孫2人
デイサービスで介護の仕事を週3日
大学、大学院で学びながら女優業を続けていましたが、11年前からデイサービスで介護の仕事も始めました。週3日の非常勤で、朝8時30分から夕方5時半まで。朝礼に始まり利用者さんの送迎、食事・入浴・排泄の介助……私は入浴の介助が大好きなんです。人がキレイになっていくのが嬉しいですし、お風呂ってやっぱり気持ちがいいので、利用者さんがいいお顔をされる。そんなお顔を見ると、幸せを感じるんですよね。
利用者さんに朗読していただく“朗読の会”を企画したこともあります。みなさん、いいお声なんですよ。一緒に司会をしていた若い女性職員と感動して、ボロボロ泣いてしまいました。自分の朗読が感動させたとわかった利用者さんもいいお顔をされて。そういう現場にいられることが貴重だと思っています。学ぶことがたくさんあって、やり甲斐がある。介護の仕事を“3K”と嫌がる人もいますが、利用者さん1人1人を知ると好きになって、たとえば排泄の介助をしても、汚いものじゃなくて、「ああ、今日も無事に出て良かった」という気持ちになるんですよ。
2人の子は結婚、孫が生まれておばあちゃんになった
介護職は報酬が少ない点も、辞めていく人が多い理由だと思いますが、私にとっては大いに助かりました。2人の子供を育てなければいけなかったので、芸能界という、次はいつくるかわからない仕事だけでは厳しかったと思います。介護の仕事は定期収入になり、残業もできますからね。残念ながら、働いていた施設が昨年末、経営上の問題で閉鎖してしまったので今はお休みしています。新型コロナウイルス感染症がもう少し落ち着いたら、新しい職場を探したいと思っています。
子どもたちは今、長女が32歳、長男が29歳になりました。2人とも結婚し、長女はパート職、長男は公務員です。それぞれに子どもが生まれ、私も2人の孫のおばあちゃんになりました。再婚? まったくそんな気持ちはありません(笑)。結婚したときは28歳の年齢差で驚かれましたよね(笑)。でも、私自身は気にならなくて、素の自分でいられて心地よかったんです。この先、またいい人と出会うかもしれませんが、今はやりたいことがあるし、1人暮らしが気楽ですね。
□斉藤とも子(さいとう・ともこ)1961年3月14日、神戸市生まれ。本名:斉藤友子。1976年、NHK「少年ドラマシリーズ」の「明日への追跡」でデビュー。1978年、若者向けトーク教養番組「若い広場」で注目され、学園ドラマ「青春ド真中!」「ゆうひが丘の総理大臣」(ともに日本テレビ)で優等生役を演じ人気を獲得。1987年、喜劇俳優・芦屋小雁と結婚し1男1女に恵まれたが1995年離婚。1999年、38歳にして東洋大学社会学部社会福祉学科へ入学すると同時に、舞台「父と暮せば」で女優復帰した。2020年7月25日から、ナレーションを務めた映画「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」が東京・新宿の「K’s cinema」などで公開される。
「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」
ナレーション:宝田明 斉藤とも子
監督: 太田隆文 撮影:三本木久城 吉田良介 音楽:サウンドキッズ 題字:大石千世
制作:青空映画舎 配給・宣伝:渋谷プロダクション 製作:浄土真宗本願寺派(西本願寺)
2019/STEREO/JAPAN/DCP/105min