中村アン、これまでの大きな“決断”は「かきあげキャラ」と「クロスフィット」 仕事もプライベートも“選択”は慎重に

俳優の中村アンがSnow Man・渡辺翔太とW主演を務めるテレビ朝日系連続ドラマ『青島くんはいじわる』(土曜午後11時)が、14日に最終回を迎える。放送を前に中村が取材に応じ、役と自身を重ねた部分や、“決断”において大切にしていることを明かした。

“干物系女子”を演じた中村アン【写真:冨田味我】
“干物系女子”を演じた中村アン【写真:冨田味我】

「もう少しナチュラルにお芝居をしたい」という思いも

 俳優の中村アンがSnow Man・渡辺翔太とW主演を務めるテレビ朝日系連続ドラマ『青島くんはいじわる』(土曜午後11時)が、14日に最終回を迎える。放送を前に中村が取材に応じ、役と自身を重ねた部分や、“決断”において大切にしていることを明かした。(取材・文=水谷賀奈子)

 中村が演じる葛木雪乃は、飲料メーカー入社13年目の総務部員で35歳。まじめに仕事に取り組むも、社内では“お局扱い”されてしまう。にもかかわらず、押し付けられた仕事を手伝ってしまうお人好し。プライベートではひとり酒をたしなみ、休日には家から一歩も出ないこともある、「もう恋愛で自分のペースが乱されるのは面倒」と、恋愛から遠ざかって独身生活を満喫中の“干物系女子”だ。

 一方で、渡辺が演じる“青島くん”こと青島瑞樹は、雪乃と同じ会社に中途入社した26歳のシステム部員で、優秀かつイケメンのモテ男。だが、訳あって人と深く接することが苦手で恋愛は必要ないと考えている“絶食系男子”だ。本作は、そんな2人の王道ラブコメとなっている。

――中村さんが演じる葛木雪乃の印象や演じていて共感できる部分を教えてください。

「始めから無理なく演じられると思って『ぜひやらせていただきたいです』とお答えしました。実際の休日の過ごし方や職場での立ち位置という細かい部分にも共感しています。私も駆け上がってきて、頑張っているときは『恋愛はいいか』と思っていたのが、年齢を意識したときにのしかかってくる。そういった部分を実感することもあるので、雪乃が直面するリアルな問題が私にも刺さりました。年齢はただの数字ではあるけれど、どこかで意識してしまっているんだと思います。

 これまで強くてお堅い役柄を演じてきたことは私の強みでもあるのですが、もう少しナチュラルに肩の力を抜いてお芝居をしたいという思いもありました。雪乃の『どうしよう、連絡できない』『結婚について彼に聞けない』といった、私と似ている女性を演じてみたかったですし、そういう雪乃が好きです。似ていない部分でいうと、私はあんなに料理をしないし、ライフプランも全然考えていないです!(笑)」

――青島くんを演じる渡辺さんとのシーンが多いと思うのですが、渡辺さんの印象を教えてください。

「渡辺くんも青島くんなんじゃないかなと思うくらい、チャーミングな部分を持ち合わせている気がします。視野が広いのか、『アンさん、今日疲れてます?』『痩せました?』とか気にかけてくれて、それを口に出すことのできる素直な人という印象です。だからこそ、こちらからも『このシーンどう思う?』とか聞きやすいですね。青島くんと雪乃さんが関係を積み上げていくように、私たちもちゃんと会話してやってこられたかなと思います」

ネガティブ8割で考え込むタイプだと明かした中村アン【写真:冨田味我】
ネガティブ8割で考え込むタイプだと明かした中村アン【写真:冨田味我】

“決断”は一度持ち帰って紙に書き出す

――35歳の雪乃がどのような決断をするのかも見どころですが、中村さんは決断するときや悩みがあるときは誰かに相談しますか。

「昔は人に相談しなかったのですが、最近は意見を聞きます。この『青島くん~』への出演オファーを頂いたときも『私にできるかな』と不安に思う部分があったので、仲が良い人に『ラブコメどう思う?』と聞きました。そしたら、『絶対やった方がいい。アンさんのそういうところ、もっと見せましょう』『楽しそう。やってみなよ!』と背中を押してくれたんです。また新しいことにチャレンジするときは、人の意見も参考にしたいと思うようになりました」

――相談するようになった、人の意見を聞くようになったきっかけは何だったのでしょうか。

「いい意味で、年を重ねて柔らかくなったのかなと。尖っていたときもあったのが、周りに少し優しくなれるようになったと思っています。今も余裕があるわけではないけれど、いいこともつらいこともいろんなことをやってきて、少し柔らかくなった気がしています」

――人の意見を聞いたうえで、最終的に自身で決断をするときに大事にしていることはありますか。

「直感も含めて、ワクワクする方を選ぶようにしています。でも、『やっぱり違うな』と思ったらやめますね。仕事でも食べ物でも洋服でも『やっぱり違う』っていうのは、多分違うんだと思います。バチっとハマるものがあれば『これ!』ってなるし。とは言っても、『やっぱり違う』って思いたくないこともあるんですよね。最近は『何が違うんだろう?』というのを見つけるために一度持ち帰って、紙に書き出して考えをクリアにすると、やりたいことも嫌なことも分かってくるようになりました。

 ちょっとした違和感は大事にするけれど、決断してしまったら自分に責任があって戻れないので、その選択と決断は慎重にはしていきたいです。雪乃さんくらい慎重だと青島くんみたいにグイっと引っ張ってくれる人がいないとだめかもしれないし。追いかけるのも楽しいけど、恥ずかしいくらいに好きと言われるくらいが理想なのかな。でも、それも『大切にしたい』と思われるような魅力が自分にあってこそなので、『嫌なところもあるけど、なんか好きだな』って思ってもらえたらいいですよね」

――そんな中でも、『これは大きな決断だった』と思うことを教えてください。

「1つは、25歳で“髪をかき上げる”というキャラを前面に出しつつ、“中村アン”を知ってもらうためにバラエティーに出ると決めたときです。もう1つは、27歳で『さらに自分の武器を作りたい』と思って、クロスフィットと出会って体を鍛えていたのも同じぐらいの覚悟がないとできないことでした。

 あとは、初めてお芝居で主演をやったときとか、去年、初めて舞台に出演したときとか。と言っても、私は進んでしまえば早いのですが、それまでがネガティブ8割で考え込むタイプなので、決断する前に『時間をください』と言うことが多いです。いろんな瞬間で、覚悟と決断は求められますよね。これからも、仕事に対しても、しっかりと向き合う気持ちを持ってやっていきたいです」

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