片岡仁左衛門、再開のめどが立たない国立劇場に「さみしい」 坂東玉三郎は「運命的なもの」

歌舞伎俳優の片岡仁左衛門、坂東玉三郎が8月29日、東京・中央区の歌舞伎座で行われた「歌舞伎座『錦秋十月大歌舞伎』夜の部『婦系図』」の取材会に出席した。2023年10月に閉場した東京・千代田区の国立劇場について思いを語った。

取材会に出席した片岡仁左衛門
取材会に出席した片岡仁左衛門

仁左衛門「1日も早く工事に入ってほしい」

 歌舞伎俳優の片岡仁左衛門、坂東玉三郎が8月29日、東京・中央区の歌舞伎座で行われた「歌舞伎座『錦秋十月大歌舞伎』夜の部『婦系図』」の取材会に出席した。2023年10月に閉場した東京・千代田区の国立劇場について思いを語った。

 独立行政法人日本芸術文化振興会が運営する国立劇場では、歌舞伎、文楽、日本舞踊、邦楽、雅楽など伝統芸能の公演が行われてきた。23年10月に建て替え計画のため閉場したが、再整備事業の入札が2度にわたって不調に終わり、再開のめどが立っていない。

 仁左衛門は国立劇場への思いを聞かれ、「非常にさみしい。(再開のめどが立っていないことは)想像もしてなかったし、最初は再開場の予定が入っていたわけだから。なんとか1日も早く工事に入ってほしい」と語った。

 玉三郎は、「これも運命的なものでしょうね……。どんなに望んでも、演劇的な受注がなければ難しいでしょうし、歌舞伎だけでなく、いろんな舞台芸術が盛んでなければ、できないものでしょうね」と分析。また「本当のところね、あんまり考えられないの。公だから建前でうまいことを言うのではなくて、ものすごく大きな問題で。一面的に『こうなってほしい』と私は言えないです」と語った。

 10月2日から歌舞伎座で上演する『婦系図』は、明治41年(1908年)に新富座で初演されて以降、新派の代表的演目として名優たちによって上演されてきた人気作。言語学者・早瀬主税(はやせ・ちから)と、元柳橋の芸者・お蔦(おつた)の悲恋を軸に、2人を取り巻く人々を描く。今回は仁左衛門が過去5回演じてきた主税を、玉三郎が昭和58年(1983年)以来41年ぶりにお蔦を演じる。これまで数々の作品で共演している2人だが、『婦系図』での共演は今回が初となる。

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