母国の日本食は「ニセモノだった」 在日イタリア人、来日後に食べて感激した庶民派の逸品とは

福岡県福岡市に住む28歳のイタリア人のボ・ヴァルテルさんは、同市の起業サポート施設である「スタートアップカフェ」の支援を受けながら、2021年に株式会社Asobiholicを起業し、現在は新作ゲームの開発を行っている。今回のインタビューでは母国イタリアにおいて、日本のアニメーションがどれほどの人気を誇っているのか。そして来日して食べた本場の日本食にどのような印象を抱いたのかについて、それぞれ話を聞いた。

福岡でゲーム開発会社を起業したヴァルテルさん【写真:本人提供】
福岡でゲーム開発会社を起業したヴァルテルさん【写真:本人提供】

「福岡在住イタリア人社長を直撃」第3回、幼少期から親しんできた日本のアニメ

 福岡県福岡市に住む28歳のイタリア人のボ・ヴァルテルさんは、同市の起業サポート施設である「スタートアップカフェ」の支援を受けながら、2021年に株式会社Asobiholicを起業し、現在は新作ゲームの開発を行っている。今回のインタビューでは母国イタリアにおいて、日本のアニメーションがどれほどの人気を誇っているのか。そして来日して食べた本場の日本食にどのような印象を抱いたのかについて、それぞれ話を聞いた。(取材・文=白石倖介)

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 イタリアに住んでいた頃から日本への興味が尽きなかったというヴァルテルさん。日本文化との出会いはテレビで放送されていたアニメからだった。世界を席巻する日本アニメはイタリアでも大人気で、子どもの頃から親しんでいたという。

「地上波のいろいろなテレビ局で日本のアニメが毎日放送されていたんよ。朝は子どもが見るアニメ……『ドラえもん』とか『とっとこハム太郎』、『ふたりはプリキュア』などが流れていて、昼間は『週刊少年ジャンプ』原作のアニメが多かった。『ドラゴンボール』や『NARUTO』はイタリアでも大人気だし、日本で人気のある作品はイタリアでも追いかけるように放送されるんよ。最近だと『呪術廻戦』や『鬼滅の刃』も放送されているね」

 高校時代は『ドラゴンボール』や『NARUTO』に大ハマりしていたというヴァルテルさん。日本のアニメの魅力は豊富なストーリーにあるといい、インタビュー中にも「楽しみが終わらない」とうれしい悲鳴が飛び出した。こうした日本のアニメは若い人々だけでなく、多くのイタリア人が好んで視聴しているという。

「どんな大人も、おじいちゃん、おばあちゃんもみんな知っている。みんな大好き。日本のアニメ文化はイタリア人の生活と心にも深く根付いている。今はあまりないけれど、僕が子どもの頃はキャラクターの名前がイタリア風に変えられてしまっていた。そういうローカライズされたものを見て育ったんよ」

日本食で“粉もん”が大好き「ソース味も最高」

 幼少期から日本の文化に親しんできたヴァルテルさんが、アニメと同じように好きなのが「日本食」だ。2015年に初めて来日した際には、本場の日本食を食べることができて感激したのだという。

「初めて日本に来た時は感動した。アニメやマンガのお店がたくさんあるし、スーパーマーケットも面白かった。日本の飲み物や食べ物が好きやからね。イタリアにいた時も日本食のレストランに行ったことがあるけど、日本に来て気づいたのは、あのレストランはニセモノの日本食だったってこと(笑)。すしやラーメンを食べて、イタリアのモノとはまるで違うから驚いた」

 一番好きな日本の食べ物について聞くと、ズバリ「たこ焼き」だそう。

「たこ焼きやお好み焼きが大好き。“粉もん”が大好きなんよね。外がカリカリで中がソフトで、あとソース味も最高。このソースがイタリアでは手に入らないんよね。高知のひろめ市場にある『ねぎ蛸こすも』は最高!」

 初来日時に街の雰囲気を気に入り、長く滞在した高知にあるお店の名前を挙げながら、“たこ焼き愛”に力を込めていた。

(第4回へ続く)



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