虎ハンター・小林邦昭さん急死、5日前に見舞った西村修が明かす闘病生活「必死になって生きようと」
元プロレスラーで“虎ハンター”の異名を持つ小林邦昭さんが9日、亡くなった。68歳だった。小林さんは今年2月すい臓がんが判明。人知れず闘病生活を送っていた。新日本プロレス時代の後輩で食道がんステージ4闘病中の西村修は、4日に自宅で小林さんを見舞ったばかり。それからわずか5日後の訃報に強い悲しみを口にした。
自宅で対面からわずか5日後に… 7月にはがん治療で入院中の西村を見舞う
元プロレスラーで“虎ハンター”の異名を持つ小林邦昭さんが9日、亡くなった。68歳だった。小林さんは今年2月すい臓がんが判明。人知れず闘病生活を送っていた。新日本プロレス時代の後輩で食道がんステージ4闘病中の西村修は、4日に自宅で小林さんを見舞ったばかり。それからわずか5日後の訃報に強い悲しみを口にした。
「4日にお会いしたときは、想像以上にやせたっていう思いと、あと想像以上に必死になって生きようとしている気持ちは感じました。立ち上がろうとするし、しゃべろうとするし。ちゃんと意思の疎通もできたじゃないですか」
9日夜、小林さんの訃報を知った西村は、こう声を絞り出した。
5日前に三澤威トレーナーらと都内の自宅を訪れ、小林さんを見舞ったばかり。50分にわたって本人と会話していた。
小林さんは1992年に大腸がんを患い手術。その後も肝臓がん、肺がんと30年以上にわたり、大病と格闘してきた。
一方、西村も98年に最初のがん(後腹膜腫瘍)を発症。頼れる相手のいない中、相談に乗ってくれたのが小林さんだった。
「最初のがんの時もそうでしたけども、誰よりも心配してくれたし、2人で情報を共有し合ってきました。がんサバイバーとしてどれだけ生きる糧になったか」
小林さんとは西村が新日本を離れても、毎年定期的に会食を開いていた。今年4月、西村に食道がんが発覚すると、毎日連絡を取り合った。7月には自身も闘病中の身ながら抗がん剤治療のため入院中の西村の病棟を訪れ、体調を気遣った。
症状は聞いていたが、4日に見舞いにいくと小林さんは別人のようにやせ細っていた。ベッドに横たわり、食事が取れない状態だった。
しかし、西村や三澤トレーナーの前では、気丈な姿を見せた。
「みんなにスクワットやってるって伝えてくれ」
上半身をゆっくりと起こし、冗談を交えた。病気のことは一部の人にしか告げていない。長年新日本の道場管理人を務め、突然姿を見せなくなった小林さんを心配する選手は多かったが、弱っていく姿は見せたくないという小林さんの意思は一貫していた。
昭和の時代、人気絶頂だった初代タイガーマスク相手にライバルとして何度も立ち向かった小林さん。病魔に何度襲われても、決して折れなかったその不屈の生きざまはいつまでも記憶に残り続ける。