横浜駅の転落巻き込み事故「ひとごとには思えない」 献花に訪れ心痛、涙する女性も…屋上現場は“閉鎖”

JR横浜駅で8月31日、駅に隣接する商業ビルの展望テラスから女子高校生が転落、下を歩いていた別の女性が下敷きとなり、2人とも死亡する事案が発生した。高校生の転落死という重大性だけでなく、無関係のまま巻き込まれて命を落とす悲劇にショックが広がった。転落現場の路上には献花が続き、事故発生から2日がたった中でも多くの人が現場を訪れている。巻き添えになって亡くなった女性に思いをはせ、涙を流す人も。どういった思いで花を手向けたのか。心境を聞いた。

横浜駅の転落現場には多くの人が訪れた【写真:ENCOUNT編集部】
横浜駅の転落現場には多くの人が訪れた【写真:ENCOUNT編集部】

JR横浜タワー12階から転落 2人の女性が亡くなる

 JR横浜駅で8月31日、駅に隣接する商業ビルの展望テラスから女子高校生が転落、下を歩いていた別の女性が下敷きとなり、2人とも死亡する事案が発生した。高校生の転落死という重大性だけでなく、無関係のまま巻き込まれて命を落とす悲劇にショックが広がった。転落現場の路上には献花が続き、事故発生から2日がたった中でも多くの人が現場を訪れている。巻き添えになって亡くなった女性に思いをはせ、涙を流す人も。どういった思いで花を手向けたのか。心境を聞いた。

 事故が発生したのは商業施設「NEWoMan 横浜」やオフィスが入るJR横浜タワー。神奈川県警戸部署によると、8月31日午後6時ごろ、千葉県の高校3年の女子生徒(17)が12階の屋上庭園から落下した。地上の歩道を歩いていた横浜市の女性会社員(32)が巻き添えとなり、死亡。同署は重過失致死容疑も視野に、状況の分析を進めている。

 悲劇から2日が経過した9月2日の昼過ぎに現場を訪れると、故人をしのび、花や飲料、ぬいぐるみなどが多数供えられていた。周辺には商業施設が多数集まり、ターミナル駅を出てすぐの場所。サラリーマンや学生、親子連れなど多くの人通りがあった。「えー! ここが?」と驚きの声を上げる人や、涙を浮かべながら手を合わせる人も見られ、事故の衝撃の大きさをうかがわせた。

 今回の一件をニュースで知ったという藤沢市在住の23歳の女性は「自分にできることはこれくらいなので」と花を手向けた。「今日横浜に用事があって来て、実際に目の当たりにしたら、あの日あの時間にいなければ、(女性会社員は)亡くならなかったのかなと思って、悲しくなってしまって……。花を供えさせてもらいました」と、言葉を詰まらせた。

 普段から横浜駅周辺をよく利用するという60代の会社役員の男性は仕事で現場を通り、献花した。「びっくりしました。遠目で見ると、(テラスの柵が)結構高いですよね。どうやって登ったんだろう」と心境を吐露。自身にも娘がいることを明かし、「本当に災難だと思います。親御さんはどういうふうに思っているんだろうと。(遺族は)今も信じ難いでしょうね」とおもんぱかった。

 落下した女子高生と同年代の子どもが通学で同駅を利用しているという30代の女性は、事故に衝撃を受け、現場を訪れた。「巻き込まれた方はかわいそうで、ひとごとには思えないです。できたばかりの建物ですし、まさか落ちてくるとは思わないですよね。この辺を通る人にとっては結構ショックだと思います」と、涙を流しながら思いを口にした。

 現場の展望テラスは屋上庭園となっているが、現在利用が不可能の状態。「当面の間、閉鎖いたします」と書かれた看板が設置されており、「ビル運営都合による閉鎖」と記載されている。

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