漫才一筋を貫くお笑いコンビ・黒帯が“吉本所属”を決めたワケ 大阪で「ちゃんと見てもらえない」

昨年、“笑いの殿堂”なんばグランド花月、ルミネtheよしもとでの単独ライブを大成功に終わらせたお笑いコンビ・黒帯が、今年は全国ツアー『ネタサボってんじゃねえよ』を開催。ツアー千秋楽となる大阪での追加公演、賞レースにかける思いに迫った。

インタビューに応じた黒帯【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じた黒帯【写真:ENCOUNT編集部】

コンビ初となる全国ツアー『ネタサボってんじゃねえよ』を開催

 昨年、“笑いの殿堂”なんばグランド花月、ルミネtheよしもとでの単独ライブを大成功に終わらせたお笑いコンビ・黒帯が、今年は全国ツアー『ネタサボってんじゃねえよ』を開催。ツアー千秋楽となる大阪での追加公演、賞レースにかける思いに迫った。

 黒帯は、高校の同級生だった大西進(36)とてらうち(37)が、2010年10月に結成。芸歴14年目で初の全国ツアーに挑んだ。

大西「去年、NGK(なんばグランド花月)とルミネ、吉本の劇場の中では大きい2つでやったので、それよりスケールアップするとなったら、ツアーしかないということで、今年はツアーという形になりました」

 2月に大阪・よしもと漫才劇場でスタートしたツアーは、静岡、愛知、福岡、広島、東京を回り、残すは大阪・なんばグランド花月公演のみとなった。ツアーや日々の劇場出番を通してネタを磨き上げ、千秋楽に臨む。

てらうち「単純にネタだけしかやっていませんので、今年は特にネタをたくさん作りました。大阪で『グランドバトル』という、劇場メンバーでネタを競い合うライブがあるのですが、ツアーが始まってからは好順位をキープできていますし、スベることも減りました。大スベりはしていません」

 ネタ至上主義と言われる大阪で、コントの道を断ち、漫才にこだわり続けた黒帯。公式プロフィールを見ると、2人の特技の欄には“漫才”の2文字が堂々と書かれている。彼らは何故、漫才にこだわるのか。

てらうち「それは不器用なだけです。漫才も一般人よりはできるから特技に書いているだけです(笑)」

大西「コンビの活動を始めて、漫才を作ることが多くなって、器用ではないのでコントはやらなくなりました。大阪は漫才をしている方が重宝されるのでラッキーでした」

 現在は吉本興業に所属し、大阪よしもと漫才劇場を拠点に活動しているが、もともとは松竹タレントスクールを卒業し、松竹芸能に所属していた(2015年9月にオーディションに合格して吉本興業の所属に)。“脱竹”の道を選んだ当時を、こう振り返る。

大西「さらば青春の光さんでしたり、3組くらい松竹の主要な兄さんたちが抜けることになって、その人たちにお世話になっていたので、僕たちも抜けようかなと思ったのが、きっかけです。その頃、吉本のインディーズライブに出させてもらって、吉本の芸人さんたちとの交流も増えていたのもあって、吉本に行った方がいいのかなと考え始めました」

てらうち「松竹を辞めてから1年くらい時間がかかって入所して、吉本に入れた瞬間によしもと漫才劇場に代わって、NSCを卒業していないと吉本所属になれないシステムになりました。僕らはギリギリでしたね。霜降り明星とかも一般で入ったと思うんで、僕らがギリギリの世代です」

 吉本芸人と吉本以外の芸人、どんな違いがあるのか。

大西「M-1の予選を勉強で見に行くんですけど、吉本のお客さんがほとんど。松竹とか他事務所、フリーの人が出てくると、大阪は特になんですけど、ちゃんと見てもらえないというか」

てらうち「大阪は吉本大国なので、吉本芸人が好きなお客さんがほとんどですね。M-1の予選はネタ時間が2分だったりするので、お客さんが知らんやつ出てきたとなると、絶対にウケきらないんですよ」

大西「2分じゃ間に合わないんですよね。それやったら吉本ブランドをもらいに行くかとなって、吉本所属になることを決めました」

 漫才一筋を貫く黒帯は、日本一の漫才師を決める賞レース・M-1グランプリへの思い入れも強い。2018年に初めて準々決勝進出を果たし、6年連続で準々決勝進出という結果を残している。結成14年目となり、残されたチャンスは2回。今年こそは準決勝進出、さらにその先の決勝、漫才の頂点を目指す。

大西「毎年、NGKで準々決勝が行われているのですが、あまりバラエティーに富んでいないというか、本格派な漫才師が勝っている印象があります。僕らはそちらのタイプではない。大阪のけんか漫才が有利なんですけど、けっこうウケきらずに終わるというのが6年続いていますね」

てらうち「お客さんが800人くらい入るんですけど、この6年は意識が狭かったというか、面白いと思ってくれる人だけ面白いと思ってくれたらいいやという感じがありました。今年はもっと広く笑ってほしいという意識しかありませんね。800人を巻き込むというのは、普通にやっていたら無理。そこは経験を積んだので、なんとかしたいですね」

 そんな黒帯に嫉妬した芸人を聞くと、こんな答えが返って来た。

てらうち「うらやましいとか、そういうのはせんとこうと生きているんですけど、僕が一番かっこいいなと思うのは粗品ですね。あれは出来ないですからね。かっこいいですわ」

大西「あいつが後輩やったので、自分らの実力を認めさせられるというか。あれが先輩だったら、先輩だからしょうがないかとなってしまうので。僕はとろサーモンの久保田さんがボケの鏡だと思っています。才能があって、すごい大御所の方にも立ち向かうための手段を持っている人なので」

 最後に賞レース以外の目標を聞いた。

てらうち「給料100万円を超えることですね」

大西「稼いで後輩に飯おごったりできたらいいですよね」

てらうち「正直、劇場出番、漫才だけやったら、そこまでいけるか分かりませんが、M-1の決勝にいったり、チャンピオンになれたら、自分たちでできる幅も広がると思うので、その状態まで地位を上げなければ話にならないと思っています」

●黒帯 全国ツアー2024『ネタサボってんじゃねえよ』
9月3日(火)午後7時30分 開場/午後8時 開演
会場:大阪・なんばグランド花月
ゲスト:金属バット

▼FANY Online ticket:https://x.gd/fjxLe
配信スケジュール:9月3日(火)配信開始 午後8時~
※見逃し視聴は9/5(木)20:00まで。販売は9/5(木)12:00まで。

●黒帯全国ツアー2024『ネタサボってんじゃねえよ』アフタートーク配信
9月4日(水)午後8時30分~9時
※オンライン配信のみ
※見逃し視聴は9/6(金)20:30まで。販売は9/6(金)12:00まで。

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